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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ネパール大地震 第4報
ネパール大地震
『子どもの命を守る支援、一刻を争う状況』
ユニセフ、約60億円の支援を要請

【2015年4月29日 カトマンズ発】

カトマンズの病院で、治療を受ける男の子。
© UNICEF/NYHQ2015-1054/Nybo
カトマンズの病院で、治療を受ける男の子。

ユニセフ(国連児童基金)は29日、 大地震で最も大きな被害を受けた地域で、 約170万人※の子どもたちが緊急の支援を必要としていると発表しました。

ユニセフ、約60億円の支援を要請

ユニセフはまた、感染症の危機などに直面している子どもをはじめとする被災者の方々に対するさまざまな緊急支援活動に必要な今後3カ月分の資金が、総額5,035万ドル(約60億円)に上ることも明らかにしました。

マグニチュード7.9の大地震は、これまでに分かっているだけで5,000人の命を奪い、負傷された方々も9,700人を超えています。深刻な被害を受けたカトマンズ・バレーや周辺の地域では、途方もない数の人々が、屋外や即席の避難キャンプでの不自由な生活を強いられています。

地震の被害に遭ったカトマンズ近郊にあるホテルで、生存者を探す人々。
© UNICEF/NYHQ2015-1038/Nybo
地震の被害に遭ったカトマンズ近郊にあるホテルで、生存者を探す人々。

ユニセフ・ネパール事務所の穂積智夫(ほづみ・ともお)代表は、次のように訴えます。
「多くの子どもたちの平和な日常が一瞬のうちに奪われました。子どもたちの命を守るために、安全な飲み水やテント、衛生環境の確保などの支援が一刻を争う状況です」「(多くの場所で)安全な飲み水が確保できない状況の中、水を媒介にする病気が、子どもたちの最大の脅威です。被災された多くの方々は、今はとにかく、日差しや雨を避けることだけで精一杯の状況です。私たちは、今後、日を追うにつれ支援の必要性が拡大するとみています。地方の被災状況も徐々に伝わってきていますが、今回の大地震の被害の全容は把握されていないのです」

子どもたちの命を守る、ユニセフの支援

カトマンズの空港に届けられた、ユニセフの支援物資。
© UNICEF/NYHQ2015-1058/Nybo
カトマンズの空港に届けられた、ユニセフの支援物資。

ユニセフは、他の人道支援団体などと協力し、安全な飲料水やテント用の資材などの配布などの緊急支援活動を進めています。

ユニセフ活動ハイライト:
ユニセフは、ネパール国内に備蓄していた物資を利用して緊急支援活動を始めると同時に、テント、防水シート、ワクチンや注射器、緊急医療キットなどの追加物資を、コペンハーゲン物資供給センターを通じて調達しています。

  • 震源地や周辺地域で配布するため、テントや衛生キット、浄水剤、バケツなどの支援物資をゴルカ、カヴレ、デアティングに発送。
  • 住民の5人に1人しか安全な水を確保できていない状況に陥っているとみられるバクタプルで、浄水剤や浄水用のバケツ、衛生キットなどの配布を継続。
  • カトマンズ周辺の16カ所すべての避難所に、給水トラックで水の供給支援を始めています。
  • カトマンズ・バレー各所に設置された16カ所の仮設避難キャンプで、給水トラックを用いた飲料水の供給を継続。
  • 家族や保護者と離れ離れになった子どもの発見と保護にあたる専門のチームが活動。
  • 大きなショックを受けた子どもたちに心のケアを提供するため、他の人道支援団体と協力。

被害が最も大きかった5つの地域では、保健医療施設の約80%が施設に大きな被害を受け、屋外での医療活動を強いられています。被害が大きかった16の郡でこれまで被害状況が確認できた323の学校のうち、274校が全半壊。子どもたちの日常を取り戻すためにも、学校活動を再開できる仮設の環境の設置も急がれています。

※26日発表の数字を修正

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