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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.26
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世界の子ども物語

武器を教科書にかえよう
(スーダンの子どもたちを学校に行けるようにする活動)

 スーダンはアフリカの北部にあり、日本の約7倍の面積をもつアフリカ大陸で最も大きな国です。ここでは20年以上にわたって、紛争が続いていました。その紛争のために多くの子どもたちが亡くなったり、けがをしたりしています。また、親が殺されたり、住む家を失ったりして、貧しくなった子どもや難民になった子どもたちもいて、生活のために軍隊に入る子どももいます。中には、さらわれたり、おどかされたりして、むりやり兵士にさせられた子どももいます。


軍隊をやめた3人の男の子
子どもたちの登録をするユニセフスタッフ

 ユニセフは子どもたちを兵士にすることに反対し、ちゃんと学校に行けるような支援をおこなっています。ユニセフや世界の活動によって、スーダンでは2001年から約2万人の子どもたちが、軍隊をやめ、家族のもとに戻りました。しかし、いまだにわかっているだけも2000人の子どもの兵士がいて、実際は、もっとたくさんの子どもの兵士がいると考えられています。

 ユニセフの活動によって、軍隊をやめることができたスーダンの南にあるホルフルツ村に住むサラさんの話です。サラさんは13歳の女の子です。今年4月にこの地域で軍隊をやめた200人の男の子と40人以上の女の子の中の1人です。

「今日から、私は学生よ。」と、彼女は言います。サラさんは、6歳のとき、お父さんが紛争で亡くなりました。お父さんが死んだあと、お母さんは、生活のために軍隊に入りました。サラさんもそのような生活の中で、9歳で軍隊に参加するようになりました。彼女は軍隊ではライフル銃を扱っていました。しかし、今、サラさんはライフル銃を置き、英語の教科書を持っています。
 
 紛争の続いた南スーダンでは、4分の3の人は読み書きができません。南スーダンでは、現在「学校へ行こう」キャンペーンをおこなっています。しかし、学校に行くことに対してはたくさんの問題があります。まず、学校そのものがこわされていて、少なくなっています。そのため、今はどの学校も子どもでいっぱいです。また、いろいろな用具などが整っていない、先生がいないといった問題もあります。ユニセフは「学校へ行こう」キャンペーンを応援していて、学校を建てる手助けをしたり、教科書や黒板、チョークなどの用具を送ったり、先生を育てるための研修をおこなったりしています。ユニセフは世界中の子どもが銃を教科書に持ちかえて、安全に学校に行くことができる日がくるまで活動を続けます。

「学校へ行こう」キャンペーンのポスターを掲げる子どもたち 学校のために使われる用具類
ドイツのユニセフ協会が送ったTシャツを着る子どもたち
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