ユニセフ、タジキスタンへ緊急物資手配
停電と水不足が350万人の子どもの生命を脅かす
【2008年2月12日 タジキスタン・ドゥシャンベ発】
ユニセフは極寒の中耐え忍んでいるタジキスタンの子どもと女性の緊急のニーズに応えるため、20万米ドルあまりの緊急物資を手配した。
タジキスタンは過去30年間で最も厳しい冬に直面しており、水とガスの供給が極度に不足する事態となっている。エネルギーの不足と厳冬は5歳未満の子どもたち、なかでも新生児の健康にきわめて深刻な影響を及ぼしている。
「我々の目前の課題は、子どもと女性に救命支援を早急に提供することである」と、ユニセフ・タジキスタン事務所副所長ルース・レアーノは述べている。
今回の危機で影響を受けたと推定される700万人のうちおよそ半数が子どもで、100万人近くが5歳未満児である。子どもと女性は寒さや飢餓の影響を最も受けやすく、緊急救命対策が求められている。
厳しい気候とエネルギー不足が重なった数週間、ユニセフは保健キット、ジェリー缶、赤ちゃん用毛布、衛生キット、高蛋白ビスケット、発電機などを産院や子ども保健施設などに迅速に支援してきた。
タジキスタンでは18万人の新生児のうち、約12万人が農村地域で生まれる。新生児の約15%を占める未熟児は低体温症の危険がある。
小学校3800校と幼稚園400園に通う子どもたちは、ほとんどあるいは全く暖房がないきわめて厳しい状況のなかで勉強している。
タジキスタン保健省は、昨年の同時期と比較して肺炎をふくむ急性呼吸器系疾患の増加率は2倍、妊婦の死亡率も倍増したと報告している。停電と厳寒によって病院の産科で新生児が死亡した例もいくつか報告されている。
ユニセフは他人道支援団体と協力して活動を進め、他国連機関との共同アピールにも参加している。