アグネス・チャン大使、3度目の海外視察
−復興進む東ティモールへ


来たる6月13日(火)、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんが、大使就任以来3度目の海外視察地である東ティモールに向けて出発します。

1999年8月、独立を問う住民投票が行なわれた直後から、東ティモールの治安は悪化し、大量の避難民が流出しました。インドネシア軍により学校が破壊されたため、多くの子どもが教育の機会を奪われたり、急激な難民の増大に、西ティモールなどの難民キャンプでは食糧が不足し、保健・衛生環境も悪化しました。

今回の視察は、ユニセフ等の国連機関や支援団体等の援助を受けて、再建への道を歩みつつある東ティモールの子どもたちの現状や、東ティモールと日本の歴史を理解し、日本の皆様に広くご紹介することを目的としています。アグネス大使は、約1週間の行程で西ティモールと東ティモールを訪れます。

主な視察内容(予定)
教育の復興
昨年の10月現在東ティモールの4分の3以上の学校が破壊され、小学校へ通う子どもたちはごく僅かでした。しかし、治安が回復するにつれて教育の復興は進み、3月現在で約14万7000人の子どもたちが小学校へ通えるようになりました(昨年8月以前は16万人)。
子どもたちが通常の学校生活へ戻って教育を受けることは、子どもたちの持つ当然の権利であるだけではなく、紛争の辛い経験を乗り越え、一日も早く平常心をとり戻すことにも役立ちます。ユニセフは学用品や学校設備の提供、職場復帰した先生への給与補助、校舎修復のための建設資材の提供など、東ティモールの教育の復興を支援しています。
今回の視察ではアグネス大使が復興の進む教育現場を訪れ、東ティモールの未来を担う子どもたちに将来の夢を聞きます。

東ティモールの子どもたち、元民兵へのインタビュー
インドネシア軍による人権侵害の現実を子どもたちが、元民兵がアグネス大使に語ります。(なお、東ティモールの子どもたち3人が、8月に日本で開催の「ユニセフ子どもセミナー」に出席し、日本の子どもたちと「子どもの権利」について話し合う予定です。)

ユニセフの支援プロジェクト
東ティモールおよび西ティモールの難民キャンプでの給水事業、予防接種、心理的カウンセリングなど、東ティモールの人々を支援するユニセフの活動を視察します。


この視察の様子は、今後ユニセフ協会が実施するセミナーやシンポジウム等を通じて、アグネス大使がご報告してくださる他、NHK BS2にても放送される予定です。