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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災復興支援 第229報
子どもたちが復興計画を発表
シンポジウム 『未来をつくる私がおとなに伝えたいこと』

【2014年3月27日 東京発】

3月27日(木)、シンポジウム「未来をつくる私がおとなに伝えたいこと〜子どもと築く復興まちづくり」がユニセフハウスで開催され、被災地の学校の子どもたちが、震災の体験から自分たちが学び、地域の復興のために考えたことを発表しました。

登壇した子どもたちは、宮城県仙台市と岩手県大槌町、福島県相馬市の3市の小学校の6年生。この発表に至るまで、それぞれの学校では、学年全体でいろんなアイディアを出し合い、何度も何度も練り直しました。

また、子どもたちの発表に先立って、日本ユニセフ協会「子どもにやさしい復興計画」支援アドバイザーである、竹中工務店の岡田慎氏、岡田暁子氏からの活動報告がありました。岡田氏は、「復興は、ゼロからのまちづくり。10年20年続くまちづくりです。新たなふるさとをつくり、そこで暮らしていくのは今の子どもたち。子どもたちも、復興の主役です」と力強く語られました。

個性が光ったそれぞれの発表

© 日本ユニセフ協会/2014
© 日本ユニセフ協会/2014

トップバッターで発表したのは、福島県相馬市立大野小学校のみなさん。相馬を盛り上げるためには相馬の良いところを知らなければ、と、まずはお手本として会津若松市の人たちと交流することから始め、相馬の事を考え、地域の伝統の野馬追や果物を活かしたクッキーやTシャツなどを作りました。また、今後いつ来るか分からない自然災害に備えて、遠い地域と姉妹都市になって助け合う、という提言もありました。

次に発表したのは、宮城県仙台市立七郷小学校のみなさん。復興住宅ができ、田んぼの用水路を地下に埋める計画が進むなど、大きく変わろうとしている七郷のまち。七郷小学校では、総合的な学習の時間を利用してまちの未来の姿を考え、模型模型を製作しました。「何を残して、何を新しくするかを決めるのが大変だった」という模型には、未来型の備蓄倉庫や太陽光発電、復興記念館など様々なアイディアが表現されていました。

最後は、岩手県大槌町立大槌小学校のみなさん。大槌小学校では未来の教室を考え、模型を作りました。4つの教室がボタン一つで回転する仕組みや、光を取り入れやすい大きな窓など、多くの工夫がなされています。子どもたちのアイディアの一部は、2016年に開校予定の新しい小中一貫校に実際に取り入れられる予定で、子どもたちは「完成を見るのがとても楽しみ」とわくわくした様子でした。

鋭い意見が飛び交ったパネルディスカッション

© 日本ユニセフ協会/2014

パネルディスカッションでは、各学校2人ずつステージに登壇し、山形大学の佐藤氏が進行役を務め、コメンテーターとして、日本プレイセラピー協会の本田氏、日本冒険遊び場づくり協会の天野氏も参加しました。お互いの取り組みの良いところを褒めあったり、震災を経験して思ったことなど、子どもの視点ならではの様々な意見が出されました。子どもたちからのメッセージで共通していたのは、自分から意見を言うことの大切さ、そして、家族や仲間と支えあっていくことで、困難も乗り越えられる、ということでした。また、本シンポジウムのテーマである『おとなに伝えたいこと』を問われた子どもたちは、「子どもは心が小さく、影響を受けやすい。だから小さな変化を見過ごさないでほしい」と訴える一方、「子どもには、夢も希望もあるのだから、もっと子どもを活用してほしい」と、今後の社会を背負っていく自分たちが、支援を受けるだけではなく、おとなと一緒に未来をつくっていこうとする姿勢に、会場からは大きな拍手が送られました。

復興への道、子どもたちも一緒に

© 日本ユニセフ協会/2014

ユニセフ東アジア太平洋地域事務所で緊急支援専門官として勤務する根本巳欧さんは、講評とまとめのなかで、発表した3校の取り組みは、まさに、ユニセフが防災への取り組みのキーワードとしている「子どものための防災」、「子どもと一緒に行う防災」を体現化した実例であると語りました。そして、子どもたちから発表された大人に対するメッセージを、「子どもたちからもらった宿題」として、地域や学校をサポートしていく手段に反映したい、と話されました。

また、会場となったホールの外では、子どもたちが作ったまちの模型やTシャツなどが展示されました。参加者の方々は、シンポジウム終了後、各校の展示をじっくりとみながら、子どもたちと話したり、熱心に質問をされていました。質問されたひとつひとつに一生懸命に答え、自分たちの制作物について説明する子どもたちの表情は生き生きとし、未来を背負っていくその瞳はきらきらと輝いていました。

第3回国連防災世界会議(2015年3月)へ向けて

© 日本ユニセフ協会/2014

来年3月、宮城県仙台市で第3回国連防災世界会議が開催されます。東日本大震災被災地の復興を世界に発信し、防災に関する日本の経験と知見を国際社会と共有する機会となるこの会議に向け、ユニセフは、子どもたちが"主役"の一人として位置付けられる“子ども参画”を、日本政府はじめ関係各方面に働きかけています。子どもたちの声を聴き、子どもたちから学ぶことで、社会を自然災害に"レジリエント(迅速かつしなやかな回復力のある)"にしていけると考えています。本シンポジウムでの子どもたちの発表は、東北の被災地のみならず、世界の復興と防災のあり方につながる大きな一歩となりました。

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3年レポート発表

この度、東日本大震災 緊急・復興支援活動3年レポートを発表いたしました。
日本ユニセフ協会が、東日本大震災発生直後の2011年の3月に開始し、様々な方々のご協力を頂きながら活動を続けているユニセフ東日本大震災緊急・復興支援活動。ユニセフが数十年にわたって蓄積してきた知見を最大限に用い、「緊急支援物資の提供」「保健・栄養」「教育」「心理社会的ケア(心のケア)」「子どもの保護」「子どもにやさしい復興計画」の6 つの分野での活動を続けてきました。

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