世界では、5歳までの子どもの死の半数近くが、生まれてひと月未満の新生児期に集中しています。
なかでも誕生当日の赤ちゃんの死亡リスクは著しく高く、生後1ヵ月時点の赤ちゃんと比較して数百倍も命を落としやすい状態にあります。
しかし、2012年、新生児の3人に1人(4,400万人)は、十分な医療ケアが無い中で誕生しています。世界では、5歳までの子どもの死の半数近くが、生まれてひと月未満の新生児期に集中しています。
なかでも誕生当日の赤ちゃんの死亡リスクは著しく高く、生後1ヵ月時点の赤ちゃんと比較して数百倍も命を落としやすい状態にあります。
しかし、2012年、新生児の3人に1人(4,400万人)は、十分な医療ケアが無い中で誕生しています。母親の栄養不良が原因で、低体重で生まれたパキスタンの赤ちゃん。器材や人材が不足するなか、先進国なら助かるはずの多くの命が失われています。
コンゴ民主共和国の民家で生まれた赤ちゃんを抱く母親。きれいな水を手に入れることさえ 難しい出産環境で、破傷風などの感染症が小さな命を脅かしています。
生まれたばかりの赤ちゃんを抱え、難民キャンプの中を支援を求めて歩くシリアの母子。新しい命は、非常事態のただ中でも誕生します。
生後まもない赤ちゃんの死因の大半は、小さく生まれたことによる低体温症や感染症などで、背景には早産や母親の栄養不良、不衛生な出産環境が深くかかわっています。貧困も深刻な要因で、たとえば妊娠中期までの早産で生まれた赤ちゃんの命が助かる可能性は、先進国では9割以上、途上国では1割弱しかありません。
クマリは、この国の大半の赤ちゃんと同様、家族に見守られながら自宅で生まれてくるはずでした。しかし、お産のさなかに母親の容態が急変したため、家族で診療所まで運ぶことになりました。たんかに載せて山道を急ぎ1時間後、診療所に着いた時には母親の体力は限界に達しようとしていましたが、どうにかクマリを出産することができました。ところが、クマリの産声があがりません。自力で呼吸できないのです。看護士が幾度も蘇生を試み、クマリは命をとりとめることができました。
専門家の立ち会いがない自宅での出産が一般的な南アジアやサハラ以南のアフリカ諸国では、母体や赤ちゃんに異変が起きてもすぐに対処することは困難です。
保健施設に行くための交通手段や人手探しに手間取るうちに手遅れになってしまうことも多くあります。
施設にたどり着いても器材や人材の不足により、クマリの命を繋いだような救命処置を受けられる赤ちゃんはほんの一握りにすぎません。
呼吸停止に陥った赤ちゃんを蘇生させる手動式人工呼吸器5台に変わります。
清潔で安全なお産を可能にする
出産キット7セットに変わります。
生まれてくる赤ちゃんも守る、母親向けの破傷風ワクチン1,532回分に変わります。
出生時の体重を量ることでその後の赤ちゃんの健康を守る体重計20台に変わります。
地域で活動する保健従事者4人に、助産技術の研修を行なうことができます。
※ご寄付の金額は任意です。※輸送や配布のための費用は含まれません。※2015年5月現在の価格
5歳未満児の死亡数は、過去20年間で約半数にまで削減された一方、乳幼児死亡全体に占める新生児の割合は年々増えています。
ユニセフは2014年、パートナー団体とともに『すべての新生児のための行動計画』を発表。今後20年以内に予防可能な新生児死亡をなくすため、世界規模の取り組みを進めています。
「すべての新生児のための行動計画」が実現できれば、
2025年までに300万人の新生児及び妊産婦の命を守ることができます。
アフリカ大陸のほぼ中央に位置するコンゴ民主共和国。世界で最も貧しい国のひとつであり、国民の大半が電気も水道もない村々で暮らしています。イモやトウモロコシなどの偏った食事しかとれない家庭も多く、栄養不良の母親から低体重児が生まれてくることを主な原因とする低体温症や呼吸困難、感染症などにより、年間10万人を超える新生児が命を落としています。
新生児死亡の多さは世界で5番目
キットを使って無事双子を出産
この国では、8割(地方では74%)の赤ちゃんが保健所などの医療施設で生まれています。それなのになぜ多くの命が失われているのかを調査したところ、施設の医薬品の不足や、医療従事者が十分な訓練を受けていないことが浮かび上がってきました。そこで、安全な出産のために最低限必要な物を揃えたキット(剃刀、消毒薬、保温シート、母親用の栄養錠剤など)を妊産婦に配付し、各自が施設に持参することで、生まれてくる命を守れるようにしています。
また医療従事者には、誕生後数時間以内に行なうべきケア(全身を布で包む、へその緒や目の消毒、誕生直後の授乳など)の徹底を指導しています。このように、幼い命を守る方法を考えては、計画、実業改善を繰り返す地道な活動ですが、多くの赤ちやんが無事に誕生し、育っていることに、この仕事の重要さを実感します。
この地の人々は、結婚祝いに沐浴用のたらいを贈るほど赤ちゃんを大切にしています。貧しい国に生まれたというだけで奪われている子どもたちを一人でも多く守るために、これからもたくさんの課題に取り組んでいきます。生きるチャンスを奪われている子どもたちを一人でも多く守るために、これからもたくさんの課題に取り組んでいきます。
定期的な体重測定で健康チェック
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、乳幼児期から青年期までの子どもたちの命と健やかな成長のために、現在150以上の国と地域で活動しています。保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取からの保護、HIV/エイズ、緊急支援、アドボカシーなどの支援活動を実施し、その活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの募金や任意拠出金でまかなわれています。
ユニセフは、世界36カ国・地域にユニセフ国内委員会を置き、募金、広報、アドボカシー(政策提言)活動を行っています。1955年に設立された日本ユニセフ協会は、ユニセフ本部との協力協定に基づく日本におけるユニセフ支援の公式機関です。日本の民間部門におけるユニセフ募金・広報・アドボカシー活動は、日本ユニセフ協会が窓口を担っています。
世界中で、命にかかわる重度栄養不良の子ども190万人に栄養治療を行なったほか、100万人を超える子どもたちにはしか、おたふく風邪、風疹、ポリオの予防接種を実施、38ヵ国に2,900万張りのマラリア予防蚊帳を調達しました。
紛争下のシリアでは、約37万人の子どもに健康診断や治療を行ない、200万人の乳幼児に予防接種を実施、大規模なコレラの流行に見舞われたハイチでは35万人に予防キットを届けるなど、世界83ヵ国で289の緊急事態に対応しました。
※2013年実績
当協会への個人のみなさまからの寄付金(賛助会費も含まれます)は、「税額控除」の対象となります。
当協会が公益財団法人へ移行した2011年4月以降の寄付金から、従来の「所得控除」に加えて「税額控除」の
どちらか有利な方式を選択できます。「税額控除」を選択されると、多くの場合、従来よりも控除額が大きくなります。
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