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ソロモン地震・津波 第3報
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4月2日朝7時40分(現地時間)、ソロモン諸島の首都ホニアラ北西345kmを震源としたマグニチュード8.1の地震が発生し、津波がソロモン諸島とパプア・ニューギニア沿岸部の村々をのみこみました。ウエスタン州の一部(ギゾとその周辺)やチョイセル州、北イサベル州、が深刻な被害を受けています。4月4日時点で、ソロモン諸島国家災害対策局では、少なくとも34人が死亡、依然多くの人々が行方不明で、900以上の家屋が崩壊しました。遠隔にある沿岸部の漁村への調査がすすむにつれ、被害が拡大するものとみられています。現時点では約2,500の家屋が崩壊したと推定され、約25,000人が避難しています。この地震と津波により、5万人あまりが被災したとみられます。
© Solomon Islands'Ministry of Health/Ogaoga |
災害時にもっとも大きな影響を受けるのは子どもたちです。推定5万人の被災者のうち、3万人近くは子どもで、内15,000人が5歳未満です。被災地の子どもたちや女性を飢えや病気、トラウマから守るため、生き延びるための支援が緊急に必要とされています。初期調査の段階では、食料、水、シェルター、医療物資、蚊帳や調理器具などの物資が特に必要とされています。天候の悪化も避難民に影響を与える可能性があり、安全な水が限られていることから、汚染された水を使わざるをえない人も多く、人々が避難している茂みには蚊が大量にいることも懸念されています。
ユニセフは災害後数時間で、備蓄してあった1万人分の緊急医療物資で支援を開始しました。国連諸機関や国際・国内NGOとともに、ユニセフはソロモン諸島政府と迅速に・効果的に対応できるよう支援活動を行っています。6月までの活動に必要な資金として、ユニセフは50万米ドル(約6,000万円)の支援を要請しています。
保健と栄養(22万米ドル)
避難民は特に食料不足や病気の蔓延の危険にさらされています。マラリアはこの地域の風土病で、よどんだ水はマラリアを媒介する蚊が繁殖するのに絶好の条件です。殺虫処理を施した蚊帳配布やマラリア予防対策をとることが不可欠です。さらに、人であふれた避難所と安全な水の利用が限られることで、急性呼吸器感染症や不衛生な水を介して感染する病気の危険を増し、はしかのような命にかかわる病気の蔓延にもつながりかねません。人々の命を守るために、医療物資と栄養支援が緊急に必要とされています。
水と衛生(12万米ドル)
自然災害は、水源を汚染し、衛生設備が崩壊し、コレラや赤痢など不衛生な水を介して感染する病気の危険を高めます。水が不足するため、汚染された水源に頼り、自分たちの健康を危機にさらしてしまうのです。衛生設備が不足することで、有害な汚物が外に放置され、病気の温床となります。赤痢などの不衛生な水を介して感染する病気は、特に子どもにとって危険です。特に、被災地の栄養不良の子どもたちは、下痢性疾患や寄生虫感染症への抵抗力が弱いため、危険です。
教育(12万米ドル)
ユニセフの災害時の長年の経験では、子どもたちを学校にできるだけ早く戻れるようにすることは、緊急時の最も重要な活動の一つです。教育は子どもたちの長期的な機会であって、中断されるべきものではありません。又、学校に通うことで、子どもたちは日常の感覚をとりもどし、子どもたちの精神状況にも良い影響をもたらします。
子どもの保護(4万米ドル)
災害は子どもたちの心に大きな傷を残します。混乱して、おびえている子どもたちは、自身も大きなストレスを抱えている親にたよります。恐ろしい経験をした子どもたちは、屋内にいることを怖がったり、眠れないなどのストレスの兆候を示すことがあります。このような子どもたちの長期的な健康のためにも精神的なサポートが必要です。 また、災害後の混乱で、子どもたちが家族と離れ離れになることがあります。津波によって家族と子どもが離れ離れになったかどうかは現時点ではわかりませんが、そのような子どもがいた場合、保護し、面倒をみて、家族と再会できるよう支援する必要があります。
さらに、ユニセフは政府やパートナー組織と共に、長期的な対応について計画をたてるため、保健、水と衛生、教育分野での調査を行う予定です。