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イエメン:先生と子どもたちが空ばくのぎせいに

2015年8月19日ニューヨーク発


© UNICEF Yemen/2015/Abdullah Faraj
「後ろにある場所は、よく学校の行き帰りにみんながあいさつしてくれた場所。昔はよく行ったんだ。でも、今は何もかもなくなってしまいました。残っているのは、思い出だけ。お願いだから、紛争を止めてください」と語る、13さいの男の子。

イエメンでは、国内や国外の多くのもんだいがもつれ合い、長いあいだ紛争が続いています。
そんななか、8月18日の夜にアムランで先生たちのしごと場が空ばくにあい、子どもたちのために献身的(けんしんてき)に活動する先生たちと、その子どもたちがぎせいになってしまいました。

ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、このことをうけて次のように声明(せいめい)を発表しました。

ユニセフ事務局長による声明

8月18日の夜、サヌアから少し北のアムランの町で先生たちのしごと場が空ばくにあい、13人の教師とその子ども4人が、イエメンで続く紛争のもっともいたましいぎせいしゃとなってしまいました。そして、子ども1人をふくむ20人がけがをしました。

先生たちはこのようなむごい紛争で学年を修了(しゅうりょう)できなかった何千人もの子どもたちのために、しけんの用意をしようと集まっていたところでした。しごとが終わったあと子どもたちをつれて集まり、外で遊ばせたりしながら作業をしているときに、ばくだんが落とされたのです。他の人のためにせいいっぱいはたらいていた活動が、いっしゅんにして、血の流れるいたましい事件(じけん)になってしまいました。

また、このできごとは世界人道デー(せかいじんどうでー)の前夜に起こりました。これは人道的(じんどうてき)な活動をする人々の力をつくした行いと、かれらがはたらく神聖(しんせい)な場所を守るための「世界人道デー」の意味をふみにじるものです。

紛争のぎせいになる子どもたち

イエメンでは今年3月に戦いがはげしくなってから、毎日平均(へいきん)8人の子どもが命をおとしたりけがをしたりしています。紛争は、いま子どもたちがあぶないだけでなく、国のみらいも暗くしてしまいます。ユニセフは今年のおわりまでに180万人の子どもが栄養不良(えいようふりょう)になり、1,500万人以上がほけんケアを受けられず、学校が閉められて180万人の子どもがべんきょうできなくなり、きれいな水やせいけつな施設(しせつ)を使うのがむずかしい人は2,000万人以上になるとよそうしています。

どんなりゆうであっても、紛争によって子どもたちがぎせいになってもよい国や社会があるはずがありません。

しかし世界じゅうで、イエメンやナイジェリアだけでなく、シリアやスーダン、南スーダン、イラク、ウクライナ、ソマリア、中央アフリカ共和国(きょうわこく)、また、紛争によって分断されたその他の国々でも、あらゆる世代(せだい)の子どもたちがぎせいとなっています。

この世界人道デーを、自分たちはじめたわけではないむごい紛争のぎせいになった子どもたちや、子どもたちのために尽くして命をおとした人々を悲しむ、さいごの日としなければなりません。

■このニュースの詳しい内容は
 イエメン紛争 ユニセフ事務局長声明 教師と子どもたちが空爆の犠牲に 献身的な活動を踏みにじる戦闘を強く非難

公益財団法人 日本ユニセフ協会