中東のシリアでは紛争が開始してから2025年で14年となり、近年の歴史の中で最も長引いた紛争の1つとなりました。紛争開始以来、長期化する攻撃、繰り返される避難、経済の衰退、疾病の集団発生、地震被害とあまりにも多くの子どもたちが多くの犠牲を強いられ、大切な子ども時代を奪われています。
ユニセフは2025年に向け、シリアおよび周辺国(トルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプト)においてシリア紛争下で苦しむ子どもたちを一人でも多く守る救援活動のため、7億7,000万米ドル(1,162億7000万円。1米ドル=151円で計算)の支援を国際社会に呼びかけています。
[ 2024年12月17日 ] 第340報
「シリアの子どもに平和を」
人道支援を必要とする子ども750万人
教育の再開、人道支援の増強、子どもの保護などが重要
[ 2024年12月8日 ] 第339報
シリア政権崩壊
「支援拡大のため、人道アクセスの保障を」
ユニセフ事務局長声明
シリア紛争12年:奪われ続ける子ども時代 /日本ユニセフ協会 (2023年3月公開)
ユニセフが発表したシリアの人道危機に関する2024年の報告書は、長期化する紛争下で経済危機や自然災害が発生し、同国の人々、特に子どもたちは世界でも最も複雑な危機に晒され続けていると伝えています。多くのシリア人が今も人道支援を必要としており、推定約720万人以上が国内避難民で、うち約520万人以上が避難キャンプ外での暮らしを強いられています。紛争により、インフラの破壊が広がり、必要なサービスへのアクセスが制限され、食料や清潔な水などの基本的な生活必需品の不足が深刻になっています。
みなさまからのご支援のおかげで、ユニセフはこれまでにシリア国内および難民受け入れ国において、数百万人の子どもとその家族に支援を届けることができました。
ユニセフはシリア国内にて、2024年上半期に270万人の子どもたち、120万人の女性、4万人の障がいを持つ人々や子どもたちを含む、460万人以上支援しました。
【2024年上半期 シリア国内(一例)】
約120万人の子どもと女性たちに一次医療、約21万人の幼児に3種混合ワクチンを提供しました。
水道などが損傷・破壊されている地域住民を含む150万人以上に対して安全な水へのアクセス、48万人以上に対して衛生へのアクセスを提供しました。
また、同国の約60万人以上の子どもたちに正規・非正規の教育へのアクセス、そしてユニセフのパートナー団体とともに、65万人以上の子どもたちにメンタルヘルスと心理社会的支援を提供しました。
ユニセフは、すべての子どもの権利を守るための機関として、シリアおよび難民受け入れ国において、保健・衛生・栄養支援、心のケアなどの救援活動を継続しています。
<2025年の活動計画(一例)>
大切な家族を失った子ども、全てを置いて命がけでシリアから逃れた子ども、学校に通えない子ども。しかし、その子どもたち1人ひとりに人生があり、物語があります。すべての子どもが子ども時代を取り戻せるよう、シリア緊急募金にご協力をお願いいたします。
こうしたユニセフの活動の中で、皆さまから寄せられる募金は、たとえば、次のようなものにも使われています。
※ご寄付の金額は任意です
※※2024年12月現在 1米ドル=151円で計算
※輸送や配布のための費用は含みません。
シリア緊急募金
郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座
振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「シリア」と明記願います。 *窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。
公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税・相続税・法人税の税制上の優遇措置があります。
また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。