エボラ出血熱緊急募金 エボラ出血熱感染の脅威と隣り合わせで生きる290万人の幼い子どもたち

エボラ出血熱の状況

今回のエボラ出血熱は
西アフリカで初めての流行。
国際社会から見ても史上最も被害が大きい流行です
エボラ出血熱の感染・流行が
報告されている国は
リベリア・ギニア・シエラレオネなど
リベリア、シエラレオネ、ギニアでは
エボラ出血熱の影響で30,000人近くの子どもたちが孤児となりました。
これまでに確認された感染者数は
28,000人以上
適切な処置がなされない場合、
致死率は90%にまでのぼることも
あります
(2016年1月17日時点)

これまでに確認されたエボラ出血熱の国別状況
(2016年1月17日時点)

感染者数 死亡者数
ギニア 3,804 2,536
リベリア 10,675 4,809
シエラレオネ 14,123 3,956
周辺国・他 36 15
合計 28,638 11,316

エボラ出血熱、終息宣言!

©UNICEFGuinea/2015/Gutcher
遊び支援に参加して笑顔を見せるエボラから回復したアッサちゃん(4歳)。ユニセフはレクリエーション活動を通して、子どもたちの地域への再統合や心のケアを実施。

2014年3月からリベリア、シエラレオネ、ギニアを中心に、西アフリカだけでなく世界中で猛威をふるったエボラ出血熱。エボラの流行が始まって以降2年以上の間に、2万8,637人が感染し、そのうち4,767人が子どもでした。そして、死亡者1万1,315人のうち、3,508人が子どもであり、死亡者の4分の1を占めています。

2016年1月14日、みなさまからお寄せいただいたあたたかい浄財によって、エボラ出血熱流行3カ国(リベリア、シエラレオネ、ギニア)では終息宣言を迎えることができました。また、エボラ出血熱予防で得た手洗いの習慣や衛生的な生活指導は、マラリア、下痢、肺炎などの感染症を防ぐ意味でも、大きな成果を残すことができました。
エボラ出血熱流行の主要3カ国での終息宣言を受け、日本ユニセフ協会は、2014年3月よりご支援をいただいておりました、エボラ出血熱緊急募金の受付を、2016年1月31日(日)をもって終了させていただくこととなりました。これまでの皆様の温かいご支援に心より感謝申し上げます。

また、3カ国でエボラから生還した1,260人以上の子どもたちには、コミュニティに戻ってからも多くの課題が待ち受けており、医療の面でも社会生活の面でも困難に直面しています。
また、ギニア、リベリア、シエラレオネでは、2万3,000人ちかい子どもたちが片親もしくは両親を亡くしました。それらの子どもたちにとっては、今日をもってエボラの影響が終わるということはありません。ユニセフは、緊急募金活動終了後も、エボラが流行し始めた当初より引き続き、必要とされた支援物資や水と衛生支援の提供、コミュニティでの啓発活動のための人員配置、エボラで孤児となったり影響を受けたりした子どもたちへの支援、そして、子どもたちが教育を続けるための支援活動などを続けていきます。コミュニティの人々が自ら先頭に立って行動できるよう、ユニセフはパートナーと共に、コミュニティを基盤としたネットワーク構築に取り組んでいきます。

ユニセフの取り組み

みなさまからの暖かいお力添えによってユニセフは、水と衛生、保健、栄養、教育、子どもの保護や開発のためのコミュニケーションなど、
エボラ出血熱の緊急下で子どもが直面する様々な課題に取り組むことができました。

ここに、一部ですが、活動の内容を紹介いたします。

  これまでに支援を提供した人数
項目 リベリア シエラレオネ ギニア
感染
エボラ出血熱によって保護者を失った子どもたち   8,624  
開発のためのコミュニケーション
エボラ出血熱の予防に関するメッセージの提供 771,444 532,000 -
エボラ出血熱の確認後24時間以内に社会福祉員、もしくは、迅速対応チームによって支援を受けた最も感染が多い地域 0 100% -
水と衛生
必要な水と衛生サービスを提供したエボラ出血熱の影響を受けた地域住民、治療センター 14 52 -
水と衛生サービスを提供した地域ケアセンター   46 -
手洗い場と水と衛生支援を実施したエボラ出血熱の影響を受けた、エボラ出血熱専門ではない保健センター 270 1,162 152
エボラ出血熱の影響を受けた地域で、家庭で水と衛生キットの支援を受けた人 450,000 420,000 25,377,728
設置/修繕された給水所の支援を受けた人 -   141,200
子どもの保護
必要最低限の心理社会支援(PSS)サービスを受けた子ども 122,213 25,000 135,550
エボラ出血熱によって片親、もしくは両親を失った子どもで、家族との再会や親戚を基本とする代替ケアの提供など、必要な支援を受けた子ども 5,695 2,000 6,051
保健
エボラ出血熱の感染、予防、管理に必要な支援を受けたエボラ出血熱の影響を受けた地域の医療機関 270 1,185 -
エボラ出血熱の感染予防、ケアについて研修を受けた地域保健員 650 6,000 1,650
はしかの予防接種キャンペーン中にはしかの予防接種を受けた生後6-59ヶ月の子ども - 1,240,601 95% -
HIV/エイズ
母子感染予防のため抗レトロウィルス剤を投与された妊娠中、授乳中のHIV陽性の女性 - 1,142 4,723
母子感染予防のために抗レトロウィルス剤を提供された新生児 - 900 1,652
抗レトロウィルス剤を提供された15歳未満のHIV陽性の子ども - 539 -
栄養
栄養支援を受けたエボラ出血熱患者 994 3,200 -
治療のために登録された、重度の急性栄養不良の子ども 10,352 20,126 7,869
母乳育児を受けることが出来ず、すぐ口にできる補完食を提供された生後0-6ヶ月の子ども 38 300 -
教育
緊急下での教育プログラムを放送したラジオ局   41 20
社会心理サポートを提供するために研修を受けた教師 6,163 19,000 11,285
エボラ出血熱の予防に関して研修を受けた教師 5,995 60,000 -

エボラ出血熱の予防のための基本的な衛生パッケージを受け取った学校
4,619 2,083 -
緊急下での教育サービスの利用を受けた子ども - 8,900 -
基本的な衛生パッケージが設備された学校に就学した子ども 1,196,010 416,600 -
教育キットの配布の支援を受けた学校に就学した子ども 378,381 - -

ご支援くださった皆さまへ

ユニセフ・リベリア事務所代表 
シェリドン・イェット(中央)

「エボラ出血熱で影響を受けた子どもたちのために、あたたかいご支援をお寄せくださったみなさまに、心より感謝申し上げます。この17カ月間、子どもたちやその家族は、恐ろしい日々を過ごしました。エボラが蔓延する以前でさえも、リベリアの子どもたちは、質の高い保健や教育、社会サービスに十分にアクセスできていませんでした。私たちは今、これまで以上に厳しい状況を乗り越えなければなりません。ユニセフは引き続き、コミュニティレベルにおける教育や保健、その他サービスへのアクセスの改善に焦点をあてて、はしかや百日咳、エボラなどの脅威にリベリアが将来直面したときのために、最善の備えを確保することに焦点をあてています。みなさまのお力添えで、多くの子どもたちをエボラの脅威から守り、地域が一丸となって、エボラに立ち向かうことができました。みなさまのご支援に、深く御礼申し上げます。

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