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ユニセフ『世界子供白書2014-統計版』発表
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世界子供白書2014-統 計版 だれもが大切な”ひとり”−格差を明らかにし子どもの権利を推進する— |
ユニセフは1月30日、『世界子供白書2014-統計版 だれもが大切な”ひとり”−格差を明らかにし子どもの権利を推進する—』を発表。世界で最も弱い立場にある22億人もの子どもたちひとりひとりが、「子どもの権利条約」で定められた権利を享受できるようにするために、格差の詳細を明らかにし、その解消に向けた取り組みを加速させることと、そのための革新的な手法の導入(イノベーション)が必要だと指摘しています。
また白書は、多くの子どもたちが様々な行政サービスや支援を等しく受けられない状況にあることを明らかにし、そうした状況を改善するために、データ(統計)が重要な役割を果たしていると解説します。
「データがあったからこそ、私たちは、これまでに数百万人もの子どもたち、特に社会的に最も苦しい状況に置かれている子どもたちの命を守り、生活環境を改善することができました。どの子どもたちが社会的に見捨てられているのか、どの子どもたちが学校に通えずにいるのか、どこで病気が蔓延しているのか、どこにトイレがないかといったことが分かってはじめて、そうした状況を改善してくことが可能になるのです」(ユニセフ本部テッサ・ワルドロウ統計・評価担当部長)
1989年に「子どもの権利条約」が採択されて以降、世界の子どもたちを取り巻く状況は大きく改善しました。そして今、国際社会は、2015年の“達成目標年”に向けて、「国連ミレニアム開発目標」の各分野での取り組みを加速させています。こうした状況を背景に本日発表されたユニセフの基幹出版物『世界子供白書』の2014年統計版は、以下のようなデータを明らかにしています:
こうした“進展”の一方、白書は、その表題「だれもが大切な”ひとり”—格差を明らかにし子どもの権利を推進する—(原題:"Every Child Counts: Revealing disparities, advancing children's rights")」が示すように、多くの子どもたちの権利が未だに侵害され続けている状況を、以下のようなデータで紹介しています:
データは、格差と不公平をより明らかにするとともに、これまで国際社会が達成してきた社会開発の果実が、全ての人々(子どもたち)に均等に分配されていない状況を浮き彫りにしています:
© UNICEF/2014 |
『世界子供白書2014-統計版』特設サイト(英語) |
白書は「子どもたちの存在を正確に把握することで、初めて子どもたちが“見える存在”となる。そのうえで、子どもたちのニーズを明らかにし、子どもの権利を推進することが可能になる」と指摘。これまでになされてきた、データ収集・分析、共有(普及)の各側面における技術革新により、データを小項目(場所や豊かさ、性別、民族、障がいなど)で区分することも可能になりました。それにより、社会的に最も疎外された状況に置かれた、あるいは、平均値から取り残された子どもを含め、様々な状況に置かれている子どもたちの状況が、より詳細に把握できるようになっていると報告しています。
白書は、少なからずの子どもたちが“疎外”されているという“過ち”を“正す”ために、技術革新へのさらなる投資が必要だと訴えています。
「包括的なデータを揃えることが、“疎外”という問題の克服に必要な第一歩です。子どもたちや彼らの家族が日々直面している、社会的な機会を“はく奪”されているという状況。そのことを示すデータを取得し、そのデータがより広く共有されるようにすること、そしてそのデータの信頼度を上げてゆくために、データ収集・分析に用いられる様々なツールは常に改善され、また新たなツールが開発され続けています。こうした取り組みには、今後も持続的な投資と、それを支える強い意思(コミットメント)が必要です」と白書は伝えています。
現在私たちの手元にある世界の子どもたちの状況に関する殆どのデータは、ユニセフが開発した「複数指標クラスター調査(ミックス)」(Multiple Indicator Cluster Surveys-MICS)と呼ばれる調査手法に代表される世帯調査を通じて集められたものです。現在、多くの国の統計を所轄する官庁が、ユニセフの支援を受けながら「ミックス」を使い、生存や発達などの子どもの諸権利や、日々の生活を左右する様々な事象に関する詳細なデータを収集しています。「ミックス」を用いた統計調査が行われた国は、今日までに100カ国を超えています。前回の実施では、50カ国で65万を超える世帯で調査が行われました。
『世界子供白書』が、世界の子どもたちが置かれている詳細な状況を伝えるために、各国を一定の基準と指標を使って比較できる統計表を掲載するようになって30年。本日、データそのものをテーマとした白書を発表するにあたり、ユニセフは、世界の子どもたちのためのポジティブな変化を生みだすために、本白書が提供するデータをご覧いただき活用していただくよう、各国で政策を決定する立場に立たれている方々のみならず、国際社会を構成する全ての方々に呼びかけています。
「データ自体は世界を変えることはできません。データは、世界を変えることを可能にするものです。ニーズを明らかにし、アドボカシー(政策への働きかけ)活動のツールとなり、進捗状況を測定することで、変化を創り出すことを可能にします。政策を決定できる立場に立つ人々が、データを使ってポジティブな変化を生みだすこと、そして、子どもたちや地域に住む人々が、自分たちが置かれている状況の改善に責任ある立場にいる人々や組織に向けて、その責務を明確に訴えることを可能にするデータが存在し、共有されることが、何よりも重要なのです」(白書から)
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