世界の子ども物語
アフリカ・ルワンダのジェノサイド事件のお話
みなさんは「ジェノサイド」という言葉を知っていますか。国際法によれば、1つの人種・民族・国家・宗教などの構成員に対する虐殺(ぎゃくさつ)行為をさしていて、有名なナチスドイツのユダヤ人大量虐殺もジェノサイド事件の1つとしてあげられます。
このジェノサイド、それこそ遠い昔に起きたことで、今の現代社会ではそんな恐ろしいことは起きないだろうと思う人もいるかもしれません。しかしたった12年前の1994年、アフリカのルワンダという国で、100日間に100万人の人が虐殺されるという事件が起きていたのです。
ルワンダでは、フツ族とツチ族という2つの民族が長い間対立していました。そんな状況の中で、1994年4月に起きたルワンダのハビャリマナ大統領の暗殺をきっかけに、3ヶ月以上にわたるフツ族によるツチ族の虐殺が始まりました。
ルワンダのジェノサイド事件によって虐殺された人たちのうち、子どもの数は30万人にものぼり、さらに9万5,000人の子どもたちが孤児になりました。また多くの学校が破壊され、今でも40万人の子どもが学校に通うことができていません。このようにジェノサイド事件は当時の子どもたちにとても大きな傷を残し、さらに現在の子どもたちにも大きな被害を与え続けています。
「あの10年前のできごとを思い出すとき、今も子どもたちの苦しみが続いていることを忘れないでほしい、そして、あれほど悲惨(ひさん)なできごとが2度と起きないようにするためにも、世界が責任をもって支援を続けていくことが必要なのです」とユニセフはうったえています。
ジェノサイドという悲劇(ひげき)をくり返さないために、みなさんができることは何でしょうか。それはまずこの問題を知り、考えることだと思います。そこで、参考になる本と映画を少し紹介したいと思います。
- 本:「ジェノサイドの丘〜ルワンダ虐殺の隠された真実」
(上・下)
フィリップ・ゴーレイヴィッチ(著)
柳下毅一郎(訳) WAVE出版
各1680円(税込)
ISBN 4-87290-158-4(上)
ISBN 4-87290-159-2(下)
高校生以上向け
- 本:「生かされて。」
イマキュレー・イリバギザ、スティーヴ・アーウィン(著) 堤江実(訳)
PHP研究所出版 1680円(税込)
ISBN 4-569-65655-2(上)
高校生以上向け
- 映画: 「ホテル・ルワンダ」(公式HPはこちら)
出演:ドン・チードル、ソフィー・オコネドー 監督:テリー・ジョージ
2004年/南アフリカ=イギリス=イタリア/122分
中学生以上向け
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国際法ではまだジェノサイドとは認定されていませんが、現在同じアフリカのスーダンでも虐殺行為が行われていて、ユニセフは被害者の支援活動を行っています。日本ユニセフ協会のプレスリリースではこの問題がたくさんとりあげられています。
みなさんにもぜひ、日ごろからこういった記事やニュースに耳をかたむけて、今起きている悲惨なできごとについて考えてほしいと思います。
※ここでごしょうかいした資料はユニセフの活動をしょうかいするものではありません。 |