ケニアの村へ家庭訪問に訪れた地域保健員がジャクトンの体温と呼吸数を測ったところ、肺炎の症状でした。
肺炎は一刻を争う病気です。
保健員は電話ですぐに保健センターに対処方法を確認し、薬をジャクトンに投与しました。
母親にも薬ののませ方を説明し、さらに、衛生環境が行き届かない場所での病気の防ぎ方も指導しました。
肺炎・下痢・マラリア。
いずれも先進国では治療も予防も可能な病気ですが、
世界ではこれら3つの病気だけで、
2017年の乳幼児死亡総数の約3割に相当する150万人以上が犠牲になっています。
その8割以上が集中するのは、
サハラ以南のアフリカと南アジアの貧しい国々の
世界でも貧しく厳しい環境で生きる子どもたちです。
※四捨五入しているため合計は100%になりません。
出典:UNICEF DATA (2017)
日本の医師の数は国民414人に対し1人。
一方、世界では数万人に対し医師1人という国も珍しくありません。
出典:WHO Global Health Observatory data repository (2016)
サハラ以南のアフリカ諸国のデータ。
病気になっても適切な治療を受けられない子どもが過半数を占めています。
出典:UNICEF DATA
( Pneumonia 2016, Diarrhoea 2011-2016, Malaria 2013-2015 )
近年では、地域保健員による肺炎やマラリアの診断を可能にする簡易検査キットの導入、
下痢や肺炎を予防する新しいワクチンの普及などにより、助かる命の可能性は大幅に増えています。
幼い子どもたちにとって一番の脅威。早期治療と新ワクチンで守ります。
世界の乳幼児の命を最も多く奪っている肺炎。早期の発見と薬の投与が生死を分けます。
近年では予防用ワクチンの普及も進んでいます。
先進国ではまず死に結びつかない病気。治療とともに安全な水の確保を。
毎日1,200人の5歳未満児が下痢で亡くなっています。原因の6割は水と衛生環境の不備。
ORS(経口補水塩)や予防接種で命を守る一方、井戸や水道、トイレの整備が急務です。
蚊が媒介するマラリアは抗マラリア薬と防虫処理済みの蚊帳で撃退。
アフリカをはじめ熱帯・亜熱帯地域の子どもの命を脅かすマラリア。発症後24時間以内に薬を投与しないと死のリスクが高まります。
蚊帳の使用は最も効果的な予防法です。
ユニセフは世界各地で、地元出身の人々に数週間から数ヵ月程度の医療研修を行い、
その後、薬や器材を託して村々を巡回してもらっています。
たとえば
ユニセフは今、地域保健員の養成を年間数万人のペースで支援中ですが、
アフリカだけでも今後約10年間で420万人が不足すると予測されています。
※ご寄付の金額は任意です。※輸送や配布のための費用は含まれません。※2019年5月現在の価格
遠隔地の子どもたちに医療ケアを!
