公益財団法人 日本ユニセフ協会
飢餓をゼロに

飢餓をゼロに

“飢えをなくし、だれもが栄養のある食料を
十分に手に入れられるよう、
地球の環境を守り続けながら農業を進めよう”

たとえば、こんな問題が…

世界を生徒40人の教室を考えると、その日食べるものがない、明日以降も食べ物をえられるか分からない状態の人が4人もいます。

世界を生徒40人の教室と考えると、
その日食べるものがない、明日以降も食べ物をえられるか
分からない状態の人が4人もいます。

目標2のターゲット

「2-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています
「2-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています

  • 2-1

    2030年までに、飢えをなくし、貧しい人も、幼い子どもも、だれもが一年中安全で栄養のある食料を、十分に手に入れられるようにする。

  • 2-2

    世界の国ぐにが約束した、2025年までに、栄養がとれない、または栄養のバランスが良くないことによって、成長がさまたげられる5さい未満の子どもを減らす目標を達成するなどして、2030年までに、いろいろな形の栄養不良をなくす。妊娠していたり、赤ちゃんがいたりするお母さん、お年寄りの栄養について、よりよい取り組みを行う。

    世界の国ぐにが約束した、2025年までに、栄養がとれない、または栄養のバランスが良くないことによって、成長がさまたげられる5さい未満の子どもを減らす目標を達成するなどして、2030年までに、いろいろな形の栄養不良をなくす。妊娠していたり、赤ちゃんがいたりするお母さん、お年寄りの栄養について、よりよい取り組みを行う。
  • 2-3

    2030年までに、小規模の食料生産者(特に女性、先住民、家族農家、牧畜や漁業をしている人々)の生産性と収入を倍にする。そのために、土地や資源、知識を得たり、金融サービスを使ったり、食料を売ったり、農業以外の仕事に就いたりするチャンスを平等に得られるようにする。

  • 2-4

    2030年までに、食料の生産性と生産量を増やし、同時に、生態系を守り、気候変動や干ばつ、洪水などの災害にも強く、土壌を豊かにしていくような、持続可能な食料生産の仕組みをつくり、何か起きてもすぐに回復できるような農業を行う。

    2030年までに、食料の生産性と生産量を増やし、同時に、生態系を守り、気候変動や干ばつ、洪水などの災害にも強く、土壌を豊かにしていくような、持続可能な食料生産の仕組みをつくり、何か起きてもすぐに回復できるような農業を行う。
  • 2-5

    2020年までに、作物の種子、栽培される植物、家畜の遺伝的な多様性を守る。そして、作物や家畜の利用に関して、人類がこれまでに生み出してきた知識や、そこから得られる利益を、国際的な話し合いのもと、公正に使い、分配できるようにする

    ※さまざまな異なる種類が幅広く存在すること

  • 2-a

    開発途上国、特に最も開発が遅れている国での農業の生産量を増やすために、国際協力などを通じて、農業に必要な施設や研究、知識の普及、技術開発や、遺伝子の保存(ジーン・バンク)に資金をだす。

  • 2-b

    国際的な約束にしたがって、世界の農産物の貿易で、制限をなくしたり、かたよった取り引きをなくしたりする。

    国際的な約束にしたがって、世界の農産物の貿易で、制限をなくしたり、かたよった取り引きをなくしたりする。
  • 2-c

    食料の価格が極端に上がったり下がったりしてしまわないように、市場(マーケット)がきちんと機能するようにしたり、今どれだけの食料の備えがあるのかという情報を、必要な時に見られるようにしたりする。

もっと深めよう!世界にあるこんな問題

  • Data1

    食料不安をかかえるひとの割合(2022年)

    食料不安をかかえるひとの割合(2022年)
  • Data2

    いろいろなかたちの栄養不良

    いろいろなかたちの栄養不良
  • Data3

    世界の飢餓人口は増加に転じている

    世界の飢餓人口は増加に転じている
  • Movie1

    南スーダン:壊滅的な飢餓との闘い

    南スーダン:壊滅的な飢餓との闘い/日本ユニセフ協会
  • Data4&Movie2

    栄養不良は、子どもたちを襲う"静かな緊急事態"

    慢性栄養不良の5歳未満児の割合(2018年)

食料不安をかかえるひとの割合(2022年)

食料不安をかかえるひとの割合(2022年)

