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日本ユニセフ協会
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ロヒンギャ難民危機/バングラデシュ
ミャンマーでの暴力開始から2カ月
深刻な危険に晒されるロヒンギャの子どもたち 膨れ上がる難民の数とニーズに人道支援追いつかず
ユニセフ、資金不足訴える

【2017年10月23日  ニューヨーク/ジュネーブ/ダッカ(バングラデシュ)発】

ミャンマーからバングラデシュに大勢のロヒンギャの家族が逃れ始めてから2カ月近く経つものの、いまだに何千人もの子どもと女性が生きるために必要な基本的サービスを受けられていないと、本日ユニセフ(国連児童基金)は発表しました。

深刻な危険に晒される子どもたち

On 17 October 2017, a 10 year-old boy lies sleeping on the edge of a rice paddy as others move toward the village of Palong Khali in Bangladesh. Between 10000 and 15000 newly arrived Rohingya refugees fleeing Myanmar crossed into Bangladesh, and are stuck in Palong Khali in Cox’s Bazar district approximately 2 kms from the border with Myanmar. Thousands of people are queuing up on pedestrian road in the midst of paddy fields and waterbodies in a queue approximately 1 km long. Thousands among them are children. People making long journeys by walking and crossing the river are in desperate condition. They are exhausted, dehydrated, hungry and are urgently in need of water. People are getting sick due to dehydration, while lots are also traumatized. Some children have been separated from their families during their journey.  UNICEF has mobilized resources for the newly arrived Rohingyas. Two water trucks carrying 6000 litres of water and 2000 jerrycans are on the site for distribution. Distribution started this morning by boat to the refugees located near the border area. Another 20,000 bottles of water each containing 1.5 litre are on the way from Chittagong. UNICEF is prepositioning two mobile child friendly spaces at the site for assessment and family tracing and reunification. UNICEF also plans to mobilize immunization and nutrition screening for this new influx. Two UNICEF nutrition and health teams are currently on the ground. As of 15 October 2017, at least 795,000 Rohingyas are estimated to be sheltering in Bangladesh, having fled violence and persecution in Myanmar. Violence which began on 25 August has triggered a massive and swift refugee influx across the border - an estimated 582,000 people have arrived. These refugees have joined some 213,000 people who were already in Bangladesh following earlier waves of displacement.  The Rohingya population in Cox’s Bazar is highly vulnerable, many having experienced severe trauma, and are now living in extreme

© UNICEF/UN0137004/LeMoyne

疲れて道端で眠る10歳の男の子。(2017年10月17日撮影)

ユニセフは、深刻な資金不足が続く危機への支援を募るために各国政府と人道支援諸機関がジュネーブで会する支援国会合に合わせて、この警鐘を鳴らしています。

「ロヒンギャ難民危機は、治まる気配がありません」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデル(Edouard Beigbeder)は述べました。「難民たちと彼らを受け入れているコミュニティのニーズは、私たちの支援能力をはるかに超えて急増しています。私たちには今すぐ更なる資金が必要です」

コックス・バザールでは、今回ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民、以前から難民としてこの地に身を寄せる人々、および彼らを受け入れているバングラデシュの脆弱なコミュニティに暮らす人々、合わせて120万人近くが人道支援を必要としています。そのうち約72万人は子どもたちです。

人道支援追いつかず

水田の汚れた水を飲む子どもたち。(2017年10月16日撮影)

© UNICEF/UN0136996/LeMoyne

水田の汚れた水を飲む子どもたち。(2017年10月16日撮影)

今回新たに難民となった27万人を含む、ロヒンギャの4歳から18歳の子ども推定45万人が教育支援を必要としています。

重度の栄養不良に陥っている子ども1万7,000人近くが、入院あるいは通院での治療を必要としており、妊婦および授乳中の母親12万人が栄養補助食品を必要としています。

難民が暮らす仮設住居区では、水、トイレなどの衛生施設が極端に不足しており、トイレは平均して100人で1基を共有している状況です。

「現在の仮設住居の過密状態と劣悪な衛生環境からすると、バングラデシュに常在するコレラや急性水様性下痢症が流行すれば、そこに居住する何千もの人が命を落とす恐れがあります」(ベイグベデル)

以前からの居住者と今回の難民の間ではしかの症例が報告されています。ユニセフは、受け入れコミュニティの子どもたちも含めて、定期予防接種の予定を急いでいます。

また、精神的に不安定で子どもたちの世話をできない親や養育者がいるという報告があります。若者たちの多くは、配給の手伝い、まきの収集、高齢の親戚や兄弟の世話などのこれまでにない役割を担っています。子どもが家長となった世帯の下で、少なくとも900人の子どもたちが暮らしています。

ユニセフは、パートナー団体と協力して、弱い立場にある子どもたちの命を守る支援を提供しています。

ユニセフの8月25日以降の活動:

  • ユニセフとパートナー団体は、5万人近くの5歳未満児を対象に栄養不良の検査をし、重度の栄養不良に陥った1,500人以上を発見し、ほぼ全員に治療を提供
  • はしか、風疹およびポリオの予防接種キャンペーンに合わせて、6カ月から59カ月の子ども約6万9,000人に対して、ビタミンA錠剤を提供
  • 妊婦および授乳中の女性7,500人近くに対して、乳児・幼児の栄養不良を減らすために重要な食事の与え方に関する情報を提供
  • 10月10日からコレラの予防接種キャンペーンを開始し、1歳から5歳児18万人を含む70万人以上の人々に接種。11月初旬から第2期の予防接種キャンペーンを開始し、難民キャンプで急速に流行し死に至る可能性のあるコレラの予防接種を子ども18万人およびポリオの予防接種を子ども22万人に接種予定
  • ユニセフとパートナー団体は、12万8,000人に飲料水を、19万人に衛生サービスを、3万7,000人に衛生キットおよびポリタンクを提供
  • 106カ所の子どもにやさしい空間で、3万5,000人以上の子どもに心理社会的ケアを提供
  • ユニセフは、新たな難民8,500人を含む2万2,000人の子どもたちに、学習の機会を提供

難民たちのニーズは膨大かつ増加し続けているものの、資金は極端に少ないままです。ユニセフが危機の影響を受けている子どもと女性の命を守るための人道支援に必要な資金7,600万米ドルのうち、獲得できているのはわずか11%です。

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