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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ネパール大地震緊急募金 第11報
ネパールを再び襲った恐怖
「まだなにも終わっていない」
大規模余震後の現場からの報告

【2015年5月12日 カトマンズ発】

8,000人以上の死者と多くの負傷者を出した4月25日の大地震に続き、マグニチュード7.3の大規模な余震に見舞われたネパール。現地で活動するユニセフ(国連児童基金)のスタッフによる報告です。

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ローズ・フォーレイ(Rose Foley)ユニセフ緊急時広報専門官

かつて自宅のあった場所を歩く男の子。
© UNICEF/NYHQ2015-1193/Panday
かつて自宅のあった場所を歩く男の子。(5月7日撮影)

「ユニセフの事務所にいた私たちは、建物が左右に揺れ始めるのを感じ、テーブルの下に飛び込みました。揺れはずいぶん長く続いたように感じました。私たちはできるだけ早く建物の外に避難しました。外に座っていても、余震でまるでボートに乗って荒れた海の上にいるようでした。私たちは揺れに耐えながら、すでに多くのつらい経験をしているネパールの子どもたちのことを思っていました。今回の地震が厳しい状況に置かれているネパールの子どもたちに与える影響を、非常に心配しています。4月25日の大地震によって、170万人もの子どもたちが、安全な水、テント、トイレといった緊急支援を必要としています。ユニセフは最初の地震発生直後から、子どもたちの命を守るための支援−テント、飲料水、衛生資材、医薬品、子どもたちが体験したことを乗り越えるためのカウンセリングなど−を提供するため、24時間体制で支援活動を続けてきました。ユニセフのチームは、被災したすべての郡で活動しています。ユニセフは現在、この新たな地震による人道支援ニーズと子どもたちへの心理的な影響に焦点を当てた活動を開始しています。ユニセフは子どもたちを守るために、全力を尽くします」

ケント・ページ(Kent Page)ユニセフ広報官

大規模な余震後、カトマンズの人々が屋外や道に集まる様子。
© UNICEF Nepal/2015/K.Page
マグニチュード7.3の大規模な余震後、カトマンズの人々が屋外や道に集まる様子。

「私はそのとき、5月15日の学校再開に向けた、校舎の被害調査を取材するロイター通信のクルーと一緒にいました。恐ろしい揺れが起こったとき屋内にいた私たちは、階下に駆け下り、中庭に出ました。校舎が崩れるのではないかと思いましたが、幸い揺れはしばらく続いた後止まりました。みな、動揺はしていましたが無事でした。ユニセフの事務所に戻る道は、屋外に避難する人で溢れていました。本当に恐ろしい体験でした。再度襲ったこの地震が子どもたちの心に与える影響が心配です。ネパールでは、まだなにも終わっていません。ネパールの子どもたちに対する、引き続きのあたたかなご支援に、感謝を申し上げます」

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■ユニセフのネパール緊急支援について

ユニセフは、4月25日の大地震直後から、パートナー団体と協力して、医薬品や医療備品、テント、毛布などの救援物資をカトマンズへ空輸。安全な飲料水の提供や衛生環境の確保、予防接種などによる感染症対策、子どもの保護や保健・栄養支援の各分野で必要な緊急支援に取り組んでいます。これまでに22万4,332人に安全な水を、2万4,801人にトイレや衛生状態を保つための資材を届けたほか、被災地域45カ所に子どもたちが安心して過ごすことができる“子どもにやさしい空間”を設置しました。また震災前は就学していた95万人以上の子どもたちが、戻るべき学校を失っている状況を受け、5月15日(金)に予定されている学校再開に向けて、避難場所での仮設教室の設置や壊れた校舎の調査・修復などを急ピッチで進めています。

ユニセフは、今後3カ月間の緊急支援活動に必要な資金として、総額5,035万ドル(約60億円)を国際社会に要請しています。

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