世界を生徒40人の教室と考えると…

  • 28.1人(70.4%)は、「食料不安のない状態(安定して十分な量の食料を手に入れることができ、食料の質にもこだわることができる状態)」にあります。

  • 7.3人(18.3%)が「中程度の食料不安(食料の量が十分でなかったり、安く手に入る健康にはあまりよくない食品に頼ったりせざるをえない状態)」にあります。

  • 4.5人(11.3%)が「深刻な食料不安(その日食べるものがない、明日以降も食べ物を得られるかわからない状態)」にあります。

いろいろなかたちの栄養不良

栄養不良は食べ物が不足していることだと思われがちですが、 単に量が足りないということではなく、必要な栄養が不足していたり、とっている栄養のバランスが悪かったりすることを意味します。栄養不良は、からだの成長や健康に影響をおよぼします。

  • 発育阻害の5歳未満児の割合

    発育阻害
    発育阻害(スタンティング)は、日常的に栄養を十分にとれずに慢性的な栄養不良になり、その年齢にふさわしい身長にまで成長できていない状態です。発育阻害の子どもの4人に3人はサハラ以南のアフリカと中央・南アジアに暮らしています。発育阻害の子どもの数は世界的に減ってきていますが、アフリカでだけ増えています。

  • 消耗性疾患を抱えた5歳未満児の割合

    消耗性疾患(消耗症)
    消耗症は、急性あるいは重度の栄養不足が原因で起こります。十分なカロリーがとれておらず、差しせまった死の危険に直面している状態です。

  • 肥満症の5歳未満児の割合

    肥満症(過体重)
    過体重は、食べているカロリーに対して、使われるカロリーが少なすぎると起こります。その状態が続くと、その後の人生で、心臓病や糖尿病など「非感染性の病気」にかかる危険が増します。過体重の子どもたちの数は、世界全体で増える傾向にあります。

世界の飢餓人口は増加に転じている

世界の飢餓人口は増加に転じている

十分な食料が手に入らず、栄養不良になっている人びとの数(飢餓人口)は2005年の7億9340万人から、2014年には5億6390万人まで減少しましたが、その後はゆっくりと増加する傾向にありました。さらに、2019年から2021年にかけては、新型コロナウイルスの影響で1億2610万人増加し、2021年の飢餓人口は7億3890万人となりました。

南スーダン:壊滅的な飢餓との闘い

紛争下の南スーダンをおびやかしている食糧危機。
ナイベルさんが家族のために用意できるのは、家の近くに生えている野草だけです。生きのびるために、住民たちは、食べられるものは何でも食べています。国際社会が早く追加の支援をおこなわなければ、多くの人が飢え死にしてしまう!と警告されています。
ユニセフは、遠く離れた地域にも緊急の対応をするチームを派遣して、健康状態を調査したり、治療をしたり、栄養治療食や医薬品などの緊急支援物資を提供したりしています。

栄養不良は、子どもたちを襲う"静かな緊急事態"

2022年現在、世界では1億4810万人もの子どもたちが、慢性的な栄養不良だと推定されています。この数値には、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響がまだ反映されていないため、長期的にさらに増えていく可能性があります。子どものころの慢性的な栄養不良は、脳や身体の発達にも影響すると言われています。身体の成長に欠かせないたんぱく質や、病気と戦う免疫力(めんえきりょく)をつけるビタミンAなどの栄養素が足りないと、かぜやげりなど、ごくありふれた病気が原因で命を失う危険が高まります。
そして、知らず知らずのうちに子どもの知能の発達を遅らせてしまうこともあります。知能の発達は、身体の発達と異なり、一度遅れると、その遅れを取りもどすことが難しいといわれています。
目に見えにくく、ひそかに子どもたちの未来と命をおびやかす...。栄養不良の恐ろしさはそこにあります。

慢性栄養不良の5歳未満児の割合(2022年)

慢性栄養不良の5歳未満児の割合(2018年)

国民の多く(2015年時点では91%、2018年時点では78%)が1日2ドル未満での生活を強いられているマダガスカル。貧しい生活の影響で、多くの子どもが発育阻害におちいっています。子どもたちが通う学校を訪れた、ユニセフ親善大使のナナ・ムスクーリはこう語ります。
「健康は何よりも大切です。そして健康な身体には、脳の発達も欠かせません。心身の健康があってからこそ、子どもたちは学ぶことができ、学校を好きになるのです。」

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