日本ユニセフ協会TOP > ユニセフ・シアター・シリーズ「子どもたちの世界」『コルチャック先生』上映会先着130名様をご招待
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日本ユニセフ協会は、10月26日(土)午後、映画『コルチャック先生』の無料上映会を、東京都港区のユニセフハウスで開催いたします。この上映会に、お申込み先着順で130名様をご招待いたします。
子どもの権利条約が国連で採択されてから30年を迎える今年、日本ユニセフ協会は「子ども」を主題にした映画13作品を5月~12月にかけて連続上映する、ユニセフ・シアター・シリーズ「子どもたちの世界」と題したイベントを開催しています。今回はその第10回目となります。
『コルチャック先生』は、第二次世界大戦中、子どもたちを守ることにその生命をささげたユダヤ人医師であり、「子どもの権利条約の父」とも呼ばれるヤヌシュ・コルチャックの半生を描いたヒューマン・ドラマです。
ご参加をご希望される方は、下記フォームよりお申込下さい。
※上映後は、ゲストによるトークイベントを予定しています。
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コルチャック先生
写真提供:日本ヤヌシュ・コルチャック協会
ヤヌシュ・コルチャック先生(1878年-1942年)をご存じでしょうか。小児科医で児童文学作家、そして孤児院の院長として生涯を子どものために捧げたポーランドのユダヤ人です。1911年ごろからワルシャワに2つの孤児院を作り、子どもの自主性を尊重する革新的な教育を行いました。その実践は30年もの間続けられました。
1942年、ユダヤ人絶滅政策が決定され、ガス室への移送が始まります。コルチャック先生と孤児たちはトレブリンカ強制収容所へ送られることになりました。そこは収容所とは名ばかりの「処刑場」。コルチャック先生と孤児たちを乗せた貨物列車が動き出そうとした時、一人の兵士が、
「先生、今、特赦の知らせが届いたから、列車から降りて良い」
教育者としてその功績が認められ、強制収容所送りを免除されたのです。しかし、先生は兵士に向かって、
「では、子どもたちを先に降ろしてくれ」
兵士からは、「子どもはダメだ。先生だけだ」との言葉が返ってきました。コルチャック先生は、貨物列車から降りませんでした。兵士の再三にわたる勧めに、頑として「子どもが先」そう言い続けたといいます。その後、コルチャック先生と200人の子どもたちはトレブリンカ強制収容所のガス室で亡くなりました。1942年8月のことでした。
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コルチャック先生が残した数々の子どもに対する考え方は、ポーランド政府が草案を提出した「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」(1989年国連採択、1994年日本批准)にも強い影響を与えたといわれています。コルチャック先生は、次のようなことばを残しています。
子どもは、だんだんと人間になるのではなく、すでに人間である。
彼らの理性に向かって話しかければ、我々のそれに応えることもできるし、
心に向かって話しかければ、我々を感じとってもくれる。
子どもは、その魂において、
我々がもっているところのあらゆる思考や感覚をもつ才能ある人間なのである。
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2007.11.20.ワルシャワで開催されたヨーロッパ議会コルチャックレクチャーでの講演より
「・・・ヤヌシュ・コルチャックは、子どももまた人権をもっているとした、そうした思想の父である。彼の思想は、国連子どもの権利条約の起草にあたって深いインパクトを与えていた。この条約を練り上げるのに十年以上にわたって参加した我々のうちの何人かは、彼の子ども観(vision)、すなわち、子どもは一個の主体であり、単に大人に依存する客体なのではないとの考えに鼓舞させられていたのである」
“ポーランドにおける子どもの権利条約” (ヤドヴィガ・ヴイルチンスカ編『子どもの権利』クラコフ1999年、所収)より
「1918-1939年のポーランドにおいて次のような子ども期に関する今日的な概念がすでに形成されていた。 子どもは、自分の必要と利害そして権利を有する自立的な人間なのであり、単に保護や配慮の客体であるだけではなく、尊重されて当然のその利害や権利をもつ主体なのである。この概念はまた、次のことをも承認するものであった。 子どもは、その発達の確かな段階において、自らの見解を形成し表明する力をすでにもっており、また、その見解は当然考慮されてしかるべきものだということである。 子ども期に関するこの新しい概念の表明の中心的人物が、医者であり作家であり哲学者でありそして教育者であったヤヌシュ・コルチャック博士である。・・・」
©Zigler Film
監督:アンジェイ・ワイダ
1990年 /118 分/ポーランド・西ドイツ・フランス合作/モノクロ
発売元: マーメイドフィルム
NPO法人ホロコースト教育資料センター(愛称Kokoro)代表。ホロコースト(第二次世界大戦のユダヤ人虐殺)の歴史を教材として、子どもたちに命や人権を尊ぶ心、他者への寛容な心を育んでほしいと願い、1000を超える学校で訪問授業を行う。40ヶ国で出版されている『ハンナのかばん』の登場人物・訳者。NPOの活動に対して、カナダのヨーク大学より名誉博士号、米国ワシントン大学より特別功労賞が授与される。2016年、国連で教育活動について発表。愛知教育大学非常勤講師。
日時 | 2019年10月26日(土) 14:00−17:00 (13:30開場) |
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会場 |
ユニセフハウス (東京都港区高輪4-6-12) 1階ホール 最寄り駅 JR 品川駅西口(高輪口)より徒歩約 7 分 都営浅草線 高輪台駅より 徒歩約 7 分 アクセス |
主催 | (公財)日本ユニセフ協会 |
定員 | 先着130名 ※入場無料 (1回のご応募につき、お申込は2人まで)。 |
応募方法 | 下記「お申込情報」より、WEBフォームにてご応募ください。尚、応募が130名様に達した時点で、「受付終了」とさせて頂きます。 |
備考 | ※ 先着順に受付いたします。定員に達した場合は、募集を打ち切ります。 ※ 本上映会は、報道機関による取材・撮影ならびに当協会の記録撮影が予定されております。予めご了承ください。 ※ 会場となるユニセフハウス1Fホールは、多目的ホールであり、スクリーンサイズや音響等、設備等通常の映画館とは異なります。予めご了承ください。 ※ 本編上映開始後はお申込済みの方でも途中入場をお断りする場合がございます。お時間には余裕をもってご来場いただきますようお願いいたします。 ※ 個人情報の取り扱いについてはこちらをご覧ください。 |