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HOME > 特集:ユニセフinアフリカ > ユニセフ in アフリカ "Vibrant Africa" -元気なアフリカを目指して- |
アフリカ・・・みなさんは、どんなイメージを持たれるでしょう?
野生の王国、豊かな自然、広大な砂漠、躍動感溢れる音楽・リズム?それとも、飢餓、紛争、エイズといった、深刻な表情でしょうか?
確かに、長年にわたり、紛争が「日常」になっている国があります。ごく最近まで続いた紛争が残した傷跡に苦しめられている国も少なくありません。エイズ問題も深刻です。人口の3人に1人がHIV陽性という国も存在します。30秒に一人子どもの命を奪うマラリアが、一番猛威を振るっているのもアフリカです。こうした現状を受け、ユニセフも、世界に300以上ある現地事務所や1万人をこえる職員、そして年間予算の4割を、この大陸での支援活動に充てています。
しかし、アフリカの子どもたちの本当の「現実」、そして「未来」は、必ずしも悲観させられるものばかりではありません。
例えば「子どもの死亡率」。
4年前までアフリカの子どもの死亡の最大の原因だったマラリア。ユニセフなどの活動により、殺虫剤で処理された蚊帳を普及するなどの活動が大きな成果を生み、現在では、3番目(死亡原因の約17%)にまで改善されました。ケニアの3つの村で実施した試験的なプロジェクトでは、先述の蚊帳の配布によって、子どもの死亡率が50%近く改善されたと報告されています。死亡原因の第2位だった「はしか(麻疹)」も、この4年間で、死亡率が75%改善されました。コミュニティーの中で、非常に基本的な包括的保健サービスが提供されるようになったからです。アフリカ南部の国マラウイ。ユニセフは、コミュニティーで働く保健スタッフ1万人を養成しました。この結果、当初2025年に達成することを目標としていた5歳未満の子どもの死亡率の低減目標値が、2015年までに達成される見込みとなりました。同じようなことが、南部の島国マダガスカルなどでも起きています。
エイズ問題にもまた、「トンネルの出口」に「光」が見え始めています。
かつては増えるばかりであったHIV/エイズ患者の数。サハラ以南の国々を総体的に見た時、5つの国を除き、2000年にピークに達し、その後減少の傾向を見せています。2000年から一昨年にかけ、ケニアでは19%から6%に、ウガンダでは17%から7%に、タンザニアでは14%から8%にそれぞれ感染率が大きく下がっています。こうした減少を実現させた活動の一つは、母子感染予防サービス(PMTCT)の普及でした。全ての妊婦に対するエイズ検査が実施されれば、母子感染をコンマ数%に近い確率まで防ぐことができるのです。さらに、子ども向けの抗レトロウイルス治療薬が開発され普及が始まったことも、非常に大きな前進です。ユニセフなどによる支援活動の大きな壁であった「偏見」や「差別」といった問題も克服されつつあります。多くの人々がエイズ問題を語ることができるようになり、若者たちが、エイズのリスクから、自分やパートナーを守る術を身に付けやすくなってきているのです。
こうした「成果」を生んでいるもの。それは、アフリカの人々自身のやる気であり、ほかでもない、みなさまの日頃からの温かいご支援が、アフリカの人々のやる気を後押しして下さっているのです。
先月、横浜で開催された「第4回 アフリカ開発会議(TICAD-IV)」。
1993年の第1回から5年に1回開かれてきたTICAD。4回目となる今年のテーマは、「“Vibrant Africa”−元気なアフリカを目指して」。
ユニセフは今回のTICAD-IVで議論された包括的なアフリカの開発問題の中で、引き続きこの大陸の「今」と「未来」である子どもたちの問題に焦点が当てられるよう、国際社会に訴えてまいります。