ロジャー・ムーア ユニセフ親善大使
「2002FIFAワールドカップTM」のために来日
(6月1日‐8日) ユニセフ親善大使のロジャー・ムーア氏が、6月1日から8日まで、2002年FIFAワールドカップ韓国・日本TMの関連行事にユニセフを代表して参加するために、日本を訪問しました。ロジャームーア氏は、クリスティーナ夫人とともに、埼玉、東京、横浜、大阪、神戸の各都市を訪問し、ワールドカップ観戦を含め、テレビや新聞の取材、子どもたちとの交流など、さまざまな関連行事に参加しました。 今回のロジャー・ムーア・ユニセフ親善大使の来日の目的は、FIFA(国際サッカー連盟)とユニセフのパートナーシップのもと、「子どものための10の約束」(Say Yes for Children)というテーマでワールドカップが開催されるのをPRするためです。 昨年11月、FIFA(国際サッカー連盟)とユニセフ(国連児童基金)は、子どもたちのためのパートナーシップを約束しました。その最初の重要な取り組みとして、2002FIFAワールドカップTMが、子どもの権利を守るための世界的な誓いである「子どものための10の約束」(Say Yes for Children) というテーマのもとに開催されています。ワールドカップが人道的なテーマのもとに開催されるのは、今回が初めてです。
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《ロジャー・ムーア ユニセフ親善大使 滞在日誌》
6月1日 埼玉 韓国で、ワールドカップ開会式に参加。開幕戦を観戦した後、日本へ到着。夜、埼玉県主催の「イングランド vs スウェーデン戦(Fグループ)」前夜祭イベント「Kick Off Saitama 2002」に参加しました。イギリス、スウェーデン両大使館関係者などの出席する中、記念スピーチを行い、子どもたちを含む約500人の参加者の前で、Say Yes for Childrenキャンペーンの重要性を訴えました。 6月2日 埼玉
イギリスBBC(生中継)を始めとする、各種メディアのインタビューに応じる。「ワールドカップ大会期間中の30日間で、100万人の子どもたちが栄養不良で亡くなっていく」と、子どもたちを守るために世界が行動をおこして行く必要性を訴えました。 6月3日 東京 ワールドカップ関連のレセプションへの出席や、各種メディアのインタビューをこなす。FIFAとユニセフの合意のもと、6月19日を世界の子どもたちが平和にサッカーを楽しめる「子どものためのワールド・サッカー・デー」に制定したことに言及し、「子どもの権利条約でも、遊ぶことは子どもの権利のひとつとされています。6月19日を、子どもたちのためにふさわしい世界を築きあげるための、良いきっかけとして欲しい」と力強く語ってくれました。 6月4日 横浜 「Say Yes for Children イン ヨコハマ」と題して、ロジャー・ムーア氏が子どもたちと一緒に国際平和について対話を行いました。会場となった横浜シンポジアでは、よこはま子どもピースメッセンジャー*の子どもたちなど、横浜市内の小・中・高校生約30人が出席し、ロジャー・ムーア氏のSay Yes for Childrenキャンペーンの活動に関するメッセージに、興味深く耳を傾けていました。途中、国連子ども特別総会にも出席した中田宏横浜市長の特別スピーチもあり、ロジャー・ムーア氏は「横浜市と横浜の子どもたちの平和を求める強い気持ちに感銘を受けた」と感想を述べていました。 *よこはま子どもピースメッセンジャー:横浜市が毎年開催している「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」で、市長賞を受けた小学生・中学生各2名の計4人から構成され、メンバーは毎年ニューヨークの国連本部に派遣され、ユニセフをはじめとする国連機関の活動に対する理解を深めています。 6月5日 大阪
関西に移動。日本ユニセフ協会大阪支部を訪問し、ボランティア約20人がユニセフ・カードの仕分け作業をする中、ひとりひとりに激励の言葉をかけていきました。大阪支部は、廃校となった小学校校舎の一室を、大阪市より無償で借り受け、事務所として使っています。ロジャー・ムーア氏は、「草の根のボランティアの皆さんひとりひとりの活動がユニセフを支えています。これからも頑張ってユニセフを応援していきましょう」と、エールを送りました。 その後、大阪府知事や大阪市長を表敬訪問し、Say Yes for Childrenのスローガンをアピールしながら、「子どもたちが幸せに暮らせる世界の実現を」と訴えました。ロジャー・ムーア氏が「サッカーの一試合、90分の間に、世界で540人の若者がHIVに感染し、85人が亡くなっている」と、世界の子どもたちの置かれた厳しい現状を説明すると、太田房江大阪府知事は「サッカーを通じて、多くの人がそうした事実に気づいて欲しい」と応えました。 6月6日 神戸
兵庫県知事や神戸市長を表敬訪問し、ワールドカップ期間中も世界中で困難な状況に置かれている子どもたちがたくさんいることに触れ、「大切なのは平和と健康と尊厳です。Say Yes for Childrenの精神を忘れないで」と訴えました。 6月7日 神戸
朝、コープこうべ生活文化センター前で、阪神・淡路大震災の鎮魂碑に献花を行いました。コープこうべは、20年以上もユニセフ募金への協力を続けており、日本ユニセフ協会兵庫県支部の立ち上げにも積極的に協力するなどしてきました。ロジャー・ムーア夫妻は、メッセージを添えた白いランのリースをささげ、震災後の神戸の街の復興ぶりに感動していると語りました。 6月8日 神戸 約一週間の日本滞在を終えて、ロジャー・ムーア夫妻が離日。「世界でもっとも愛されているスポーツであるサッカーを、子どもたちの未来のために役立てたい。Say Yes for Childrenをテーマに開催されている今回のワールドカップが、そのための第一歩となれば嬉しい。」ロジャー・ムーア氏はそんなメッセージを残し、日本を後にしました。
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ロジャー・ムーア氏 : ユニセフ親善大使。英国のテレビ、映画、舞台俳優。1927年、ロンドンに生まれる。テレビ・シリーズ「セイント」のサイモン・テンプラー役でスターの座につく。その後、映画007シリーズの秘密諜報部員ジェームズ・ボンド役で世界的にその名を知られる。ロジャー・ムーアのユニセフへの協力は、1980年代初めにユニセフ米国国内委員会のためにラジオでユニセフカードの販売促進を支援したことから始まった。以後、引き続き、主として各国のユニセフ国内委員会の活動を支援し、1991年、ユニセフ映画芸術特別代表に任命され、子どもの権利のために闘うという新たな任務を与えられた。1998年、人道問題の分野での貢献を評価され、大英帝国三等勲位(CBE = Commander of the Order of the British Empire)を授与される。1999年、世界の子どものために果たした役割を認められて、ユニセフ親善大使に任命される。2002年5月には、ニューヨークの国連本部で開催された「国連子ども特別総会」に出席し、ヨード欠乏症に関する部会やその他の関連行事で主要な役割を果たした。
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