【2016年5月16日 ブリュッセル/ニューヨーク発】
欧州連合(EU)とユニセフ(国連児童基金)は本日、緊急事態の影響を受ける子どもたちに対する教育の重要性を強調するため、「#EmergencyLessons」キャンペーンを開始しました。
© UNICEF/UN018817/Zaidi |
ソーシャルメディア主導で行われるこの啓発キャンペーンは、欧州で暮らす2,000万の人々、特にギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、スロベニア、スロバキア、英国の25歳以下の若者にリーチすることを目指しており、緊急時下で教育を受けられない何百万人もの子どもや若者たちに代わって、声を挙げようと呼びかけます。
このキャンペーンでは、ギニア、イラク、ネパール、ウクライナなどの緊急事態下にある国々で生きる子どもたちの実際の体験を発信していきます。教育を受けるために、途方もない努力をする子どもたち一人ひとりのストーリーは、なぜ子どもたちが学び続けられるのか、学び続けなければならないのかを、私たちに伝えます。これから7カ月の間、子どもたちのストーリーは、ソーシャルメディア上でハッシュタグ「#EmergencyLessons」をつけて投稿され、ヨーロッパの人々の間でこの問題に対する関心や理解、支援を促進します。
© UNICEF/UNI131358/Malkawi |
ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは、「今日の生活や将来のために教育がどれほど重要かを、誰よりもよく分かっているのは若者たちです。明日は今日の学びによって決まる、ということを、彼らよりも分かっている人がいるでしょうか。よりよい世界を築くために必要となるスキルを提供するよう、今日の若者たち以上に世界に強く訴えられる人がいるでしょうか。彼らの未来、そして私たち皆の未来が、ここにかかっているのです」と述べています。
© UNICEF/UN019106/Rich |
世界の学齢期の子どもたち、4人に1人近くに相応する4億6,200万人が、危機下にある35カ国で暮らしています。このうち推計7,500万人の子どもたちは、教育支援を切実に必要としています。
教育の機会の喪失が子どもたち自身や社会に与える影響の他にも、学校へ通えない子どもたちは、虐待や搾取、武装グループによる徴用に対して、より脆弱な立場に置かれます。学校は、子どもたちがこれらの脅威から保護され、安全を提供される場でもあるのです。
本キャンペーンでは、学校に行くことのその他の利点についても示しています。友だちができること、トラウマを抱える子どもたちをサポートする先生がいること、授業に出席するという日常の中で安定が得られることなどです。
© UNICEF/UN019136/Zaidi |
「ここ欧州では、学校へ通うことは当たり前に捉えられ、学校が子どもたちの生活においていかに重要な部分を占めているかを忘れがちです。周囲のすべての物事が崩壊していく状況においては、特にそうです」と、欧州委員会人道援助・危機管理局のクリストス・スティリアニデスは述べています。
「緊急事態下では、食糧や水、ワクチン、避難所と同じくらい、教育の機会が重要になります。このキャンペーンが、欧州の人々にそのことをよりよく理解してもらう手助けになればと期待しています」
「#EmergencyLessons」には、イタリア人宇宙飛行士サマンサ・クリストフォレッティさん、スロベニアのプロバスケットボール選手ボスジャン・ナックバーさんなど、多くの著名人も支援を表明してくださっています。
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■欧州委員会人道援助・市民保護総局(European Commission's Humanitarian Aid and Civil Protection department :ECHO)について
欧州委員会人道援助・市民保護総局 (ECHO)は、世界中の自然災害や紛争の被災者/被害者に対する人道支援と市民保護を行う欧州連合(EU)の欧州委員会の部署。
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