ユニセフは、下痢やメジナ虫病など水に関係する病気の削減・根絶を目指して、マリ政府とともに、清潔で安全な水の供給や衛生教育、コミュニティの人たちの井戸の管理能力育成の活動をしています。 特に、メジナ虫病が発生している、モプティ地方、ガオ地方などの農村で重点的に活動をしています。
メジナ虫病が発生した場合、村から自治体へ、自治体から県へと報告があがり、マリ政府のメジナ虫病根絶プログラムの担当者へ情報が集まります。ユニセフ・マリ事務所の水プログラム担当トゴタ・ソゴバは、清潔で安全な水を供給するためにどの地域に手押しポンプ付の井戸を作るか、担当者と協議します。
このときのポイントの一つが、コミュニティの人たちが手押しポンプ付の井戸がほしい、と真剣に考えているかということ。関心が高ければ、井戸ができたあとのメンテナンスや、より多くの人が井戸の水を使えるよう協力しあうことなどが期待でき、せっかくの支援が無駄になることを防ぐことができます。住民の関心が低ければ井戸はぞんざいに扱われ、壊れても修理さえされないことが多くなるのです。 手押しポンプ付の井戸は、掘削機を使って穴を掘り、深さは地下50〜100メートルにもなります※。ユニセフは、清潔で安全な水であるか水質を確認し、コミュニティの水管理委員会を中心に、住民たちに適切な使いかたや衛生習慣が伝えていくよう、サポートをします。
※掘る深さは場所によって異なります。
井戸を作ると同時に、コミュニティの人たちが自分たちの力で井戸を維持していけるよう、メンテナンスのトレーニングや予備用の部品の在庫ネットワークの立ち上げも行います。 「コミュニティの人たちが「自分たちの手」で、「自分たちの井戸」を守り、使い続け、健康な生活を送れることが一番。健康であれば、子どもは教育を受けられる機会も増える。子どもは未来のマリを担う大切な存在です。」とトゴタは言います。
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