世界のニュース(1)
子どもへの暴力をやめさせよう
途上国でも、先進国でも、子どもたちがさまざまな暴力の被害に
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© UNICEF/HQ00-0983/Achinto |
私たちが最近よく目にする、テレビや新聞で伝えられているさまざまな児童虐待(じどうぎゃくたい)の事件。まもられるべき子どもたちが、力の強いおとなたちによってそのような暴力(ぼうりょく)をうけているという状況は、日本だけでなく、世界的にしんこくな問題になっています。
国連は2006年10月12日に『子どもへの暴力(ぼうりょく)にかんする調査報告書』 を発表し、世界中の子どもたちがどんな暴力をうけていて、どれだけの被害をうけているのかをまとめました。
報告書では、
- 家庭や家族
- 学校など教育をうける場所
- その他の施設(親をうしなった子どもたちを保護する施設や、法をおかした子どもたちがいる施設など)
- 働く子どもたちが作業している場所
- 地域や路上
といった、子どもたちが暴力の被害をうけやすい5つの場所に注目して、現状をつたえています。
そのなかで、たとえば家庭内でおこっている性的暴力や、学校での体罰、子どもの保護施設での虐待、子どもが集まる場所での集団暴力、おとなによるおさない子どもの殺害(さつがい)など、さまざまなかたちでおこっている「子どもへの暴力」を報告しています。
そういった「子どもへの暴力」によって、2002年1年間に、世界中で17歳までの子ども5万3,000人が殺人の被害にあっています。また、18歳未満の女の子150万人と、男の子73万人が性的暴行(ぼうこう)の被害にあっているとつたえています。
そしてその一番の解決方法として、子どもへの暴力を未然(みぜん)にふせぐことだと伝えています。そのためには、各国の政府が子どもへの暴力の禁止を強め、予防プログラムをすすめることがひつようだとうったえています。
おとなからうけた暴力によって、子どもたちはしんこくなダメージをうけます。ダメージをうけた子どもたちは、体にも、心にも傷をうけて、それが成長や健康にも影響するといわれています。たとえば、そのうけた"傷"をまぎらわすために、タバコをすったり、お酒や薬物(ドラッグ)にたよったりする若者もすくなくありません。そうすることで、自分の体をこわすことにもつながるのです。
子どもたちがこのようなダメージをうけることは、その子どもをもつ家族だけでなく、地域や国にもえいきょうをおよぼします。
子どもの権利条約にもさだめられているように、子どもが暴力やむごいあつかいなどをうけたりしないように、国は子どもをまもらなければなりません。世界の子どもたちが暴力のない、しあわせな毎日がすごせるように、ユニセフも活動をつづけています。
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