2024年6月25日ブラジル発
2024年11月に行われるブラジルでのG20を見据えて、ユニセフ・ブラジル事務所は、在ブラジル日本大使館との共催で、Accelerating Results for Child and Youth Health (「子どもと青少年の健康成果の加速化に向けて」)と題したセミナーを5月28日にサンパウロ市のジャパンハウスで開催。官民連携による子どもと青少年の保健アクセスの加速化の課題と機会について、プレゼンテーションやパネルディスカッションを通して活発な議論が行われました。
セミナー冒頭では、林禎二 駐ブラジル日本大使より、保健と教育の分野を中心に官民の結びつきを推進し、ブラジルと日本両国の歴史的な関係を強化したい、とのお話をいただきました。続いて、ユニセフ・ブラジル事務所代表のユスーフ・アブデル・ジェリルは、子どもたちの権利を保障し、SDGsを達成するためには、民間企業のテクノロジー、イノベーション、リソースが不可欠であると述べ、官民のパートナーシップの重要性を強調しました。
そして、ユニセフ・ブラジル事務所副代表デニース・シュトゥッケンブルックより、子どもと青少年のウェルビーイングに貢献するデジタルヘルスに関するユニセフの取り組みについての紹介と、ユニセフのアプローチは、デジタル技術を活用することで、最も脆弱な女の子や男の子に手を差し伸べ、権利の実現における公平性を確保しようとしている、との説明がありました。
また、タケダ・ブラジル社長、ホセ・マヌエル・カマニョ・イグレシアスさんからは、衛生、気候変動、保健の各分野におけるユニセフ・ブラジルとのパートナーシップの成果を発表いただきました。イグレシアスさんは「タケダとユニセフのパートナーシップは、共有する理念とブラジル社会へのコミットメントの融合から生まれました。タケダはブラジルに恒久的な遺産を残したいと考えており、政府と企業のパートナーシップは、子どもたちや青少年に長期的な影響を与える最良の方法であると認識しています」と述べました。
個々のプレゼンテーションの後、官民の代表からなるパネルディスカッションが行われ、デジタルヘルス、特に子どもと青少年にプラスの影響を与えるイニシアティブを促進するためのパートナーシップの課題や課題解決に向けた新しい技術の開発や改良による事業機会、などについて話し合われました。
本セミナーには、ユニセフ・アジア親善大使のアグネス・チャンより、開催への祝辞とともに、医療アクセスへの不平等がブラジルの子どもに与える影響について目を向け、ユニセフと協力して特に脆弱な立場の子どもの権利を守る取り組みを検討していただきたい、とのビデオメッセージが寄せられ、会場にて放映されました。