道路がないなどで、医療施設にたどり着けない多くの子どもたちが、肺炎などの病気で命を落としています。
ユニセフは、遠隔地の子どもも確実に医療ケアを受けられるよう、移動保健チームを派遣して予防接種を行なったり、村々に薬を配備したりしていますが、人材も物資もまだまだ不足しています。
医薬品を抱えて子どもたちのもとへ
エチオピアでは、研修を受けた保健員が、地域の子どもの健康を守る中心的役割を担っています。
特に、小児疾患への対処法が研修に加えられた数年前からは、マラリアによる死亡数が激減するなど、乳幼児の生存状況が大きく改善し始めています。
私が勤務するシエラレオネは、アフリカ大陸の西端に位置する、世界で最も貧しい国のひとつです。2002年に内戦が終結したあとも、エボラ出血熱の流行や自然災害など度重なる危機の影響で復興が遅れ、国民の大半がいまだ安全な水も電気も容易に利用できない生活を送っています。乳幼児の死亡率は世界で4番目に高く、マラリアをはじめ肺炎、下痢など治る病気で多くの幼い命が失われています。こうした子どもたちの命と健康を守る支援活動を策定・実施すること、それが私の仕事です。
9人に1人が5歳まで生きられない
子どもたちが病気で命を落とす大きな要因は、この国の医療人材の極端な不足です。医者の数は全国でわずか150人足らず。住民5万人強に対し1人しかいない計算です。そんな中で子どもたちの健康を支えているのが、ユニセフなどの研修を受けて各地で活動する1万5,000人の地域保健員たちです。ユニセフは今、この地域保健員を国の医療制度に一層深く組み込む取り組みを保健省とともに進めています。
家庭訪問中の地域保健員
これにより、すべての地域保健員が正当な待遇を受け、実証済みの救命方法を身につけ、医薬品を携えて、より多くの命を守れるようになってきています。今後は、最も脆弱な新生児のための医療ケアや、母子への医療無償化政策の後押しなどにも力を入れ、現在の高い乳幼児死亡率を数年以内に大幅削減することを目指しています。
明るく前向きな現地の人々といるとつい忘れそうになりますが、この国の日常生活は困窮を極めています。入院治療を終えた子どもが、自宅に戻ったとたん再び栄養不良や病気に陥るケースを目の当たりにするたび、医療だけでなく貧困・栄養・衛生・教育など多くの課題を、現地政府や他機関と力を合わせて解決していくことの重要性を痛感します。一人でも多くの子どもが健康で幸せな人生の一歩を踏み出せるよう、私も力を尽くします。
治療を受けて回復中の赤ちゃん
ユニセフ(国際連合児童基金)とユニセフ協会(国内委員会)は、世界190の国と地域で、子どもたちの命と健康、権利を守るために活動しています。
活動資金はすべて、個人、企業、法人・団体のみなさまからの民間募金、各国政府からの任意の拠出金に支えられています。民間募金は、全体の活動資金の約3割を占めています。
民間募金は先進33の国と地域にあるユニセフ協会等からユニセフ本部に送られます。ユニセフ本部は、各国の子どもの状況をみて、ユニセフ現地事務所にお金をおくり、各国政府と協力して、子どもたちのための活動を行なっています。
日本の皆さまのあたたかいご支援のもと、日本ユニセフ協会からユニセフ本部への拠出額は毎年、世界33のユニセフ協会の中でトップレベルを維持しています。収支と活動について詳細をご報告しています。>
※1 新公益法人会計基準に則り、公益目的事業会計に配賦されている、事務運営費(正味財産増減計算書の光熱水費、火災保険料、施設管理料、建物減価償却費、什器備品など減価償却費)及び人件費(給料・報酬、福利厚生費、退職給付費用、賞与引当金繰入額)。
※2 2018年のユニセフ本部への拠出金15,680,000,000円は、公益目的事業会計の経常費用計19,267,063,686円の81.4%、ユニセフ募金19,204,354,529円の81.6%にあたります。
監査報告書
(公財)日本ユニセフ協会は、監事及び会計監査人の監査を受けています。
260万人の子どもが重度の急性栄養不良の治療を受けました。
470万人の子どもがはしかの予防接種を受けました。
3,530万人の人々が安全な水の提供を受けました。
310万人の子どもが心理社会的ケアを受けました。
590万人の子どもが正規・非正規に関わらず、教育を受けました。
当協会への寄付金は、従来の「所得控除」に加えて「税額控除」のどちらか有利な方式を選択いただくことができます。
「税額控除」を選択されると、多くの場合、従来よりも控除額が大きくなります。
例えば、税額控除を選択された場合、10,000円のご協力で、年間最大3,200円の所得税が控除されます。
源泉徴収されている方は、確定申告によって還付を受けることができます。
★ A(税額控除)かB(所得控除)のどちらか有利な方を選択し、所得税の控除をうけられます。どちらも確定申告が必要です。
★ ユニセフ募金は一部自治体の個人住民税、相続税についても優遇措置の対象となります。詳しくはお近くの税務署にお尋ねください。
★ 国税庁のホームページ上には、簡単に確定申告書類を作成することができる機能があります。画面の案内に沿って入力、印刷すればそのまま税務署に提出することができます。郵送も可能です。
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※本ページの内容は2019年5月現在のデータに基づいて制作されています。