パートナー(協力企業)
サラヤ
ユニセフ支援プロジェクト
正しい手洗いの普及で、子どもの命を守ろう!
石けんや消毒液などの衛生関連製品メーカーであるサラヤ株式会社は、手洗い習慣の普及によって、開発途上国の子どもたちの健康と命を守るため、2010年より「SARAYA 100万人の手洗いプロジェクト」を実施しています。対象となる衛生製品の売上げの1%※がユニセフに寄付され、アフリカ東部・ウガンダにおけるユニセフの手洗い促進活動の支援に役立てられています。
※ メーカー出荷額
支援国 ウガンダの子どもたち
ウガンダはかつて、反政府勢力と政府との間で20年以上に亘り武力が衝突し、北部を中心に180万人もの人たちが村を追われ、避難民として厳しい生活を強いられていました。2006年に帰還プロセスに入りましたが、プロジェクト開始当初、長い争いがもたらした村と学校の荒廃により、校舎や給水設備、トイレ、手洗い場などの衛生設備のインフラ整備が大きな課題でした。その後、2016年以降は周辺国の治安悪化に伴い、隣国から北西部、南西部に避難する難民が急増し、ウガンダはアフリカ最大の難民受け入れ国として長期化する人道支援に直面しています。受け入れ地域コミュニティの資源、特に子どもの健康に不可欠な社会サービスに、過剰な負担がかかっています。
5歳未満児死亡率はプロジェクト開始当初1,000人あたりの135人(世界で18番目の高さ)から2021年の90人へと改善しました。しかしながらウガンダは依然として子どもの生存が厳しい国のひとつに挙げられ、子どもたちの命を奪う大きな原因である下痢性疾患や呼吸器感染症のほか、コレラやE型肝炎などから子どもの命と健康を守る衛生的な環境づくりと正しい衛生習慣の普及が求められています。
感染症と自然災害の影響
近年、ウガンダの学校は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる長期間の学校閉鎖や異常気象による災害がもたらす学校の倒壊などに見舞われています。世界で最も長い学校閉鎖によって、83週間分の学習機会を失い、ウガンダ政府の推定では、学齢期の子どもたちの3分の1が退学を余儀なくされ学校に戻ることが困難とされています。新型コロナウイルス感染症による様々な制限は子どもたちの日常に影響を及ぼし、国の一部の地域で発生した大洪水によってさらに深刻な状況となっています。本来、学校生活を通して衛生的な生活習慣を身に着けていく子どもたちがこのような状況にある中で、あらゆる方法を用いて正しい手洗いのメッセージを届け、感染リスクを軽減させることが、ますます不可欠となっています。
プロジェクトが支える全国規模の手洗い普及活動
ユニセフは、ウガンダ政府やパートナーとともに2007年から全国規模での手洗いキャンペーンを開始。石けんを使ってトイレのあとや食事の前など適切なタイミングで正しく手を洗うよう、政府の全国手洗いイニシアチブ(推進運動)を通じて啓発活動を行っています。石けんを使った手洗いは、開発途上国の子どもたちの死亡原因の多くを占める下痢性疾患で35〜50%、急性呼吸器感染症で23%も減らすことができるという報告もあり、ウガンダでも石けんによる手洗いの普及と習慣の定着が求められています。 「SARAYA 100万人の手洗いプロジェクト」による本イニシアチブへの支援は、のべ100万人以上の住民の方々に、正しい手洗いを伝えることで子どもたちの命を守ることを目標としてスタートしました。手洗い設備の設置、子どもたちへの衛生教育と自主的な衛生活動の支援、母親への啓発活動、学校、現地メディア、宗教指導者、政治指導者を巻き込んだ手洗いキャンペーンの展開などを行っています。設備を整えるだけでなく、住民が石けんを使った正しい手洗いを知り、自ら広めていくことを目指しています。
2021年にはコロナ禍の移動制限と休校が続くなか、簡易手洗い設備、衛生備品を学校や保健施設に提供したほか、メディアキャンペーンを通じた手洗いメッセージの伝達が人々の衛生行動を後押ししました。家庭での石けんを用いた手洗い率は2010年の33%から2021年には44%に改善しました。
© 日本ユニセフ協会/2010/taketani
2010年2月の第1回目を皮切りに、同社による各地への視察が行われています。同社はまた、手洗い専門ウェブサイト「tearai.jp」を開設し、さまざまなコミュニケーションを通して、途上国の衛生の問題に対する関心を高める活動も行っています。