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洪水、地震…
自然災害で多くの人びとが困難な状況に
地震、津波、洪水などの自然災害(しぜんさいがい)における緊急支援活動は、ユニセフにとって大切な活動となっています。どんな緊急事態(きんきゅうじたい)においても、子どもたちを守らなければいけないと考えているからです。
ほかの国際機関、NGOなどと協力しあい、迅速(じんそく)に、必要なものを送ったり、スタッフを派遣(はけん)するなどの支援を行わなくてはなりません。また、災害の後、もとのくらしをとりもどすことができるように、ユニセフはひきつづき支援をつづけています。
今回は、最近ペルーをおそった地震、南インドをおそったモンスーンの被害(ひがい)についてお伝えします。
≪ペルーでの地震≫
11歳のイヴァン君は、地震があった日をこうふりかえりました。「地震があったとき、自分の部屋でテレビを見ていたんだ。外にでようとしてもできなかった。だって、がれきだらけだったんだ。最終的に、ぼくらは家を出て、ここにやってきたんだ。妹、おじさん、お母さんも一緒だよ」。
8月15日にペルーをおそった地震は、8万5000人以上の人びとに影響をあたえたといわれています。ペルー政府の報告によると、513人がなくなり、1090人がけがをし、37,521人が家をうしないました。
イヴァン君の住むピスコは、今回の地震の震源地(しんげんち)で、この町の85パーセントのたてものがくずれおちたり、ひどい被害をうけました。また、古い教会での礼拝に少なくとも200人以上の人びとががれきにうもれてしまったということもありました。
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© Reuters/Castro-Mendivil |
地震のあとのがれきの中から物をさがしている子ども |
ユニセフペルー事務所の保健担当官のマリオさんは、次のように話しています。「今回の地震の影響を最もうけているのは、貧しい人たちです。こわれた家のほとんど全部が、泥をかためてつくったブロックでできた家でした。こういった家は、地震があったときにもちこたえることができませんし、このような危ないところに住んでいるのは、貧しい人たちなのです」。
マリオさんはつづけてこう話しました。「人びとが必要としているのは、きれいな飲み水、衛生的な環境、また健康をたもつための情報です。また、子どもたちは勉強する機会が必要ですし、子どもたちの心のケアにも気をつかっていかなければなりません。いまだに多くの人びとが道でくらしています。もっとも優先しなければいけないことは、そういった人びとに避難所を作ることだと思います」。
≪南アジアの地域での洪水≫
8月に入ってから、モンスーンによるひどい雨で、人びとに深刻(しんこく)な影響(えいきょう)をあたえました。インド北部、ネパール、バングラデシュの3つの国だけでも、2000万人が非難(ひなん)しなければいけないという、過去最もひどい洪水になるのではないかと言われているなか、ユニセフは支援活動をつづけています。
★バングラデシュ
今年はとくに降雨量がひどかったため、数週間にわたって雨がふりつづきました。下痢をうったえる人が多いため、ユニセフは薬やORS(経口補水塩/けいこうほすいえん)をはじめ、よごれたのみ水をきれいにする薬を送りました。また、ひどい洪水で学校が休みになり、ダッカ地区にある小学校1022校と2353の学校が休校、そして10校が洪水でこわれてしまいました。
★インド
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© Reuters/Arora |
洪水のなか、自転車をおして歩いている子ども。水が深いところでは、子どもたちにとって歩くのも危険です |
今回洪水の被害がひどいインド北部の州(ビハール州やウッタルプラデーシュ州)には、人口がもっとも集まっている地域がふくまれています。また、そういった地域には、貧しく弱い立場の人びともたくさん住んでいます。インド政府の報告によると、1103人の人びとがなくなって、11万2000世帯(せたい)が家に被害をうけたと伝えていますが、この数はこれからもふえていくだろうと言われています。
★ネパール
今年のネパールでの洪水に見られるのは、これまでとちがって、水が流れていかずに、たまったままになってしまっているということです。そのため、日干しレンガでつくった家がくずれたり、ネパールのなかでも広い田んぼがあるテライ地域では、何千ヘクタールも水田がうまってしまったため、田植えの季節にもかかわらず、お米がつくれない状況です。
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