2022年9月9日ダカール発
「教育を攻撃から守るための国際デー」だった9日、子どもたちのために、また子どもたちとともに活動する国際NGOとユニセフ(国連児童基金)は、サヘル地域各国の政府、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、アフリカ連合に対し、サヘル地域の学校に対する攻撃をより効果的に防止し対応するための政策と法律を採択するよう呼びかけました。
1万1,100校が閉鎖
多くの親が新学期の準備をする一方で、何十万人もの子どもたちが今年も学校に戻ることはできないでしょう。中央サヘルとチャド湖畔一帯では、紛争や、教師や生徒に対する脅威が原因で、11,100校が閉鎖されています。西部・中部アフリカ地域では、2019年から2020年にかけて、学校への攻撃件数が2倍以上に増えています。多くの教室が焼かれ、武装グループや武装勢力に占拠されている学校もあります。
「ある日、私たちは学校にいたのですが、人々が学校を閉めるように言いに来ました。彼らは私たちに立ち去る時間を与えて、もし戻って来たときにだれかが学校にいたら殺すと言いました」とブルキナファソの13歳の少女は話します。
紛争が続いており、こうした学校の再建や改修には時間がかかり困難であることを考えると、学校が閉鎖された子どもたちの代替教育の機会へのアクセスを優先しなければなりません。この地域の人口の半数は18歳未満であり、こうした学校閉鎖と貧困化の進行が相まって、女の子の教育へのアクセスが不当に低下し、ジェンダー格差がさらに広がり、児童婚や早期妊娠といった慣行が増加する可能性が高くなっています。
#SafeSchoolsキャンペーン
NGOとユニセフが主導する#SafeSchools(安全な学校)キャンペーンは、サヘル地域における危機が子どもたちの学校へのアクセスや留年に悪影響を及ぼすことに警鐘を鳴らし、教育を受ける権利とインクルーシブで安全な学校環境の尊重を呼びかけています。
「学校、生徒、教育者への攻撃は、子どもたちの教育を受ける権利への攻撃であり、子どもたちの未来への攻撃です」と、ユニセフ西部・中部アフリカ地域所代表のマリー・ピエール・ポワリエは述べました。「教育を受けられなければ、西部・中部アフリカの紛争の中で暮らす子どもたちの世代は、もって生まれた能力を発揮し、家庭やコミュニティで十分な役割を果たし、国や経済に貢献するために必要なスキルを身につけることなく成長していくことになります」
すべての子どもたちは、安全な学校で教育を受ける権利を持っており、学校への攻撃を終わらせなければなりません。