【2020年7月24日 コートジボワール/ベトナム/ラオス/エジプト/ブータン/中国発】
新型コロナウイルス感染症の影響により、都市封鎖(ロックダウン)の実施が世界的にピークとなった今年4月、世界194カ国以上で学校の休校措置が取られていましたが、現在、世界各地の学校に子どもたちが戻ってきています。
国や地域によっては、学校は、子どもの安全や栄養状態を支える生命線となっており、休校の長期化によって子どもに対する暴力が増加するなどの悪影響も懸念されていました。
学校再開にあたり、ユニセフは、学校を安全な場に保ちつつ子どもたちが学習を続けられるように、政府や自治体、学校などと協力しながら、適切な感染予防対策を支援しています。
コートジボワール、ベトナム、ラオス、エジプト、ブータン、中国で学校にもどってきた子どもたちの様子をご紹介します。手洗い、マスクの着用、 体温チェックなどの対策が、学校生活に組み込まれつつあります。
© UNICEF/UNI330866// Frank Dejongh |
マスク姿の子どもたちが、コートジボワール南西部にあるサンペドロの小学校で授業を受けています。新型コロナウイルスの影響で、数週間休校になっていた学校は、5月18日に再開。
感染予防措置がとられ、安全を確保しながらの再開となった学校で、子どもたちは、手作りのマスクを着け、教室では間隔をあけて座り、頻繁に手を洗っています。
© UNICEF/UNI329516/ |
5月11日、ベトナム・ラオカイの学校に子どもたちが戻ってきました。再開初日、子どもたちが、先生による体温測定を並んで待っています。こうした対策は、学校をより安全な場所にするための「新しい習慣」となっています。
旧正月祭があった1月下旬からの長期の休校を経て、2,200万人以上のベトナムの子どもたちが、学校に戻ってきました。
再開にあたって学校は、感染症の広がりを防ぐために教育訓練省が設けた、安全基準リストの内容を満たす必要がありました。リストには、衛生的な環境、食品衛生、医療・衛生用品(体温計や石けんなど)などの整備と、体温チェックの実施、マスクの着用、教室での適切な距離をとることなどが含まれています。
子どもたちが安全に学校に戻ってこれるよう、全国の4万3,966校すべてが、ユニセフの支援によって、そうした安全対策を実施しました。
©UNICEF Laos/2020/AKarki |
5月18日、ラオスの首都ビエンチャンにある公立学校が再開し、900人以上の子どもたちが、学校に戻ってきました。
過去1か月間、新たな新型コロナウイルス感染が確認されなかったことを受け、ラオス教育省は学校を段階的に再開するための「安全な学校ガイダンス」を発表し、2カ月ぶりに学校が再開しました。
ユニセフは、新型コロナウイルス感染症の対応計画を策定する教育省をサポートし、保護者や教師、子どもたちを対象にした「学校に戻ろう」キャンペーンを支援しました。キャンペーンの一環として、国内のすべての学校に啓発ポスターが配布されたほか、メディアを通じて予防に関する情報が発信されました。
©UNICEF/UNI329197/Mostafa |
エジプト・ミニア州にある高校で、生徒一人ひとりが手の消毒をしています。
ユニセフは、学校を安全に再開するためのガイドライン作成に取り組むエジプト教育省をサポートするとともに、33万人以上の子どもたちの安全を守るため、ミニア州とフェイユーム州の360の学校で、消毒作業などを支援しています。
またユニセフは、高校3年生の期末試験を前に、さらに567校の学校における 消毒作業を支援する予定です。
©UNICEf/Bhutan/SPelden/2020 |
ブータンでは、登校を一部の学年に限る形で、7月1日に全国の学校が再開しました。ワンデュにあるサムテンガン中央学校では、134名の生徒がマスク姿で登校し、久しぶりの授業が賑やかにおこなわれました。
ユニセフはブータン教育省と緊密に連携し、国による学校再開のためのガイドラインやチェックリストの作成、安全対策の実施を支援しています。
©UNICEF/UNI336269/Ma |
6月2日に再開した中国・重慶市の幼稚園では、子どもたちが園の入り口で、体温チェックを受け、手指の消毒をしています。子どもたちの健康と安全を守るために、職員や先生は、新型コロナウイルスの感染症状がないかの確認、適切な衛生習慣の促進、教室や寮の消毒など、一連の対策を実施しています。
中国では、新型コロナウイルスの流行が落ち着きを見せた後、徐々に子どもたちの姿が学校に戻ってきました。
ユニセフは学校再開にあたり、「安全に学校に戻ろう」キャンペーンを支援し、子どもたちや教師、保護者が実践できる予防対策の実践的なヒント集を作成して全国の学校に配布しています。
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