日本政府がユニセフを通じて届けた教育キットが入ったスクールバッグを見せてくれた、9歳のブレイくん

学校の校庭で、手づくりのボールでサッカーを楽しむ子どもたち

- 面積 : 34.2万平方キロメートル(日本の約0.9倍)
- 首都 : ブラザビル
- 人口 : 約526万人
- 5歳未満児死亡率 : 5歳未満児死亡率:50人/1000出生あたり(2018)
- 中・重度の発育阻害(5歳未満児) : 21%
- 小学校修了率 : 78%(男子)、82%(女子)
- 中学校修了率 : 56%(男子)、45%(女子)
- 高校修了率 : 28%(男子)、19%(女子)
中部アフリカには、「コンゴ共和国」と「コンゴ民主共和国」という、2つの国があります。この2つの国は、かつては1つの王国でしたが、ヨーロッパの国々の植民地にされ、2つに分けられてしまいました。
ここでは、ポスターに登場する「コンゴ共和国」(以下、コンゴ)の子どもたちのようすをご紹介します。
コンゴが抱える課題~教育~

不十分な教育システムは、コンゴが直面している大きな課題のひとつです。小学校を卒業した子どもでも、読み書きや計算ができるのはそのうち18%だけです。先住民族の子どもへの教育も行き届いておらず、先住民族の子どもたちの60%以上が小学校に行っていません。
中学校では、女の子たちの退学が問題となっており、その主な理由としては、体罰(37%)や性暴力(33%)などの校内暴力が挙げられています。
ユニセフは、コンゴ政府と一緒に、先生たちがきちんと子どもたちに教えることができるように先生をトレーニングしたり、民間企業などとも連携して学校の設備を整えたり、少数民族の子どもたちが学校に来られるように学用品を支援したりしています。また、校内暴力を減らすために、参加型の、さまざまな声が反映される学校運営を進めています。
日本政府からの支援で、学用品が入ったバッグが届いたよ!


コンゴが抱える課題~栄養~

栄養不良は、乳幼児死亡の大きな要因です。5歳未満の子どもの栄養不良の課題を解決することができれば、国のGDP(国内総生産)に与えている8%もの損失をカバーできると試算されており、コンゴ政府は栄養課題への投資を国の政策の優先事項に位置づけています。子どもたちが必要な栄養をとって成長することは、体だけでなく脳の健全な発達にもつながるため、教育の課題の解決にもつながります。
国の調査によると、5歳未満児のほぼ4分の1にあたる21.2%の子どもに発育阻害がみられています(2015年時点)。また、6カ月~59カ月の年齢の子どものうちの67%が鉄欠乏性貧血に苦しんでいます。
ユニセフは、法や施設の整備や母乳育児の推進など、赤ちゃんがお母さんのお腹にいるときから2歳までの“最初の1000日”を重視した支援プログラムづくりを行っているほか、保護者たちに、地元の市場で売っているものを使って子どもに栄養価の高い食事をつくる方法を教える、保護者向けの講習会などを行っています。
コンゴが抱える課題~水と衛生~

コンゴでは、日本のように、各家庭や学校に水道があるわけではありません。安全な飲み水を手に入れられる人は都市部で66%、農村部では47%しかいません。
トイレの状況は近年、良くなってきており、改善された衛生施設(トイレ)の使用率は76%以上です。しかし、未だ100%には遠いのが現状です。
病気を予防するために重要な「手洗い」が普及していないことも大きな課題となっています。特に農村部では、手洗いができる場所がない家庭も多く、手洗いの慣習を広めるのは大変です。家庭だけでなく、公共の施設でも同様で、40%の保健センターで手洗い設備が完備されていません。学校ではさらに少なく、手洗い設備が整っている学校は全体の5%のみにとどまっています。