【2016年3月15日 ハラレ(ジンバブエ)発】
ジンバブエでは栄養不良児の割合が15年間で最悪レベルとなっており、3万3,000人近くの子どもたちが重度の急性栄養不良に対する治療を緊急に必要としています。エルニーニョ現象に伴う干ばつが同国の大部分に広がるにつれて、飢餓に苦しむ家族の数は過去8カ月で倍増しました。
© UNICEF Zimbabwe |
「子どもたちは今回の危機の猛威に耐えています」とユニセフ(国連児童基金)ジンバブエ事務所代表代理のジェーン・ムイタは話します。「このような水準の栄養不良は15年以上も見たことがありません。政府も対応に全力を尽くしていますが、この危機が手に負えなくなるのを防ぐため、さらに多くの支援が必要です」
ユニセフによると、雨不足の季節が2度続いたことで農作物の収穫や食糧の備蓄が減り、飢餓や栄養不良が増加。水源は枯渇し、多くの家畜を死に至らしめています。
先月発表されたジンバブエの脆弱性評価調査によると、ジンバブエの農村部に暮らす280万人近くの人々(農村部人口の30パーセント)が食糧支援を必要とする見込みで、そのうち140万人が18歳以下の子どもたちです。調査によると、家庭に対する干ばつの影響は特に甚大で、子どもたちは以下のような悪影響を受けています。
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飢餓状態に直面している世帯の割合は、2015年5月の16パーセントから、2016年1月の37パーセントまで2倍以上に増加しました。
ユニセフは、2016年のジンバブエの子どもたちへの人道支援の資金として、2,100万米ドルの支援を要請しています。追加的な財源がなければ、ユニセフは栄養や保健、水と衛生、HIV/エイズ、教育、子どもの保護における、子どもたちの人道支援要請への対応を継続することができなくなります。ユニセフの取り組みは、厳しく不利な状況に置かれた女性や子どもたちが今回の危機に耐え、対応し、回復するための支援に力を尽くします。
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