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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.34
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世界のニュース(1)

4月4日は世界地雷廃絶デー:世界から地雷をなくすために

© UNICEF/HQ04-0770/Bonn
地雷によってひがいをうけた18歳までの子どもたちが、エチオピアを視察におとずれた、ユニセフ親善大使のダニー・グローバーさんを歓迎するようす

紛争が終わると、兵士たちは地雷をはじめ、クラスター爆弾や手榴弾(しゅりゅうだん)といった武器をおきざりにしてしまいます。これらの爆発物は、そこでくらしている人たちにとって、とてもこわいものです。とくに、子どもたちにとっては、こういった爆弾がめずらしいかたちをしているので、それをつかってあそぼうとしてしまいます。

そのような危険ととなりあわせの世界にすむ子どもたちにとって、安全にくらすにはどうすればいいか、また、命をうしなったり、手や足をうしなったりする危険をふせぐためにはどうしたらいいかを教えることは、ユニセフのおもな活動のひとつになっています。

スリランカのバッティコロア地域にすむ、14歳のヴァラタラジくんは、地雷の絵がかいてある注意を見ていたことで、命がすくわれました。ヴァラタラジくんは偶然、地雷がむきだしになっているのをみつけました。モンスーンの季節によって、雨でながされた地雷が、ヴァラタラジくんの村にある子どもの広場にながれついたからです。ヴァラタラジくんは、ユニセフが支援している地雷の恐ろしさについて学ぶプログラムを受けていました。ですから、それにさわってはいけない、パニックをおこしてはいけないということを知っていました。そこで教えてもらったとおり、安全に移動できるように、助けをよびました。

「たしかに地雷をみつけたけれど、すくなくともこの村のなかでは安心していられるんだ。だって、この村では地雷をとりのぞかれているから。でも、村の外は安全かどうかわからないよ」。

★意識をすることが、地雷から身を守るはじめの一歩

© UNICEF/HQ92-1674/Lemoyne
義足(ぎそく)をつけるカンボジアの男の子。地雷で足をうしないました。地雷の廃絶がすすんでいるにもかかわらず、戦争がおわっても、のこされた爆発物によって、80以上の国ぐにが今も危険にさらされています。

すべての子どもたちを、地雷をはじめとする、「戦争でのわすれもの」から守らなくてはいけません。2005年に発行された地雷調査報告書によると、1万5000〜2万人の人びとが毎年地雷によって命をうしなったり、手や足をうしなうひがいを受けています。そのうち20パーセントが子どもたちです。この数は、20世紀よりも数がへっています。

ユニセフは、これからも努力をつづけていけば、完全になくなると信じています。2006年4月4日を最初の世界地雷廃絶(はいぜつ)デーとさだめ、地雷のおそろしさや、地雷にかんする対策の支援をよびかけました。地雷のひがいを受けている国ぐにが、まだ地雷の問題は終わっていないこと、これからも支援が必要だということをよびかけたのです。

ユニセフスタッフのポーラさんはこう話しました。「この日に、もっともうったえたいメッセージは、「戦争によってとり残された地雷をなくすには、数十年ではなく、数年で解決できる」ということです。しかしそのことを成功させるためには、長い期間にわたるお金での支援のほかに、地雷をとりのぞく作業や、地雷の恐ろしさを教育すること、そしてひがいを受けてしまった人へのケアへの支援が必要です」。

昨年はこの日に、地雷の恐怖におびやかされている29の地域でキャンペーン活動が行われたいっぽう、ユニセフの本部があるアメリカのニューヨークではユニセフ親善大使のダニー・グローバーさんがパネルディスカッションに参加しました。そこで国連の専門家や地雷廃絶の活動をしている人たちと話し合いをしました。

★子どもたちを地雷から守るための3つの柱★

©UNICEF/HQ04-0762/Thomas
義足をつけて、自転車をこいで学校に通う14歳のソクムくん。カンボジアの西部のある村に住んでいます。2002年に、お父さんが働いている現場で遊んでいるときに、地雷をふんでしまいました。

「ユニセフは地雷にかんする支援に3つの柱があります。ひとつは、地雷の危険におびやかされている世界に30ある国ぐにで地雷のおそろしさを教育することです。たとえば、どんなエリアを歩くと危ないとか、何をすればいいか、何を手にしてはいけないか…などです」。

「二つ目の柱はアドボカシーです。私たちは、地雷禁止条約を世界で批准(ひじゅん/国それぞれが条約を認めること)してもらえるように活動しています。また、私たちは、国それぞれに批准をおしすすめるよう、国内の法律をととのえるよう、働きかけています」。

「三つ目に、ひがいを受けた人びとを支援することです。とくに地雷によって手足をけがした子どもたちが、すぐに、そして長い期間にわたって、治療や支援をうけることができるようにするようにしています。ほかの子どもたちとおなじように、子どもたちが住んでいる地域の一員としてくらしていけるようにするためです」。

地雷禁止条約が1999年にできてから、今は世界の国ぐにの4分の3以上の国が批准をしています。その条約によると、地雷をつくったり、備蓄(びちく)すること、人をターゲットにした地雷を使うことは禁止されています。

80以上の国ぐにが、今も地雷の恐怖にさらされています。もっとも多く地雷がうめられている国ぐには、アフガニスタン、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、カンボジア、コロンビア、ラオスだといわれています。

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