【2016年10月17日 東京発】
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10月17日は、国連が定めた「貧困撲滅のための国際デー」です。国際デーを前に、今月3日、ユニセフ(国連児童基金)と世界銀行グループは、途上国では極度の貧困(1日平均1.90米ドル未満)の中で暮らしている子どもの割合が19.5%で、おとな(9.2%)の2倍であること、途上国全体で約3億8,500万人の子どもたちがそのような状態にあること(2013年)等の分析結果を発表し、子どもの貧困削減に優先的に取り組むことの重要性を訴えました。
子どもの貧困は、子ども自身の心身の発達等に生涯にわたる影響を及ぼす可能性があるだけでなく、次の世代にも連鎖し、社会全体にも影響することが指摘されています。昨年9月に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、2030年までに、地球上から極度の貧困をなくすことに加えて、各国の定義による子どもの貧困を半減することも目標に掲げられました。後者は、日本など先進国にも密接に関わる課題です。
© UNICEF/UN016303/Gilbertson VII |
私たちの暮らす日本に、極度の貧困(絶対的貧困)状態にある子どもはいないとしても、6人にひとりとされる、相対的貧困状態にある子どもたちがいます。そのような子どもたちは、経済面だけではなく、健康、教育など様々な面で影響を受け、機会を奪われているのです。このような状況を受け、子どもの貧困対策法、子どもの貧困対策大綱に基づく取り組みが、今まさに進められています。SDGsの下、日本の子どもの貧困削減は、国際社会の共通目標としても、重要性を増しているのです。
国際デーに先立ち、12日、日本ユニセフ協会は、首都大学東京・阿部彩教授をお招きし、講演会「ユニセフ報告書が示す日本の子どもの貧困」を開催しました。阿部教授には、ユニセフ・イノチェンティ研究所が発表する、先進国の子どもの状況を比較する報告書「レポートカード」シリーズの作成に、日本のデータの提供など、多大な協力をいただいています。講演会の様子につきましては、追ってホームページでご紹介させていただきます。
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