『2002年世界子供白書：リーダーシップ』（日本語版）発行

　本白書は、リーダーシップをキーワードに、1990年「子どものための世界サミット」以来の進展を振り返ったものです。例えば、本白書によると、この10年の間に、開発途上国で栄養不良に苦しむ子供が2,800万人少なくなり、175ヶ国以上でポリオが根絶し、104ヶ国が新生児破傷風の根絶に成功しました。その一方で、いまなお約6億人の子どもたちが貧困下で生活しており、１億人以上の子ども‐その過半数は女の子‐が学校に通えないままです。

　こうした子どもたちのおかれた現状を改善するために、決定的な役割を果たすのが、リーダーシップです。子どもの権利と幸福な生活を保障するためには、さまざまなレベルのリーダーシップが不可欠です。本白書は、この10年の間に得られた教訓として、社会のすべての層のリーダーシップを呼びかけるとともに、子どもたち自身がさまざまな意思決定の場に参加できることが必要であると強調しています。