ベネズエラ
ユニセフが支援する保健センターで予防接種を受けるパウリーナちゃん(10歳)。新型コロナウイルスの影響でたくさんの人が集まる大規模な予防接種キャンペーンを行うことが難しくなり、子どもたちが新型コロナウイルス感染症以外の感染症にかかってしまう危険性が指摘されています。
ベネズエラの基礎データ
- 面積912,050平方キロメートル(日本の約2.4倍)
- 首都カラカス
- 人口2,753万人
- 5歳未満児死亡率25人/1000出生あたり
※データは主に外務省HP、「世界子供白書2019」による。 地図は参考のために記載したもので、国境の法的地位について何らかの立場を示すものではありません。
ベネズエラが抱える課題~安全・安心な暮らし~
ベネズエラの子どもたちの安全・安心な暮らしを守ることは、ユニセフの日々の活動の一環であり、その中でも特に力を入れているのが、暴力からの保護です。
暴力は、身体的、心理的、性的などさまざまなかたちで、家庭環境、学校、地域社会などさまざまな場所で発生します。 若者の殺人率が世界で最も高い国の5つはラテンアメリカにあり、ベネズエラはそのうちのひとつです。
子どもや青少年が極めて脆弱な状況で生活すると、暴力のリスクは高まります。性暴力、虐待、搾取、ネグレクト、人身売買などに巻き込まれる可能性が高く、また、保護者のいない子どもやはぐれてしまった子ども、障がいを持つ子ども、先住民やアフリカ系住民の人々、危険な児童労働に従事している子どもなどは特にそのリスクが高まります。
現在、ベネズエラが直面している経済危機により、移民となって国外へと移動する人たちが急増しています。家族が離れ離れになってしまったり、計画外の移住で生活が安定しないなどの背景によって、子どもたちが基本的な保健・栄養サービス、教育、水・衛生・トイレなどの包括的な保護を受けることが困難になるなどの影響が出ています。
11カ月の娘ジョスベリンちゃんを抱き、コロンビアの高速道路を歩くベネズエラ移民のヤヘラさん。いとこと友人とエクアドルを目指しています。ヤヘラさんは「仕事を見つけて、よりよい未来を手に入れたい」 と話します。
ユニセフは、ベネズエラの子どもたちがあらゆる虐待や暴力、搾取から守られるためのさまざまな支援をしています。
国、地域、コミュニティにおける子どもや青少年が守られる仕組みづくりの強化や、ジェンダーに関わる暴力の防止とケアのための専門サービス、心理社会的支援プログラム、出生登録などを支援しています。
特にジェンダーの暴力の問題については「冗談じゃない、これは暴力だ。(Its not a joke, its violence)」という大規模な啓発キャンペーンを実施しています。