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No.28
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世界のニュース(4)

紛争のトラウマになやまされる子どもたち 〜スリランカ〜

© UNICEF Sri Lanka/2006/Mitani
バッティカロアのキャンプにすむ、14歳のサンジャンと弟

スリランカの東部にあるバッティカロア。ここには避難民のためのキャンプがあります。14歳のサンジャンは、自分と家族がうけた、つらい体験を話してくれました。

「ぼくたちは住んでいる村から、このキャンプまで逃げてきたんだ。ぼくは足をけがしたけど、お母さんは腕をひどくけがしてしまった。今お母さんは病院にいるよ。とっても心配なんだ」。

これまで停戦していた、スリランカ政府と、政府に反対するタミル人が組織するLTTE(タミル・イーラム解放の虎)による内戦が再発しました。その数カ月後、何千人もいるほかの避難民といっしょに、サンジャンの家族は、住んでいる家から避難しました。避難している人びとの半分が子どもたちだといわれています。



© UNICEF Sri Lanka/2006/Mitani
12歳のダヤシンは、逃げているあいだ、子どもたちが倒れているすがたを見ました

「村が攻撃をうけたとき、わたしはかくれていたの」。サンジャンと同じキャンプにいるターチャイナは言いました。「それで、私たちはジャングルの中を、2週間、十分な食べ物も飲み物もないのに、歩きつづけたわ」。

「ここにくるまで、道に子どもたちが倒れているのを見たの。その子どもたちのなかには、とてもおさない子どもたちもいたわ」。12歳の女の子、ダヤシンはこうつけくわえていいました。



◆困難にたちむかう子どもたちを救おう

子どもたちがけがをしたり、親がいないことで誘拐(ゆうかい)されたり、児童労働などの危険から守るために、スリランカで活動しているユニセフは、協力団体といっしょに、親とはなればなれになってしまったすべての子どもたちを登録する仕事にとりくんでいます。さらに、「子どもにやさしい場所」を作りました。そこでは、小さな子どもたちが、安全な場所で、新しい友だちを作ることができます。

それと同時に、ユニセフはレクリエーションキットをほかの支援物資といっしょに、紛争のあった地域に送っています。子どもたちは、レクリエーションキットを使って遊んだり、絵をかいたり、スポーツをして、まえむきな生活を送ることができます。

ユニセフは、子どもたちがふたたび学校に通うことができるように支援しています。それが、子どもたちがストレスや心にうけた傷を回復させるのに、もっとも良い方法だからです。また、地雷や不発弾から身をまもる方法を子どもたちに伝えることもサポートしています。

◆スリランカに平和がおとずれるのか…

© UNICEF Sri Lanka/2006/Mitani
ルクマリーは、9カ月の子どもをもつお母さんです

この紛争によって、住むところをうしなった子どもたちと、家族にとって、スリランカにモンスーンの季節がやってくると、生活することがむずかしくなってきます。ユニセフはほかの団体と協力して、人びとがきれいな飲み水を飲めるようにして、感染症を防ぐようにしています。

スリランカ政府と反政府軍が平和的な話しあいをしはじめたばかりだと伝えられていますが、スリランカが本当に平和にむかっていくか、それとも混乱したままなのかどうかは、今のところはっきりとわかっていません。ひきつづき支援をつづけているあいだは、日本をはじめ世界各国は、スリランカの子どもたちのために、この紛争を終わらせて、平和になるように、よびかけていかねばなりません。

「この紛争はこれまで何年も続いてきたわ。そして、私は何度も住むところをうしなったの」。こう話すのは、9カ月の子どもをかかえる22歳のお母さんルクマリーです。「私はスリランカが平和な国になってほしい。私の子どもが安全に育つことができるようにね」。

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