先生のための
ツールボックス
子どもは、なんで権利について学ぶ必要があるの?
子どもに、どのように権利について教える…?
授業で使える動画教材や指導案を集めました。
子どもに「権利」を教える前に
知っておいてほしいこと
教材リスト
- すべて
- 未就学児
- 小学生
- 中高生
- テーマソング
“こえ”のうた
「子どもの権利条約」の4つの原則の一つ、「子どもの声を聞くこと」をテーマにした歌です。
歌詞にでてくる“こえ”は、一人ひとりの気持ち、考え方、意見、そして権利のたとえです。
すべての人は生まれながらに“こえ”をもっていて、“こえ”はその人だけの、かけがえのないものです。
Song for the Voices
“こえ”のうた英語バージョン
作詞 アイラブみーのみんな
英訳詞 ジェフ・マニング
英訳詞監修 佐藤久美子
作曲 佐藤良成
うた みーとNHK東京児童合唱団
- “こえ”について
-
「子どもの権利条約」の4つの原則の一つ、
「子どもの声を聞くこと」をテーマにした歌です。歌詞にでてくる“こえ”は、一人ひとりの気持ち、考え方、意見、そして権利のたとえです。
すべての人は生まれながらに“こえ”をもっていて、
“こえ”はその人だけの、かけがえのないものです。一人ひとり“こえ”は違いますが、優劣はありません。
また、“こえ”の表し方は人それぞれで、そのどれもが大切にされるべきです。自分の“こえ”も、誰かの“こえ”も、みんな大切に。
ありのままの自分を大切に、ありのままの他者も大切に。 - 楽曲の目的
-
子どもたち一人ひとりが、「自分が権利をもつ存在だ」という喜びを感じながら歌ってほしい、という願いを込めて制作されました。
「子どもは、一人ひとりが生まれながらに権利をもっていること」
「すべての子どもは、ありのままの自分で受け入れられること」を歌を通して学んでいきます。
あたりまえ認定
NHKEテレ『アイラブみー』のキャラクター、みーとその友だちが
自分たちの思い出のビデオを振り返りながら、
自分たちにとっての「あたりまえ」を見つける物語です。
※「あたりまえ」は、一つの考えを強要したり、
当てはまらない人を差別する態度に繋げるものではありません。
- あたりまえ認定1
これってカワイイ?ヘン? - あたりまえ認定2
こころのアラーム - あたりまえ認定3
おもっててもいえないよ・・・
こんな時に
- ・異なる背景や意見があることへの理解が足りないとき
- ・自分の意見や感情を表すことをためらっている子どもがいるとき
- ・子どもが否定的な意見や反応に過敏になっているとき
- ・クラス替えの時期や、転校などを経験している子どもがいるとき
- ・子どもたちが互いの違いを認め、尊重できるようになってほしいとき
一人ひとりに価値がある
主人公のみーがいつも被っている帽子が“カワイイ”か“ヘンか”というエピソードを通して、感じ方が一人ひとり違うことはあたりまえであることに気づく物語です。「個性を価値あるものと感じ、尊重し合う大切さ」を子どもたちにわかりやすく伝えます。
- 動画をきっかけに、こんな権利についても考えてみよう!
- 差別の禁止
- アニメでは、みーのお気にいりの帽子(外見)に対してみーと友だちで反応が違いましたね。「感じ方が違うこと」と、「感じ方に優劣をつけてどれかに統一しようとすること」は違います。人と違うこと、それを認識することは差別ではありません。「同じでないといけない」と考えたり、思わせたりすることが、差別につながります。
- 意見を表す権利
- アニメでは、みーが自分の帽子に対する愛着と意見を友だちにプレゼンしています。子どもたちが意見を表すためには、「意見を聞いてもらえる」と感じられる環境があることが大切です。茶化したり馬鹿にしたりせず、意見の違いを伝え合うことは、自分と他者を知るきっかけになります。相手と自分の感覚が違うことを共有することで、親しい関係性が生まれることもあります。
- 思想・良心・宗教の自由
- アニメでは、好きだと感じられることを否定されることが、自尊心や自己認識にどう影響するかが描かれています。特に、“カワイイ”といった、理屈ではない「感じ方」や「嗜好性」について否定されることは、子どもたちの心に大きな負担をかけます。
こんな時に
- ・相手の嫌な気持ちを受け止められない子がいるとき
- ・周りや相手を気にしすぎたり我慢しすぎたりして、自分の思いを言えない子がいるとき
- ・こどもたちの間で触りっこ、見せあいっこのあそびが流行りだしたとき
- ・水泳学習前などプライベートパーツについて意識をさせたいとき
- ・スキンシップが多い子と苦手な子の間でトラブルが起きそうなとき
イヤなことから守られる
子どもたちがそれぞれ感じる感覚的なイヤなこと=「心のアラーム」に気がつき、一人ひとりに他の人とは違う「心のアラーム」があるのはあたりまえであることに気づく物語です。自分の「心のアラーム」を自覚することが、「イヤなことから守られる」ための一歩になることを伝えます。
- 動画をきっかけに、こんな権利についても考えてみよう!
