スタディツアー視察報告モンゴル スタディツアー報告 (2010年7月25日〜8月1日実施)1. はじめにモンゴルは、中国の北、ロシアの南に位置する内陸国です。面積は、日本の約4倍で157万平方キロメートル、人口は264万人で日本の約50分の1の国です。民族はハルハ族が70%以上、他にブリヤート族、カザフ族など15以上の少数民族から成ります。 国内は、1992年ソ連による社会主義体制下の一国を放棄し、市場経済に移行し順調な経済成長を遂げていますが、貧困率は高く経済成長の恩恵が社会的弱者にいきわたっているとはいえません。特に、地方格差の拡大により、伝統的な遊牧生活を捨て、都会へ出て来る遊牧民が増加し、その多くは過酷な生活を強いられています。最近では、2010年の雪害(ゾド)は甚大な被害をもたらし、多くの家畜が失われるなど、農村部や遊牧民は大きな経済的打撃を受けました。 その結果、農村地域に居住不可能となった人々がウランバートルに流れ、過去10年でウランバートルの人口の70%が農村部の出身となりました。移住してきた人々は市郊外に位置する山の斜面にゲルを建てます。この地区は「ゲル地区」と呼ばれ、上・下水道や道路などの基本的インフラが整備されておらず、住民は劣悪な生活環境で日々生活しています。ユニセフは、これらのゲル地区に住む人々の生活改善のために、様々な支援活動を実施しています。また、近年就学前の教育が重要視され、幼稚園教育に力が入れられています。ユニセフは、移動生活をする子どもたちの幼稚園教育の支援も重点としています。 2010年7月25日から26日までの8日間、日本ユニセフ協会学校事業部主催のスタディツアーで、ユニセフの支援事業を視察するため全国の先生方とモンゴルを訪れました。
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