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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ネパール大地震緊急募金 第14報
5分にひとり−被災地に生まれる新たな命
助産施設の70%が倒壊
ユニセフ、新生児や妊産婦へのケアや支援を急ぐ

【2015年5月15日 カトマンズ発】

5月12日の地震の数時間後、ユニセフが設置したテントの病院で産まれた赤ちゃん。
© UNICEF/PFPG2015-2952/Page
5月12日の地震の数時間後、ユニセフが設置したテントの病院で産まれた赤ちゃん。

ユニセフ(国連児童基金)は、ネパールにおける2度の大地震で被災した地域では、助産施設が大きな被害を受けたことで、毎時12人、5分にひとりの赤ちゃんが、基本的な保健ケアのない状況下で誕生していると発表しました。早急に保健システムを立て直さなければ、今後1カ月の間に、1万8,000人近い新生児と母親が非常に厳しい状況に直面すると指摘しています。

被災地で生まれる新たな命

大地震の被害が最も深刻な14地域では、助産施設の少なくとも70%が倒壊もしくはダメージを受けており、いくつかの地域では90%に被害が出ています。被災を免れた施設は混雑し、妊娠中の女性の多くは、安全に出産するための保健ケアを受けられずにいます。多くの母親が家を失い、生まれた子どもと安全に過ごす場所さえないのです。

「先月の地震以来、被災地では病院や助産施設外で出産する母親の数が、30%以上増えているとみられます」とユニセフ・ネパール事務所代表の穂積智夫は報告しています。「生まれた最初の日が、赤ちゃんにとって最も危険です。新生児とお母さんたちの健康状態が、大変心配です」(穂積代表)

震災以前から、ネパールでは質の高い保健ケアを受けられる妊産婦や新生児は限られており、毎日38人の新生児が予防可能な原因で命を落とし、8時間にひとりの妊産婦が、出産に関連する合併症で亡くなっていました。震災前、約38%に留まっていた保健施設での出産割合は、この地震の影響で更に大きく下がるのではないかとユニセフは危惧しています。

妊産婦や新生児に緊急の支援が必要

ヌワコットにあるユニセフが支援する病院。地震の被害を受け、産科病棟が瓦礫で覆われた。
© UNICEF/NYHQ2015-1260/Zammit
ヌワコットにあるユニセフが支援する病院。地震の被害を受け、産科病棟が瓦礫で覆われた。

「地震後のストレスや混乱の中で、早産、流産、合併症などのリスクが高まっており、新生児と妊産婦への支援が急務です」と穂積代表は続けます。「被災地では1日におよそ90人の女性が帝王切開を必要としているとみられていますが、対応できていない状況です」

ユニセフはネパール政府などとともに、妊産婦や新生児への緊急の支援として、産科用テントを含む緊急医療テントの設置、病院に入ることができなかった母親や新生児を受け入れ、ケアを提供するための専用避難施設の設置(22カ所)、母子保健を提供する移動式クリニックの運用、お産に必要な資材や新生児用衣料の提供などの支援を急ピッチで進めています。

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