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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.38
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世界のニュース(1)

自由に伝えられるよろこびをすべての女の子に
ヨルダンの女の子を応援するユニセフのサポートセンター

みなさんは、お父さんやお母さんに自由に意見をいったり、クラスの男の子や女の子ときがるに話すことができますか?とくに女の子のみなさんは、どうでしょうか?世界には、女の子が男の子にきがるにはなしかけたり、思ったことを言うことがむずかしい文化もあります。今回のお話はヨルダンに住んでいる女の子のお話です。

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イサヤ君と品川さん
© UNICEF Jordan/2007
女性プログラムセンターで、おなじ若者たちと話すワラさん(中央)

「私はこれまでだれかに反抗したり、おもいきって自分の意見を言ったりしたことがなかったの。家族であるお父さんにたいしてもね」。こう話すワラさんは16歳。「今はとても幸せよ。だって、理解しあえるなかまがいる場所をみつけたんだもの」。

ここ近年、ワラさんはヨルダンの港町、アガバにあるユニセフが支援するセンターに通っています。このセンターでは、若者のリーダーシップをとるちからをそだてる活動にちからをいれています。若者のなかでも、とりわけ女の子のちからを育てています。ワラさんは、友だちといっしょにいろいろなアクティビティに参加しています。たとえば、自分の気持ちをどうやって伝えるのか、健康にくらすにはどうすればいいか、HIV感染(かんせん)を防ぐにはどうしたらいいのかということも学ぶことができます。コミュニケーション(いろいろな方法をつかって、ほかの人が伝える情報を聞いたり、見たりし、自分の言いたい事をどのように伝えるか)の力を高めたり、何か問題にぶつかったときに、自分で解決する力をそだてるための勉強会も行われています。

ワラさんは、今、自分が学んだことを同じ若者たちに伝えるファシリテーターとして活動しています。

◆ 貧しい村での生活 ◆

センターへやってくるとワラさんは、貧しい村での生活のなかで、かかえているつらいことからときはなたれるような気持ちになります。さらに、ワラさんは男の子たちと接触(せっしょく)することを恐れていました。

「いちばん最初に挑戦(ちょうせん)したことは、センターで男女いっしょのチームに入って活動することだったの。私が住んでいた環境にはなかったことだわ」。

そしてすぐに、ワラさんは女の子だって思ったことを話すことができるし、同じくらいの年の男の子たちと平等なんだということに気づきました。

「私だって、社会のなかの一員なんだ、役割がちゃんとあるんだってことに気づいたの。それに、ここで教えてもらったことのおかげで、ほかの人たちとうまくコミュニケーションをとることができるようになってきたの」。

◆ 言いたいことを伝えられるよろこび ◆

ワラさんのおかあさんは、ワラさんがセンターに通いだしてから、ようすが変わったことに気づいたようです。

「私のむすめは、絶対に外出したがらなかったのよ。家のなかでは、暗い雰囲気(ふんいき)で、いつも家族でけんかになっていたわ。でも、今はワラがすごく変わったのがわかるのよ。お父さんにだって、言いたいことをかくさずに言えるし、ずっと家にとじこもりっきりになることはなくなったんですもの」。

ワラさんのお母さんは、男の子といっしょの活動にワラさんを参加させてもよいか、お父さんのゆるしをもらうのに6ヶ月もかかったのだそうです。

「私がお父さんをせっとくしたんだから。いつか女の子だって家をはなれて大学にかよわなくちゃいけないでしょ、だから今からどうやって男の子たちとつきあったらいいのか勉強したほうがいいって、こう言ったのよ」。

ヨルダン政府とともに、ユニセフは、若者たち、とくに女の子がすすんで参加できる場をつくることができるようしています。そして、自分でも気持ちを自由に伝えることができるんだという自信をあたえ、さらに、自分の力を信じることができるように、ユニセフは子どもたちを応援しています。

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