【2020年10月14日 東京発】
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10月15日は、世界手洗いの日(Global Handwashing Day)。国際衛生年の2008年に、ユニセフなど水と衛生の問題に取り組む国際機関、大学、企業などによって定められました。毎年の世界手洗いの日には、石けんを使った正しい手洗いの啓発活動が、世界各地で行われています。
今年は新型コロナウイルス感染症の流行により、手洗いの重要性が世界的に再認識されました。そして毎年風邪やインフルエンザの流行が始まるこの季節は、手洗いがますます大切になります。
正しい手洗いで、感染症を予防しましょう。
汚れやばい菌は手のあちこちにつきますが、手洗いをするときに特に気をつけるべきことは、手の中の溝やくぼみがあるところや、物によく触れるところをしっかり洗うことです。
下の図では、手洗いで洗う6つのポイント「手のひら、つめ、親指のまわり、手の甲、指の間、手首」を色で示しています。
石けんを泡立てて、これらすべての箇所を正しくしっかり洗うためには、約20秒かかると言われています。
日本ユニセフ協会は2009年、「子どもたちに、正しい手洗いの大切さを楽しく伝え、命を守る衛生習慣について知ってもらいたい」という想いからユニセフ「世界手洗いの日プロジェクト」を発足。その一環で、ウイルスや菌がつきやすい6カ所を念入りに洗う手洗いを、誰もが楽しみながら覚えられるダンスとして「世界手洗いダンス」を制作しました。
新型コロナ禍の今年4月にも、「#ユニセフ手洗い部」のハッシュタグを通じて、「世界手洗いダンス」や正しい手洗いの大切さについてソーシャルメディア等で発信しました。
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石けんを使った手洗いは、感染症から自分や家族、周囲の人を守るためにできる、最も安価で効果的な感染予防策のひとつである一方、手洗いに必要な水や石けんは誰もが簡単に手に入れられるものではありません。
世界の人口の40%にあたる30億人は、石けんと水がそろった手洗い場が自宅になく、日常的に手洗いすることができません。また、石けんが備わった手洗い場がない学校に通う子どもたちは、9億人にものぼります。
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水と衛生に関わる活動は、国連組織の中でユニセフがリーダーとなって推進する分野の一つです。世界中の政府や企業と協力しながら、安全な水や衛生設備、トイレの普及を推進し、最も基本的な公衆衛生策である手洗いの啓発もしています。
今年の新型コロナウイルスの世界的流行を受け、特に脆弱な環境に置かれている子どもたちや家族に向けて、ユニセフは支援をさらに強化しています。
特に感染症へのリスクが高いとされているのは、密集した状態や不衛生な環境で暮らす人々です。
内戦が続くイエメンの避難民キャンプや、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプ、ケニア・ナイロビにあるスラムなどで暮らす、脆弱な立場に置かれた子どもたちや家族に焦点を当て、石けんやタオル、バケツ、水容器を含む基本的な衛生キットと安全な水を提供し、日常的に手洗いができるように取り組んでいます。
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さらに、90カ国以上で手洗いの啓発を推進しており、政府と協力して手洗いの方針、戦略や行動計画を策定しています。また、マス・メディア、地域の保健員や普及員と協力して手洗いを促進すること、学校や教師と協力して子どもたちに手洗いの重要性を教えることなど、各国での手洗いキャンペーンを支援しています。
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