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ブラジル:若者が作る防災マップ
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© UNICEF/CEDAPS |
コミュニティの環境災害の危険性が高い地域を特定するため、討論を行う若者たち。 |
10代の若者たちが、デジタル・マッピングを利用して防災マップを作る−。ユニセフはこの取り組みを通して、地域社会の環境改善への若者の積極的な参加を促しています。
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海抜約ゼロメートルに位置するリオデジャネイロ。その地理的状況から、洪水や地滑りが起こりやすく、気候変動に伴った自然災害の増加が懸念されています。貧しい人たちの多くは山腹に沿った地域で生活しており、災害や、インフラ不備などの社会環境的なリスクにさらされています。数年前にも、モーホ・ドス・プラゼーレスなどの貧しい人たちが暮らす地域で、豪雨により家が倒壊し、何百人もの犠牲者が出ました。
2011年、在ニューヨークと在リオデジャネイロのユニセフのスタッフが、技術者や政府当局、コミュニティのリーダー、パートナー団体との協力の下、10代の若者たちがUNICEF-GIS(地理情報処理システム)※を利用して、生活する地域周辺の社会的・環境的リスクを示す、防災マップを作製するためのトレーニングを実施しました。この最先端のマッピングシステムでは、ウェブや携帯電話のアプリを使ってリアルタイムのデータを収集することができます。2011年にユニセフやPublic Laboratory for Open Technology and Science、MIT Mobile Experience Labなどのパートナー団体の支援を受け、若者たち向けの初のデジタル・マッピングのトレーニングが、ブラジル国内のプラゼーレスで行われました。
若者たちはUNICEF-GISをダウンロードした携帯電話を使って、地域で発見した問題点を写真に撮って記録します。この写真はGPSで自動的に写真が撮られた位置の座標と共に記録され、研究者や担当者が問題の地域や内容をピンポイントに把握することができます。それから若者たちは凧に取り付けられたカメラを使って空中写真を集め、排水システムやトイレ施設の利用可能状況、避難時に障害となるものがないかなどの情報を集めます。
若者たちが防災マップを作製することで自分たちが暮らす地域の環境改善に参加することのできるこの取り組みは、デジタル・マッピングを利用して若者たちの能力育成を目指す、ユニセフのイニシアチブの一環として行われています。
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※UNICEF-GISとは?
地理情報システム(GIS:Geographic Information System)は、デジタル版の地図に様々な情報を重ね、それら複数の情報を用いた分析を行うことができるシステムです。ユニセフの地理情報処理システム(UNICEF-GIS)は、各地域の市民メディアのための情報通信技術であり、コミュニティがもつさまざまな課題の解決や状況の改善を目的に、多様な地理情報やデータを盛り込んだ報告書を作ることができるシステムです。実際の支援現場でも、各国のユニセフ事務所やパートナー団体によって、各コミュニティにおける重要なデータを集める際に活用されています。若者たちにとって親しみやすい技術であり、トレーニングを受けた13歳から18歳までの若者は、自分たちが暮らす地域に関する情報やデータなどを確実に集めることができます。そうして集められたすべての情報やデータは、ユニセフによって確認された後、社会メディアや市民メディアに共有され、より子どもにやさしいコミュニティを目指すための行動を促進します。
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