フィジー共和国は、332の島から成り立ち、総面積は18,333㎢(四国とほぼ同じ)。ウィンストンは、首都スバがあるビチ・レヴ島などに上陸し、甚大な被害を与えた。
ウィンストンに襲われた地域では、被災から1カ月が経過してもなお、屋根がはがれ、木々が倒壊するなど、凄まじい威力を示す爪痕が残っていた。
1日目、ビチ・レブ島ラキラキに位置するナウト村を訪問。 村の子どもたちと一緒に移動幼稚園のプログラムに参加するアグネス大使。
「初めは笑顔がなかった子どもたちも、歌ったり遊んだりしてすごく喜んでいました。このような取り組みは、子どもたちに安心感を与え、村に活気が戻るので、さらに拡大する必要があります」(アグネス大使:移動幼稚園のプログラムに参加して)
移動幼稚園では、様々なアクティビティの他、「水と衛生」に関する指導も行っている。学習の後は、待ちに待ったおやつの時間・・とその前に、きちんと石けんで手を洗いましょう。
被害の実態把握や緊急支援に取り組んでいる、ラキラキ病院の産科病棟。子どもたちが感染症から守られ、必要な栄養を摂取できるよう、緊急の支援が必要とされている。
訪問2日目、飛行機でビチ・レブ島の北東に位置するオバラウ島へ。フィジー共和国の島々の中でオバラウ島は6番目に大きく、およそ9千人が暮らしている。
オバラウ島ロレト小学校を訪問。 サイクロンで屋根・壁が吹き飛ばされた図書室。両隣は、この学校に通うイノケ・バリニサブくん(11才)とエスター・コリタパ(13才)さん。
ロレト小学校は教室も使用できなくなったため、現在はユニセフの支援で設置されたテント造りの仮設教室で授業を行っている。
低学年の授業に参加したアグネス大使は、「サイクロンにより心の傷を負い、カウンセリングを必要としている子どもたちがまだ多くいます。泣いてばかりで、話ができない子もいました」と、心のケアの重要性を語る。
「気をつけて帰ってね」。ユニセフが提供したスクールバッグには、学用品一式が入っている。
学校を案内してくれたコリタパさんが、サイクロンの暴風と高潮で全壊したトコウ村の自宅を見せてくれた。かろうじて持ち出せたのは教科書、ノート、筆箱だけで、あとの家財は全て流されてしまったという。
トコウ村で、サイクロンの被害に遭ったまま、空き家になっている家のひとつ。村の44世帯のうち、14世帯の自宅が全壊、13世帯の自宅が部分的に損壊したという。
トコウ村の人々の話に耳を傾けるアグネス大使。安全な水の入手、蚊の発生に伴う伝染病の懸念、高潮を避けるための山間部への移住など、トコウ村が直面している課題は山積みだ。
トコウ村の海岸は、瓦礫で覆われていた。「花が咲き誇る美しい村だった」というが、かつての面影を見つけることは難しかった。