【2017年10月23日 ニューヨーク/ジュネーブ/ダッカ(バングラデシュ)発】
ミャンマーからバングラデシュに大勢のロヒンギャの家族が逃れ始めてから2カ月近く経つものの、いまだに何千人もの子どもと女性が生きるために必要な基本的サービスを受けられていないと、本日ユニセフ(国連児童基金)は発表しました。
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ユニセフは、深刻な資金不足が続く危機への支援を募るために各国政府と人道支援諸機関がジュネーブで会する支援国会合に合わせて、この警鐘を鳴らしています。
「ロヒンギャ難民危機は、治まる気配がありません」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデル(Edouard Beigbeder)は述べました。「難民たちと彼らを受け入れているコミュニティのニーズは、私たちの支援能力をはるかに超えて急増しています。私たちには今すぐ更なる資金が必要です」
コックス・バザールでは、今回ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民、以前から難民としてこの地に身を寄せる人々、および彼らを受け入れているバングラデシュの脆弱なコミュニティに暮らす人々、合わせて120万人近くが人道支援を必要としています。そのうち約72万人は子どもたちです。
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今回新たに難民となった27万人を含む、ロヒンギャの4歳から18歳の子ども推定45万人が教育支援を必要としています。
重度の栄養不良に陥っている子ども1万7,000人近くが、入院あるいは通院での治療を必要としており、妊婦および授乳中の母親12万人が栄養補助食品を必要としています。
難民が暮らす仮設住居区では、水、トイレなどの衛生施設が極端に不足しており、トイレは平均して100人で1基を共有している状況です。
「現在の仮設住居の過密状態と劣悪な衛生環境からすると、バングラデシュに常在するコレラや急性水様性下痢症が流行すれば、そこに居住する何千もの人が命を落とす恐れがあります」(ベイグベデル)
以前からの居住者と今回の難民の間ではしかの症例が報告されています。ユニセフは、受け入れコミュニティの子どもたちも含めて、定期予防接種の予定を急いでいます。
また、精神的に不安定で子どもたちの世話をできない親や養育者がいるという報告があります。若者たちの多くは、配給の手伝い、まきの収集、高齢の親戚や兄弟の世話などのこれまでにない役割を担っています。子どもが家長となった世帯の下で、少なくとも900人の子どもたちが暮らしています。
ユニセフは、パートナー団体と協力して、弱い立場にある子どもたちの命を守る支援を提供しています。
ユニセフの8月25日以降の活動:
難民たちのニーズは膨大かつ増加し続けているものの、資金は極端に少ないままです。ユニセフが危機の影響を受けている子どもと女性の命を守るための人道支援に必要な資金7,600万米ドルのうち、獲得できているのはわずか11%です。
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