2021年12月10日ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)は、12月11日に迎える創設75周年を記念し、オンライン機器や設備の普及の遅れで学習の機会を奪われている子どもたちを支援するために、国連機関のNFTの活用として最大規模となるNFTアート1,000点のオークションを行います。
ユニセフ創設75周年を記念
ユニセフ本部は、これらのNFTアートをイーサリアム・ブロックチェーンで頒布。一部には、ユニセフ創設75周年を記念する「電子透かし(digital watermark)」が施され、他のNFTアートも、2022年初頭に予定される複数のイベントに関連付けられる予定です。
ユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは次のように述べました。「ユニセフは、75年間、子どもたちの人生を変える原動力となってきました。その歴史を振り返りつつ、子どもたちの未来を確かなものにするために、私たちはあらゆる革新的な取り組みの機会を捉えなければなりません。ひとりでも多くの子どもたちに支援を届けるために、より良い世界に投資するために、私たちは“道具箱”に入っているすべての道具を使わなくてはなりません。支援のための活動資金の調達手段も、例外ではありません。ユニセフ初となるNFTグローバルアートコレクションの立ち上げは、デジタルデバイドを解消し、すべての若者がインターネットにアクセスできるようにするための国際社会の取り組みをサポートするものです」
2021年末から2022年初頭にかけて実施する今回のオークションの収益は、ユニセフがITU(国際電気通信連合)とともに進める、低軌道通信衛星、機械学習(マシンラーニング)、ブロックチェーンなどの技術を使って世界中のすべての学校をインターネットで繋ぐGIGA(ギガ)プロジェクトなどの、革新的な技術で世界の子どもたちが置かれている状況を改善するための取り組みに活用されます。全世界でこれまでに、3,000校の70万人を超える子どもたちがGIGAを通じてインターネットを活用できるようになり、さらに100万人を超える子どもたちへの支援が計画されています。
デジタル格差解消に
ユニセフ創設75周年を記念するNFTアートコレクションの制作にあたり、ユニセフはデータ視覚化デザイナー・アーティストのネディア・ブレイマー(Nadieh Bremer)氏とコラボ。一つ一つが、インターネットに繋がっている学校がある“上”の世界と、まだ繋がっていない学校がある“下”の世界を表現している作品をまとめた「パッチワーク王国(Patchwork Kingdoms)」と題する作品を制作しました。世界の子どもたちのデジタル格差を視覚化するGIGAのライブマップにヒントを得て制作したこの作品は、上半分の濃い色の正方形群で、デジタルで繋がった都市を象徴しています。一方、作品下方の水面に反射したかのように描かれている淡い色の正方形群は、まだデジタル格差が広がる都市を象徴しています。また、作品全体で様々な色を使い、多くの子どもたちが、インターネットへのアクセスをまだ必要としていることを示しています。
このパッチワーク作品は、21カ国28万校のデータを視覚・アート化したものです。パッチワークを構成する各NFTアートも、28万校を小グループにまとめ、それぞれのデータを視覚・アート化しています。
ネディア・ブレイマー氏は、「私の最初のインスピレーションの源は、私が子どもの頃に経験した不思議な感覚でした。GIGAのライブマップが、このアートワークを導いてくれました。そのデータを使用して、プロジェクト(GIGA)の重要性を微妙に伝えられるよう、1,000の小さなファンタジーアート作品を制作しました。インターネットに接続されていない学校はまだたくさんあり、多くの子どもたちが取り残されています」と述べています。