世界では、年間880万人の子どもたちが5歳未満の誕生日を迎えられずに命を落としていますが、その約3分の1は栄養不良に関係しているといわれています。
ウングジャ島、ペンバ島の2つの主要な島から構成されているザンジバルは、タンザニア本土に比べて栄養不良の問題が深刻な状況にありますが、多くの急性栄養不良の子どもたちが適切な診断や治療を受ける機会がありませんでした。
ザンジバルの子どもたちを栄養不良から守るために、2009年より実施されているユニセフの支援活動は、現地政府とのパートナーシップのもと、急性栄養不良の子どもたちが早期に診断され、適切な治療を受けられることを目標に進められています。
2010年7月、支援を受けている保健施設や村を訪ね、プロジェクトの成果を確認しました。
「支援が開始される前は、栄養不良の子どもが来院しても、薬の投与と子どもへの適切な食事の与え方のアドバイスしか行えていませんでした。
現在では、栄養不良の治療について訓練を受け、適切な知識や技能を身につけたスタッフが治療を行うことで、以前に比べて子どもたちが栄養不良から回復出来るようになりました。ユニセフの支援プロジェクトは、この病院で非常に役に立っています。」
ザワディちゃんは、重度の急性栄養不良に加えて、発熱、下痢、足のむくみ、口内のただれの症状があるため、入院治療を受けています。
入院中は、食事療法として、栄養強化ミルクを一日に数回に分けて与えています。
子どもが入院している間は、保護者が24時間付き添わなくてはならず、付き添いが家族にとっては大きな負担になっています。
マジワングオムベ保健センターでは、近隣の村で栄養不良の子どもを見つけ、治療のために近くの病院へ照会する役割を担っており、月に3人から4人の子どもを病院へ照会しています
今後は、自宅から離れた病院に通うことなく、自宅近くの保健センターで栄養不良の診断や通院治療を受けられるように、支援が拡大されることになっており、保健センターのスタッフや保健ボランティアを対象に訓練が行われた後、治療に必要な物資や資材がセンターに提供される予定です。
「以前は母親に子どもへの適切な食事の与え方についてアドバイスをすることしか出来ませんでした。
今は、病院へ子どもたちを照会することができます。病院では治療に必要な栄養強化ミルクやプランピーナッツを手に入れることができるのです。しかし、『病院は遠く、長時間家を空けることができない、治療や物資の提供を保健センターで受けられるようにして欲しい』と何人かの母親たちから要望を受けることがあります。」
自宅出産だったため、出生時の体重がわかりません。定期健診で保健センターを訪れたところ、二人とも年齢に比べて体重が少ない低体重の状態であることがわかり、週に一度、経過観察を行うことになりました。
また、双子のお母さんには、保健センターの看護士から正しい授乳方法や生後6ヵ月間は完全母乳育児で育てることなどのアドバイスを受けました。
ウエテ地区病院 2010年5月から急性栄養不良の入院治療が開始され、これまでに5月は9人、6月は5人、7月は7人の子どもがそれぞれ入院治療を受けてきました。入院中の子どもに与えられる栄養強化ミルクは、看護士が粉状のミルクを安全な水で溶き、一日に数回に分けて、子どもの症状に合せた量のミルクを与えています。
アーカム君(17ヶ月)は、1ヶ月前まで重度の急性栄養不良と身体のむくみ、咳、発熱に苦しんでいましたが、ウエテ地区病院で、17日間の入院と通院により回復することができました。
アーカム君が生後7ヵ月のときにオマーンへ出稼ぎに行ってしまった母親の代わりに面倒をみている叔母さんは「病院で治療を受けた後、すぐに回復しました。今は、とても健康でエネルギーにあふれ元気いっぱいです」と嬉しそうに話してくれました。
マクンデュチ病院の待合室は、定期健診に来ている親子で朝早くからにぎわっていました。
この病院では、ウングジャ島の南地区の全ての5歳未満の子ども2,499人を対象に栄養状況の診断を行っています。診断は、身長、体重、上腕周囲を測定して行われます。
急性栄養不良の診断と治療のための訓練が2010年5月に行われ、これまでに8人の病院スタッフが受講しました。病院では、平均して月に5人の急性栄養不良の子どもが入院治療を受けています
マクンデュチ病院 2歳未満の子どもは、横に寝かせて身長を測定します。身長測定の後、女の子の上腕周囲を測定したところ12cmだったため、中度の急性栄養不良と診断されました。看護士は、母親に子どもへの適切な食事の与え方をアドバイスし、経過観察のために週に一度病院を訪れることを勧めました
マクンデュチ病院に設置された倉庫には、他の医療品と一緒に、2010年5月にユニセフより提供された栄養不良の治療のための物資が保管されています。
治療中は、栄養強化ミルクや袋から取り出してすぐに食べることができる栄養治療食「プランピー・ナッツ」が栄養不良の子どもに与えられます。
病院スタッフのアムールさん
「支援が開始してから大きな前進がありました。地域の人々が栄養不良問題について認識するようになりました。また、病院に行けば、治療のための栄養治療食を受け取れ、良い治療を受けることができるという情報が母親達の間で広まってきています。」
入院時は身体にむくみの症状があり、体重は7kg、上腕周囲は10.5cmで重度の急性栄養不良と診断されました。
退院するまでの6日間は、栄養治療食の「プランピーナッツ」を与えられながら、治療を受けていました。
ジヤダちゃんのお母さんは、「以前は、食事や母乳を与えると、いつも吐いてしまっていました。退院後は、再び、良く食べることができるようになりました。」と嬉しそうに話してくれました。
世界では、年間880万人の子どもたちが5歳未満の誕生日を迎えられずに命を落と
