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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.28
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世界のニュース(2)

混乱からのがれる生徒たちであふれかえる、
東ティモールの学校から

東ティモールの地図
世界から支援をうけて2002年に独立をした東ティモールでは、政府と国民とのあいだで対立がつづき、今もなお混乱がつづいています。とうとう政府は、これいじょう自分の国の治安をたもつことができないと考えて、2006年5月24日にまわりの国に助けを求めました。その後、一度は落ちついたものの、アルカティリ首相が辞任においこまれるなど、安心ができない状況がつづいています。子どもたちもその危険な状況のなかで、くらしています。

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東ティモールの首都ディリから混乱からのがれてきた700人をこえる中等教育学校の生徒たちが、バウカウ地区東部の学校におしよせました。それ以来、この地区にある3校の中学校は、あふれかえる生徒たちの対応におわれています。

3月末のディリでの混乱がひろがって、約2万5千人の人びとが、この地区にのがれてきました。このバウカウ地区では、しんこくな暴力行為や破壊はなく、たいていの教育や医療などの社会サービスも機能しているので、ディリよりも落ち着いています。

(C) Timor-Leste/2006/Ruiz
学校の外で歌をうたっている子どもたち。この子たちもディリから避難してきました。

東ティモール政府は、バウカウ地区の学校に対して、ディリからのがれてきたすべての子どもたちを受け入れるように命じました。現在、バウカウ地区の学校では、何人の生徒たちが通っているのか、把握できていません。しかし、ある小学校では、160人以上の新たな生徒の受け入れに対応していると話しています。また、他の小学校では、350人以上の人びとの避難所となっているにもかかわらず、今までどおりに授業も行っているそうです。

ディリからバウカウ地区にのがれて来た150人の教師のうち、120人はすでに小学校、中学校、そして職業訓練学校で働いています。先生になるための国家試験は、予定通り行われるようにすすめられていますが、この混乱が原因ですこし延期されてしまう地区もあり、教師が足りない状態がつづいています。一方で、バウカウ地区の学校は、施設の衛生管理が不十分で、生徒の食べ物や、授業を行う黒板や教材など、学校をつづけていくために最低限必要な物資が不足しています。

 「もし、避難民の人びとがこの先も増えつづけるのであれば、すべての学校や施設が人であふれかえってしまうでしょう。私たちは、そういった生徒たちをどこへあずければよいのでしょうか」とバウカウ地区の教育部長ロドルフォ・エンリケ・アパリシオさんはうったえました。

ユニセフは東ティモール政府とともに、すべての子どもたちが学校で勉強しつづけられるように、努力しています。バウカウ地区に水道や衛生施設をととのえ、人びとの健康や子どもを保護するために支援をつづけています。

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