世界のともだち

スタディツアー視察報告

モンゴル  スタディツアー報告  (2008年7月20日〜26日実施)

6. 子ども保護委員会
子ども保護委員会が入っている建物

2006年、ユニセフの支援により、ウランバートル市バヤンゴル地区とバガヌールに「子ども保護委員会」が設立されました。罪を犯した少年・少女が、裁判所で決められた期間(6ケ月〜2年間)、学校に通いながら「子ども保護委員会」に週2回通い、更正を目指します。以前は、裁判前に拘置所に留め置くこともありましたが、子どもの権利重視の立場から政府関係機関などの努力により、改善されつつあります。家庭・学校との連携のもと、コミュニティのなかで青少年の更正に向けた取組みが行われています。

バヤンゴル地区の「子ども保護委員会」では、十数名の16〜18歳の青年が映画を見ながらの話し合いを終えたところを訪問しました。罪を犯したとは思えないような素直な表情に、関係者の努力が実を結んでいることを感じました。「将来の夢は?」の質問に対して、「彫刻家」「馬頭琴の奏者」「建築家」など、明るく語ってくれました。将来の夢が馬頭琴奏者である青年が奏でる音色は、心の奥深くに届く最高のプレゼントでした。

将来の夢を語る青年たち
馬頭琴を演奏する青年
活動を進める子どもリーダー

隣の部屋では、少女たちがビーズで様々なアクセサリーを作っていました。バガヌールの「子ども保護委員会」では、子ども参加の活動を視察しました。一度罪を犯した少年が二度と同じ過ちを犯さないように、遊びの要素を取り入れての教育をしているとのことでした。2人一組のゲームは、お互いの信頼関係を取り戻させていきます。活動は、資格を取った子どもがリーダーとなり、ほかの子どもに伝えていく方法も採用しています。ユニセフでは、ピアエジュケーション(次から次に伝えていく)ことを重視しているとのことです。「子ども保護委員会」は、まさに子どもの権利が活かされた施設でした。

ビーズ手芸をするバヤンゴル地区の少女
バガヌールのビーズ手芸教室

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日本ユニセフ協会