- あらゆる暴力からの保護
- イヤなことから身を守るには、そもそも、「違和感」や「イヤな感じ」を感じ取れることが大事です。イヤだと思うことは人によって違います。一人ひとりがイヤだ、暴力だと思うことは何かを考え、子どもたちが、どのように自分たちを暴力から守れるか、考える機会にしてみてください。
- 性的搾取からの保護
- 体を触らせたり、見せたりしていいかを自分で決めることができる権利が、私たち全員にあります。自分がイヤだと感じなくても、他人の体を勝手に見たり触ったりしてはいけないものだ、と伝えてください。イヤだと思う子の気持ちを尊重しますが、イヤだと思わない子の気持ちを強く否定する必要はありません。子どもは体に興味があるものです。見せ合いっこが流行ることもありますが、プライベートパーツは体の内側につながり、命につながる場所なので、見たり触ったりするのは自分だけだよ、と伝えましょう。
- 意見を表す権利
- イヤだと思う場合は、はっきり言ってもいいことを伝えましょう。子どもが言いづらい場合には、心身を守るため、その場から離れてもいいことや、信頼できるおとなに伝えてもいいことも、言い添えてあげてください。おとなは、寄り添いながらそれぞれの子どもの気持ちを聞きましょう。
こんな時に
- ・集団の中で自分の気持ちや意見を出すことをためらっている子どもがいるとき
- ・意見が異なる時に、対立をうまく処理できずにいる子どもたちがいるとき
- ・自己主張が極端に強い、または弱い子どもたちがいるとき
- ・子どもたちに自分の意見や気持ちを自由に表現する勇気をもってほしいとき
意志の表明と尊重
友だちの気持ちをおもんぱかりすぎると、自分がつらくなることに気づき、その時に自分の思いを正直に伝えることは、あたりまえだと気づく物語です。「自分の気持ちを大切にすること」と、「他者の意見を尊重すること」が、ともに大切であることを伝えます。
- 動画をきっかけに、こんな権利についても考えてみよう!
- 意見を表す権利
- なかなか自分の感情や希望を伝えられないみーでしたが、最後には勇気を振りしぼって本当の気持ちを表すことができました。周りとは違う意見を表明しても受け止められる経験を重ねると、その集団の親密さは増し、建設的な話し合いができるようになっていきます。子どもたちが自由に意見を表すためには、「意見を聞き合える集団」になっていることが大切です。そのためには、意見や気持ちを伝えた時に、友だちに否定されたり、拒否されたりしない環境づくりが大事ですが、子ども同士だけでなく、おとなと子どもの関係性が鍵となります。子どもたちの思いに寄り添うべき場面で、子どもの気持ちを見過ごしていないか。例えば、食べたくないと意志を示している子を食べ切らせようとしたり、おとなの想定と違う子どもの意見を否定したり無視したりして、おとなの考えを強要していないか。おとなが日々、自らの行いの中で意識することが、子どもたちの権利への意識を育む、第一歩なのです。
- 経済的搾取・有害な労働からの保護
- みーの場合は、経済的搾取ではありませんが、自己の意志を抑えて、役をこなしています。「しょうがないことだ」と声をあげずにいる子どもには、無理強いされることなく公平な環境で活動できるよう守られていることを知らせてください。また、子どもたちの権利が守られる環境を整えるのが、おとなの責任です。
ジーン&ケーン
記者の「ジーン」と「ケーン」が
弁護士の大谷さんに、突撃インタビュー。
「子どもの権利」について、楽しく学びながら理解を深められる動画です。
みんなが尊重され大切にされる生活を築いていくためのヒントを提供しています。
こんな時に
- ・授業などで自己表現(意見発表)が苦手な児童・生徒がいるとき
- ・児童・生徒たちに自分たちがもつ権利について知り、
「多様性」や「共生」の意識をもってほしいとき - ・学級づくりやチームビルドなどの時期に
みんなが大切にされる毎日を
弁護士の大谷さんに、「子どもの権利条約」の基本概念、権利の具体例や条約の重要性について教えてもらいます。また、世界中で権利が守られていない子どもたちの状況を紹介し、条約がなぜ必要かを説明します。家庭や学校生活に関わる具体的な権利の例を通じて、みんなが大切にされる生活を送るために必要なことを学びます。
話し手
大谷美紀子(おおたに みきこ)
「子どもの権利条約」について学んだことがきっかけで、人権教育や国際人権法に関心を持つ。弁護士として、また、NGO活動を通して、子どもや女性、外国人の人権問題に取り組む。日本人初の「国連子どもの権利委員会」委員。
- こんな教科や時間に使って、権利について考えてみよう!
-
小学校
保健
心と体の安全について学ぶ際に
特別活動
子どもたちの話し合いを深めたいときに
いじめアンケート・人権教育の一環として
年度初めの学級目標づくりのときに
参考:「私たちの権利を大切にする学級目標づくり」
URL:https://www.unicef.or.jp/kodomo/cre/action/classcharter-hoya/総合的な学習の時間
テーマ設定や、探究学習の課題設定作成の際に
中学・高校
教科指導・特別活動
「人権」について触れたいときに
社会科(公民的分野)
人権・個人の尊重、さまざまな国際問題など
生徒会活動
プロジェクト型学習や学校単位の取組など