児童ポルノを「見ない」「買わない」「持たない」「作らせない」
「児童ポルノがない世界を目指して」国民運動 第1回報告会・記者会見開催
【2010年10月6日 東京発】
2010年10月5日、日本ユニセフ協会は、ユニセフハウス(東京・港区)にて、「児童ポルノがない世界を目指して」国民運動の第1回報告会を、同運動賛同団体向けに開催。わずか一週間程の間に賛同を表明してくださった60を超える団体(現在は90超)とともに、本国民運動が5月27日に政府の児童ポルノ排除対策ワーキングチーム「緊急アピール」を提出したことを受け、内閣府などから、取締りの強化や被害児童の保護、児童ポルノ排除に向けた官民連携による国民運動の発足に向けた準備状況、インターネット上の児童ポルノ画像を遮断する「ブロッキング」の導入に向けた動きなどが報告されました。
「政府としても総合対策を踏まえて、(児童ポルノ問題に)取り組んでいきたいと思いますのでご協力をお願いします。」 政府の「児童ポルノ排除総合対策」の詳細と進捗状況を報告してくださった内閣府の髙須一弘氏。
児童ポルノの流通を防止する有効な対策として検討されているブロッキング※導入に向けた取り組みなどを報告してくださった(財)インターネット協会の大久保貴世さん。
※あらかじめ作成された児童ポルノ画像や映像を含むウェブサイトのリストに基づいて、そのウェブサイトへのアクセスをインターネットサービスプロバイダー(インターネット接続事業者)が遮断する方法
子どもを性の対象とする社会に対する危惧と、おとなが子どもを守る責任について述べ、「一日も早く、子どもたちを安心して生める、未来のある社会づくり」の実現を訴えた東京都PTA協議会の新谷珠江さん。
報告会にひきつづき開かれた記者会見には、国民運動の趣旨に賛同してくださった、各界を代表する著名人の方々も駆けつけ、国民一人ひとりに児童ポルノを「見ない、買わない、持たない、作らせない」というメッセージを呼びかけ、政府および国会に対して「児童ポルノ排除総合対策の具体的実施」と「現行法改正の早期実現」を求めました。
「インターネットの急速な普及と発達により児童ポルノは日本だけでなく、世界的に深刻化している」と訴えた、日本ユニセフ協会の東郷良尚副会長。
「私は今2歳の女の子の父親です。父親になって初めて児童ポルノの問題を知り、また被害者が低年齢化しているという話も聞きました。これ以上被害者が増えないように国民運動を推し進めて欲しい」と話す、マジシャンのマギー審司さん。
「日本は、世界の国の実情や問題を知り、ひとつひとつ具体的な行動を起こしていかなければならない時期に来ている」と述べ、「児童ポルノは表現の自由で守られるものではなく、性虐待であるいう事実を認識した上で、取り組まなくてはいけない。将来の人類にもかかわる問題だと思うので、解決のために何かできることがあれば力になりたい」と、世界各地での平和活動の経験を基に訴えた、歌手のすがはらやすのりさん。
「児童ポルノの所持を禁止することは、今ある法律の目的を達成するには必要であり、世界の情勢からいっても、日本は対応が急がれる」「東京都の条例などは議論の余地があると思うが、子どもたちをよりよい環境で育てていくことに反対する人はいない。まずは児童ポルノの所持を禁止し、法律を実効性のあるものにしていくためにも法改正が必要」と語る前高知県知事の橋本大二郎さん。
「今の法律では、児童ポルノの製造や頒布は処罰の対象となっていますが、所持や購入は違法ではありません。児童ポルノの購入や所持を違法にしなければ、売る人も買う人も減らないのです。児童ポルノを買ってはいけない、持ってはいけないというメッセージを出すことはとても大きな意味があります」として早期の法改正を求める署名の協力を呼びかけた、アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使。
この他にも、多くの方々からメッセージをいただきました。
湯川 れい子さん(音楽評論家・作詞家・翻訳家)
弱者への最大の恥ずべき暴力行為が、まったく抵抗力を持たない子どもたちへの性的な強制行為です。さらにそれを商品化して売買することのおぞましさ、悲しさを何とか同じ人間として自分たちの手で取り除いていきたいと心から願います。ぜひ日本は率先して国民運動をしていきたいものです。
荒木とよひささん(作詞家)
「児童ポルノがない世界を目指して」・・・この運動にボクは共鳴します。表現の自由とか、芸術とはまったく違う下劣なものだと思います。自分の子供だと考えたら、心が痛くなるはずです。
未来があり、将来のある子どもたちが児童ポルノによって人生が狂わされないよう、児童ポルノの根絶を心より願っています。
ルー大柴さん(俳優・タレント)
子どもたちの未来をセーフティーなものに!
草野 満代さん(フリーアナウンサー)
小さな体、小さな心、小さな存在が傷つくことを絶対に許してはいけません。
そんな権利はおとなに決してないのです。
石川 文洋さん(報道カメラマン)
児童ポルノは子どもの人間としての尊厳を傷つけていますが、製作する人、見る人も自らの尊厳を失っていると思います。児童ポルノについて聞いてはいますが、私はパソコンが全く扱えないのでパソコン、また、ビデオ、雑誌などで児童ポルノを見たことが一度もありません。でも、児童ポルノはあってはならないと思っています。
クロード・チアリさん(音楽家・ギタリスト・作曲家)
未来があり、将来のある子どもたちが児童ポルノによって人生が狂わされないよう、児童ポルノの根絶を心より願っています。
写真:©日本ユニセフ協会
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「児童ポルノがない世界を目指して」国民運動とは
「児童ポルノは児童の性的虐待の記録であり、絶対に許されないものである」という理念に基づき、広く団体、個人、企業の賛同を得て、2010年5月27日、「児童ポルノがない世界を目指して」国民運動が発足しました。国民運動では、児童ポルノがない世界を実現するため、以下の活動を行っています:
(1) |
国民一人ひとりに、児童ポルノの被害の深刻さを理解していただき、積極的に「見ない」「買わない」「持たない」「作らせない」という行動をとっていただくための啓発活動をします。 |
(2) |
政府の児童ポルノ排除対策ワーキングチームによる「児童ポルノ排除総合対策」の実施に積極的に協力しています。また、総合対策の実施状況を随時モニタリングし、結果を国民運動のホームページで報告します。 |
(3) |
国会に対して、児童ポルノの根絶に必要な法的対策(児童ポルノの単純所持の違法化や児童ポルノ犯の厳罰化、被害者の保護体制の確立など)に取り組んでいただくため、「児童買春・児童ポルノ禁止法の早期改正を求める要望書」をもって署名活動を実施し、賛同者の声を国会に届けます。 |
「児童ポルノがない世界を目指して」国民運動の詳細はホームページをご覧ください。
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