していますが、その約3分の1は栄養不良に関係しているといわれています。
ウングジャ島、ペンバ島の2つの主要な島から構成されているザンジバルは、タ
ンザニア本土に比べて栄養不良の問題が深刻な状況にありますが、多くの急性栄
養不良の子どもたちが適切な診断や治療を受ける機会がありませんでした。
ザンジバルの子どもたちを栄養不良から守るために、2009年より実施されている
ユニセフの支援活動は、現地政府とのパートナーシップのもと、急性栄養不良の
子どもたちが早期に診断され、適切な治療を受けられることを目標に進められて
います。
2010年7月、支援を受けている保健施設や村を訪ね、プロジェクトの成果を確認
しました。
「支援が開始される前は、栄養不良の子どもが来院しても、薬の投与と子どもへ
の適切な食事の与え方のアドバイスしか行えていませんでした。
現在では、栄養不良の治療について訓練を受け、適切な知識や技能を身につけた
スタッフが治療を行うことで、以前に比べて子どもたちが栄養不良から回復出来
るようになりました。ユニセフの支援プロジェクトは、この病院で非常に役に立
っています。」
ザワディちゃんは、重度の急性栄養不良に加えて、発熱、下痢、足のむくみ、口
内のただれの症状があるため、入院治療を受けています。
入院中は、食事療法として、栄養強化ミルクを一日に数回に分けて与えています。
子どもが入院している間は、保護者が24時間付き添わなくてはならず、付き添い
が家族にとっては大きな負担になっています。
マジワングオムベ保健センターでは、近隣の村で栄養不良の子どもを見つけ、治
療のために近くの病院へ照会する役割を担っており、月に3人から4人の子どもを
病院へ照会しています
今後は、自宅から離れた病院に通うことなく、自宅近くの保健センターで栄養不
良の診断や通院治療を受けられるように、支援が拡大されることになっており、
保健センターのスタッフや保健ボランティアを対象に訓練が行われた後、治療に
必要な物資や資材がセンターに提供される予定です。
「以前は母親に子どもへの適切な食事の与え方についてアドバイスをすることし
か出来ませんでした。
今は、病院へ子どもたちを照会することができます。病院では治療に必要な栄養
強化ミルクやプランピーナッツを手に入れることができるのです。しかし、『病
院は遠く、長時間家を空けることができない、治療や物資の提供を保健センター
で受けられるようにして欲しい』と何人かの母親たちから要望を受けることがあ
ります。」
自宅出産だったため、出生時の体重がわかりません。定期健診で保健センターを
訪れたところ、二人とも年齢に比べて体重が少ない低体重の状態であることがわ
かり、週に一度、経過観察を行うことになりました。
また、双子のお母さんには、保健センターの看護士から正しい授乳方法や生後6
ヵ月間は完全母乳育児で育てることなどのアドバイスを受けました。
ウエテ地区病院 2010年5月から急性栄養不良の入院治療が開始され、これまで
に5月は9人、6月は5人、7月は7人の子どもがそれぞれ入院治療を受けてきました。
入院中の子どもに与えられる栄養強化ミルクは、看護士が粉状のミルクを安全な
水で溶き、一日に数回に分けて、子どもの症状に合せた量のミルクを与えていま
す。
アーカム君(17ヶ月)は、1ヶ月前まで重度の急性栄養不良と身体のむくみ、咳、
発熱に苦しんでいましたが、ウエテ地区病院で、17日間の入院と通院により回復
することができました。
アーカム君が生後7ヵ月のときにオマーンへ出稼ぎに行ってしまった母親の代わ
りに面倒をみている叔母さんは「病院で治療を受けた後、すぐに回復しました。
今は、とても健康でエネルギーにあふれ元気いっぱいです」と嬉しそうに話して
くれました。
マクンデュチ病院の待合室は、定期健診に来ている親子で朝早くからにぎわって
いました。
この病院では、ウングジャ島の南地区の全ての5歳未満の子ども2,499人を対象に
栄養状況の診断を行っています。診断は、身長、体重、上腕周囲を測定して行わ
れます。
急性栄養不良の診断と治療のための訓練が2010年5月に行われ、これまでに8人の
病院スタッフが受講しました。病院では、平均して月に5人の急性栄養不良の子
どもが入院治療を受けています
マクンデュチ病院 2歳未満の子どもは、横に寝かせて身長を測定します。身長
測定の後、女の子の上腕周囲を測定したところ12cmだったため、中度の急性栄養
不良と診断されました。看護士は、母親に子どもへの適切な食事の与え方をアド
バイスし、経過観察のために週に一度病院を訪れることを勧めました
マクンデュチ病院に設置された倉庫には、他の医療品と一緒に、2010年5月にユ
ニセフより提供された栄養不良の治療のための物資が保管されています。
治療中は、栄養強化ミルクや袋から取り出してすぐに食べることができる栄養治
療食「プランピー・ナッツ」が栄養不良の子どもに与えられます。
病院スタッフのアムールさん
「支援が開始してから大きな前進がありました。地域の人々が栄養不良問題に
ついて認識するようになりました。また、病院に行けば、治療のための栄養治療
食を受け取れ、良い治療を受けることができるという情報が母親達の間で広まっ
てきています。」
入院時は身体にむくみの症状があり、体重は7kg、上腕周囲は10.5cmで重度の急
性栄養不良と診断されました。
退院するまでの6日間は、栄養治療食の「プランピーナッツ」を与えられながら、
治療を受けていました。
ジヤダちゃんのお母さんは、「以前は、食事や母乳を与えると、いつも吐いてし
まっていました。退院後は、再び、良く食べることができるようになりました。」
と嬉しそうに話してくれました。