“みんなの生活を良くする安定した経済成長を進め、
だれもが人間らしく生産的な仕事ができる社会を作ろう”
(2025年までに、子どもの兵士をふくめた、働かなければならない子どもをなくそう)
世界のもっと貧しい国ぐにでは、
5歳から17歳までの子どもの5人に1人が、
労働を強いられています。
※後発開発途上国と呼ばれる国ぐに
出典:UNICEF global databases based on DHS「MICS and other national surveys.」(2021)※エクセルがダウンロードされます
紛争が起こり、兵士にさせられている子どもたちが、世界には何万人もいると推定されています。銃を持たされ、人を殺せと命令されます。殺されてしまった子どももいます。さまざまな暴力を受ける子どももいます。子ども兵士にさせられたある一人の男の子が体験したことを見てみましょう。
「8-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています
「8-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています
8-1
それぞれの国の状況に応じて、人びとが経済的に豊かになっていけるようにする。開発途上国、特に最も開発が遅れている国は、毎年少なくとも年7%の国内総生産(GDP)の成長を続けられるようにする。
※国内総生産(GDP):その国で1年間に新しく生み出されたモノやサービスの合計金額
8-2
商品やサービスの価値をより高める産業や、労働集約型の産業※を中心に、多様化、技術の向上、イノベーションを通じて、経済の生産性をあげる。
※労働集約型の産業とは、人の働きによる業務の割合が大きい産業のこと。たとえば、機械化されていない農業や、人がサービスを提供する仕事など。
8-3
働きがいのある人間らしい仕事を増やしたり、会社を始めたり、新しいことを始めたりすることを助ける政策をすすめる。特に、中小規模の会社の設立や成長を応援する。
8-4
2030年までに、消費と生産において、世界がより効率よく資源を使えるようにしていく。また、先進国が主導しながら、計画※にしたがって、経済成長が、環境を悪化させることにつながらないようにする。
※「持続可能な消費と生産に関する10カ年計画枠組」のこと。2012年に、二酸化炭素の排出の少ない生活スタイルや社会の仕組みを作ることを目的に採択された計画
8-5
2030年までに、若い人たちや障害がある人たち、男性も女性も、働きがいのある人間らしい仕事をできるようにする。そして、同じ仕事に対しては、同じだけの給料が支払われるようにする。
8-6
2020年までに、仕事も、通学もせず、職業訓練も受けていない若い人たちの数を大きく減らす。
8-7
むりやり働かせること、奴隷(どれい)のように働かせること、人を売り買いすることを終わらせるために、効果的な取り組みを緊急におこない、子どもを兵士にすることをふくめた最悪の形の児童労働を確実に禁止し、なくす。また、2025年までに、あらゆる形の児童労働をなくす。
8-8
他の国に移住して働いている人、中でも女性、仕事を続けられるか不安定な状況で働いている人を含めた、すべての人の働く権利を守って、安全に安心して仕事ができる環境を進めていく。
8-9
2030年までに、地方の文化や産品を広め、働く場所をつくりだす持続可能な観光業を、政策をつくり、実施していく。
8-10
国内の金融機関の能力を強化し、すべての人たちが銀行や保険などのお金に関するサービスを使えるようにする。
8-a
拡大統合フレームワーク(EIF)※などを通して、開発途上国、特に、最も開発が遅れている国に対して、貿易のための援助を増やす。
※拡大統合フレームワーク(EIF)は、最も開発が遅れている国の発展や、持続可能な開発、貧困をなくすために貿易を使って支援するための、多国間のパートナーシップ
8-b
2020年までに、若い人たちの仕事についての世界的な戦略をつくって実行する。
さまざまなかたちで多くの子どもたちが働いています。なかには、学校へ通うチャンスも奪われ、からだや心の健康にも悪い影響を与えるような、きびしすぎる労働を強いられている子どもたちもいます。どんな仕事場で、どんな仕事をさせられているのでしょう。どうして子どもたちは働かなければならないのでしょう。
特に開発が遅れている国ぐにの経済成長(GDP※)の割合
後発開発途上国では、年7%の割合で経済が成長していくことを目標としています。2019年は前年比で5.0%増えましたが、新型コロナウイルスの影響で、2020年の経済成長率は0.2%と大きく落ち込みました。2021年以降は回復傾向にあり、2024年には5.2%と見込まれていますが、目標とする年7%の成長にはとどきそうにありません。
※GDP:国内総生産=その国で1年間に生産されたモノやサービスの価値の額
教育も職業訓練も受けず、仕事もない若者の地域別割合(15-24歳の男女別、2022年)
世界では、4人に1人の若者(15〜24歳)が教育も受けておらず、仕事にもつけず、職業訓練を受けることもできない状況にあります。人生の土台をつくる大切な時期なのに、教育や職業訓練を通して、経験を得たり、技術を習得したりすることができません。中央・南アジアや、北アフリカ・西アジア、オセアニア(オーストラリアとニュージーランドを除く)・サハラ以南のアフリカでは特に深刻な状況にあります。
地域別の若者の失業率(2000-2020年)
※教育を受けている者は含まれない
2020年に、15歳から24歳の若者の失業率(仕事につけない割合)がもっとも高かったのは約30%の北アフリカと、約20%のアラブ諸国でした。若者の失業率の高さは、社会を不安定にする原因にもなり、これからを担う若者たちが、より多くのチャンスを得られるようにすることが大切だと、国連も国際社会に協力を呼び掛けています。
出典:Youth and the 2030 Agenda for Sustainable Development, United Nations Department of Economic and Social Affairs, 2020、日本ユニセフ協会ホームページ「若者に、質の高い教育と雇用を 世界的パートナーシップ「Generation Unlimited」9月24日に国連本部で発表」
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