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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ネパール大地震緊急募金 第13報
泣き続け、眠れぬ子どもたち
全力で子どもたちの心のケアを
ラジオでの電話相談や子どもが集える場所の設置を強化

【2015年5月14日 カトマンズ発】

瓦礫の中に座り込む14歳の少年。
© UNICEF/NYHQ2015-1065/Nybo
瓦礫の中に座り込む14歳の少年。

ユニセフは、わずか2週間半の間に起こった2度の大地震による壊滅的な状況と向き合わなければならないネパールの子どもたちは今、これまで経験したことのない大きな影響を心に受けていると警鐘を鳴らしました。

子どもたちの心に大きな影響

5月12日の大きな揺れによって多くの人々が自宅に戻ることを恐れ、数千人もの子どもたちとその家族が、各地に設置されている避難施設に再び殺到しました。

「繰り返し起こる地震が子どもたちの心に与える影響を軽んじてはいけません」とユニセフ・ネパール事務所副代表のローナック・カンは話しました。

「火曜日に起こった地震の際、私は震源地に非常に近い場所にいました。人々は家から逃げ出し、子どもたちは抱き合って何時間も泣いていました。多くの子どもが怖い夢にうなされ、眠ることすらできないほど大きなストレスを抱えていたり、親のそばを離れられなくなってしまった子どももいます」

心のケアを最優先に

ユニセフが支援する「子どもにやさしい空間」で遊ぶ子どもたち。
© UNICEF/NYHQ2015-1197/Panday
ユニセフが支援する「子どもにやさしい空間」で遊ぶ子どもたち。

ユニセフは、ドラカやシンドゥパルチョークなど、12日の地震で最も被害の大きかった地域での支援活動を強化しています。安全な水、衛生や基礎医療の資材の提供はもちろん、大きなストレスを感じている子どもたちへの心理社会的ケアに重点を置いて活動をしています。

「我々は子どもたちへの心のケアを最優先に、いつでもどこでも子どもたちのニーズに対応できるようにしなければなりません。食べ物がない、身を寄せる避難場所がない、水が手に入らないといった状況はすぐに目に見えますが、不安などの精神的な苦しみは見えづらいため、適切なケアを受けられずに長期にわたって深刻な心の傷に苦しむことになってしまうのです」(カン副代表)

ユニセフの支援

子どもたちが自分たちの経験に向き合えるよう、ユニセフは以下の支援を実施しています。

  • 被害の大きかった地域で、子どもたちへの心のケアにあたるカウンセラーへの支援を行っています。
  • 子どもたちが心理社会的支援を受けられる“子どもにやさしい空間”を、避難所に設置・運営しています。
  • 子どもたちへのアートセラピーのクラスを支援しています。
  • ラジオ・ネパールにて、電話相談などの特別番組を放送しています。12日の地震発生後も、発生後10分を待たずに番組を放送しました。
  • 家族と離れ離れになっている子どもを探して支援するチームを編成し、活動しています。
  • 子どもたちが学び、安心して過ごしながら日常生活を取り戻すことができるよう、学校の再開支援や仮設の学習スペースの設置を行っています。

子どもらしい日常を取り戻せるように

カン副代表は、「重要なのは、子どもたちがつらい体験と向き合えるよう、心のケアに加え、安全な環境や安定した日常生活を確保し、できる限りの支援をすることです。ネパールの子どもたちは、既にたいへんな経験をしています。彼らが子どもらしい日常を取り戻せるよう、全力を尽くさなくてはなりません」と話しました。

ユニセフは、今後3カ月間の緊急支援活動に必要な資金として、総額5,035万ドル(約60億円)を国際社会に要請しています。

* * *

子どもたちが心の安定を取り戻し、必要な支援やケアを受けられる場として重要な役割を果たす学校は、当初5月15日に再開される予定でしたが、5月12日の地震被害を受け、再開を2週間延期し、5月末の再開となる見込みとなりました。

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