長引く紛争と食料危機の影響で、栄養不良の母親から病弱な赤ちゃんが生まれるケースが後を絶たない南スーダン。1,300gの小さな身体で生まれたアヤーも、誕生直後に敗血症を発症し、診療所に運び込まれました。命の危機と判断されたアヤーは保育器に入れられましたが、ここには検査機も、治療のための薬もありません。すべてが足りないために、赤ちゃんの10人に1人は、助けることができないのです。
アフリカ・マリの村で誕生したナハワは、1,200gの低体重児でした。生まれた時にはすでに激しく衰弱していて、自力で息をすることもできませんでした。助産師が、手動式の簡易ポンプでナハワの気道を確保し、くりかえし蘇生を試みます。母親は不安でなりません。緊急処置で命をつなぎとめることができたナハワは、ようやく、か細い声をあげました…。
新生児死亡の最大要因である早産のリスクは、産前検診と栄養剤で減らせます。
清潔な水や器材を使った安全な分娩で、破傷風や敗血症を防ぎます。
生後1時間以内の授乳開始で、新生児期の生存率が4割以上も向上します。
出生登録を行い、必要な予防接種が確実に受けられるようにします。
赤ちゃんが初めて受ける予防接種、経口ポリオワクチン198回分に変わります。
赤ちゃんの呼吸を助ける手動式の人工呼吸用ポンプ6個に変わります。
妊娠期から授乳期にかけて必要な栄養素を15人の母親に届けることができます。
赤ちゃんの発育観察に欠かせない、持ち運び可能な体重計19台に変わります。
地域の保健員2人に母子保健と栄養に関する研修を実施できます。
※ご寄付の金額は任意です。※輸送や配布のための費用は含まれません。※2018年10月現在の価格
まずは最初の1日。生きのびた小さな命
小さく生まれた赤ちゃんは、肺や体温調節の機能が未発達なため、自力で呼吸できなかったり、体温が急激に下がったりして、生まれてすぐに命を落としてしまうことが多いため、命を守る処置を行います。
保育器が不足するガーナの病院では、赤ちゃんを母親の胸にぴったりと付けて体温低下を防ぐ「カンガルーケア」も推進しています。
助産師の研修を受けて10の村で活動中
助産師のシャグフタは2年前にユニセフの研修を受けて以来、出産介助の経験を重ね、今では近隣10村の母子にとってなくてはならない存在となりました。
いまだ新生児の23人に1人が命を落としているパキスタンでは、助産師が1人でも多く誕生することが、赤ちゃんを守る最も確実な方法のひとつです。
日本の4割ほどの国土に日本の1.3倍の人口がひしめくバングラデシュ。アジアで最も貧しい国のひとつですが、お祭りの際には住民がお金を出し合って貧しい人々にごちそうを配るなど、イスラムの助け合いの精神が息づいています。近年では、予防接種や衛生知識の普及などの地道な努力が報われ、5歳未満の子どもの死亡率は大きく削減されました。一方、生後まもない赤ちゃんの死亡率は依然として高く、毎年6万人を超える新生児が呼吸停止や低体温症などで命を落としています。
首都のスラム街での予防接種
この国では、赤ちゃんの5人中1人が未熟児として生まれてきます。こうした赤ちゃんは、呼吸や体温調節などの機能が十分に発達していないため、保育器や24時間体制の見守りなど特別なケアを必要とします。ユニセフは数年前から保健省と協力し、各県の公立病院内にSCANUとよばれる、未熟児や病児のためのケア施設を立ち上げています。この取り組みは大きな成果をあげ、SCANUを導入した病院では、新生児の死亡が目に見えて減ってきています。
SCANUで治療中の赤ちゃん
現在44県に導入され、残り20県にも拡大していく予定です。とはいえ、機材も人材もまだまだ足りず、1台の保育器に何人もの赤ちゃんが入れられていたり、部屋に入りきらない赤ちゃんが廊下に寝かされていたりするのが実情です。
実は私も、前任地のエチオピアで次男を妊娠した際、手痛い経験をしました。エコー検査で、おなかの子どもの心拍が確認できないと告げられたのです。ほどなくして、検査機の劣化による誤診だったと判明したのですが、涙だらけの私に付き添ってくれた同僚がそのとき言った「途上国ではこんなことが毎日のように起きている。ユニセフのやるべことは山積だ」という言葉は忘れられません。すべての子どもが等しく守られる世界をめざして、精一杯活動を続けていきます。
元気に育っています!
ユニセフ(国際連合児童基金)とユニセフ協会(国内委員会)は、世界190の国と地域で、子どもたちの命と健康、権利を守るために活動しています。
活動資金はすべて、個人、企業、法人・団体のみなさまからの民間募金、各国政府からの任意の拠出金に支えられています。民間募金は、全体の活動資金の約3割を占めています。
民間募金は先進34の国と地域にあるユニセフ協会等からユニセフ本部に送られます。ユニセフ本部は、各国の子どもの状況をみて、ユニセフ現地事務所にお金をおくり、各国政府と協力して、子どもたちのための活動を行なっています。
日本の皆さまのあたたかいご支援のもと、日本ユニセフ協会からユニセフ本部への拠出額は毎年、世界34のユニセフ協会の中でトップレベルを維持しています。収支と活動について詳細をご報告しています。>
※1 新公益法人会計基準に則り、公益目的事業会計に配賦されている、事務運営費(正味財産増減計算書の光熱水費、火災保険料、施設管理料、建物減価償却費、什器備品など減価償却費)及び人件費(給料・報酬、福利厚生費、退職給付費用、賞与引当金繰入額)。
※2 2018年のユニセフ本部への拠出金15,680,000,000円は、公益目的事業会計の経常費用計19,267,063,686円の81.4%、ユニセフ募金19,204,354,529円の81.6%にあたります。
監査報告書
(公財)日本ユニセフ協会は、監事及び会計監査人の監査を受けています。
2,500万人の赤ちゃんが、適切な訓練を受けた助産師の立会いのもと保健施設で生まれました。
260万人の子どもが重度の急性栄養不良の治療を受けました。
470万人の子どもがはしかの予防接種を受けました。
3,530万人の人々が安全な水の提供を受けました。
310万人の子どもが心理社会的ケアを受けました。
590万人の子どもが正規・非正規に関わらず、教育を受けました。
当協会への寄付金は、従来の「所得控除」に加えて「税額控除」のどちらか有利な方式を選択いただくことができます。
「税額控除」を選択されると、多くの場合、従来よりも控除額が大きくなります。
例えば、税額控除を選択された場合、10,000円のご協力で、年間最大3,200円の所得税が控除されます。
源泉徴収されている方は、確定申告によって還付を受けることができます。
★ A(税額控除)かB(所得控除)のどちらか有利な方を選択し、所得税の控除をうけられます。どちらも確定申告が必要です。
★ ユニセフ募金は一部自治体の個人住民税、相続税についても優遇措置の対象となります。詳しくはお近くの税務署にお尋ねください。
★ 国税庁のホームページ上には、簡単に確定申告書類を作成することができる機能があります。画面の案内に沿って入力、印刷すればそのまま税務署に提出することができます。郵送も可能です。
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※本ページの内容は2018年10月現在のデータに基づいて制作されています。