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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

教育の機会奪う 早すぎる結婚
<ニジェール>

サディは今15歳。しかし、彼女にはすでに1歳2ヶ月の子どもがいます。13歳の時、サディは顔も名前も知らない、かなり年上の男性と結婚させられました。サディは夫から逃れるため、毎晩部屋を抜け出して森に隠れようとしました。でも、その度に夫の友達に見つかって家に連れ戻されました。サディの夫は彼女を所有物とみなしているため、逃げることは許さないのです。サディは決して特別なケースではありません。「私の友達も13歳か14歳で学校をやめて結婚したわ。私の一番下の妹も、結婚した時はまだ12歳だった」とサディは言います。

アルジェリアの南に位置するニジェールは、同じアフリカのシェラレオネに次いで世界で最も貧しい国の一つです。ユニセフの統計によると、子ども1000人あたり280人が5歳になる前に死亡し、母親1000人のうち12人が出産時に死亡しています。また人口900万人のうち、文字の読み書きのできる人はたった10%にすぎません。そして84%の少女が15歳以前に結婚し、50%の少女が16歳になる前に第一子を出産しています。

サディのような早すぎる結婚は、少女から教育の機会を奪うことになります。また、あまりにも低年齢での出産は、出産時に妊婦が死亡したり、低体重児が生まれたりする危険性が高くなります。

そこでユニセフは1999年12月から、オーストラリア国際開発庁と共同で、ニジェールの少女の結婚平均年齢を上げることによって少女たちが教育を受けられるようにすることを目的としたプロジェクトを行っています。第一歩として、それぞれの地域の指導者や宗教的なリーダーなどに地元の人々を集めてもらい、少女の低年齢結婚とその影響について、劇や歌、スピーチなどで説明しました。

その模様はラジオで全国に放送され、後日編集されたビデオは一般の人だけでなく、政府の政策決定者にも配布されました。今年4月には、ニジェールの指導者とユニセフが、少女の低年齢結婚の慣習を変えるためにあらゆるコミュニケーション手段を使った啓蒙活動を行うことに合意し、指導者220人とユニセフが、覚書に署名しました。

ニジェールの少女たちが標準的な教育を受け、かつ健康を保つことができるよう、ユニセフはさらに活動を発展させる予定です。サディのような少女をこれ以上増やさないためにも。

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